出会い
クラス発表が終わり各自クラスに向かった。
クラスには全然仲の良い人はいなくて、しかも新しい担任の先生は先生の中でも1番正義感が強く、なにかあったらすぐ呼び出し指導する松田というめんどくさい女の先生だった。
残念なクラスにきてしまったと思っている最中、
不幸中の幸いに勇一の大の親友、茂木圭太が同じクラスだと気づく。
圭太は小学校6年間ずっと一緒のクラスで中1の頃も同じクラスだった。
勇一とは対照的で比較的おとなしく、勉強ができて中1の頃に学年で1位をとったこともあった。
「よぉ圭太、なんかつまんないクラスにきてしまったな」
勇一は言った。
「クラスのやつは誰でもいんだけど担任がね」
圭太は言った。
きてしまったのはもお仕方が無い。
勇一は前のクラスのほうが良かったと思いながらも新しい仲間と仲良く過ごしていた。
新しいクラスの仲間はみんな明るい人ばかりだった。
先生もめんどくさいとこはあるけど、とても面白い人で生徒から信頼されていた。
勇一は放課後の掃除の時に掃除の班をしきったり命令していたりしていたところを先生に見られ、
社長みたいだ
ということで社長というあだ名をつけられた。
それからクラスの仲間は勇一のことを社長と呼びはじめた。
勇一はあだ名をはじめてつけられたので喜んだ。
クラスの仲間は勇一に逆らったり意見したりすることはなかった。
いやできなかったと言うべきか、
勇一は空手をやっていて実力は中学トップレベル、身体は細いが運動部にも負けないほどの筋力で腕相撲は負け知らずだった。
そんな勇一がキレたら死人がでるということで、みんな逆らわなかった。
クラスの仲間は勇一の第一印象が怖い人だった。
だけど話してみると意外に面白い人という印象だった。
いつしか勇一は誰も逆らわない権力と面白い人という人気でクラスの信頼を集めていた。