不良品の僕。
跡形もなくなった二人の足跡。
さりげなく一歩を踏み出してみても、
後ろを振り向けば、そこには何もなくて。
さら地になってしまった二人の城。
今はもう、そこに在った事実を知る者はいない。
僕だって、君だって、誰だって、何も誰も知らない。
引き裂かれてしまった二人の絆。
ちぎれてしまった鎖が、元に戻ることは二度となくて。
それは幾年が重なりゆく現実の中で、ずっと変わらない出来事。
この間までは、君の傍に ずっといることができるって思っていた。
だけど、今となっては、それは もはや叶わぬ夢でしかない。
僕は「酷い事をした」と後悔を繰り返すばかりで、、、
泣きたくても、自分が情けなくて涙がでない。
叫びたくても、叫ぶほどの力が残っていない。
前に踏み出したくても、過去が気になって、前に踏み出せない。
だから、僕は動くことのできない人形。
ただ、無意味に頭の中でシミュレーションを繰り返すことしかできない人間。
そんな不良品な僕を、誰か買い取ってくれませんか?
こんな不良品な僕に、誰か手を差し伸べてくれませんか?