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幼馴染が急に距離を置き始めたので、少林寺拳法始めてみました  作者: 10kg痩せたい
蛇足篇

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第一話 進学

聖奈──


~大学1年生4月~


「何とかギリギリ、合格できたねぇ!」

「そんなこと言って……聖奈ちゃんも最後の半年は全部A判定貰ってたじゃない」


 なんとか私達は南雲くん達と同じ筑波科学大学に進学することができた。今日はその入学式。そして視線の先には、南雲くんとその彼女の北条が居た。


「睨んでも仕方ないでしょ~」


「……私から寝取ったくせに」


「そんな風に言わないでよ~、それにあの頃はあんたもお熱だったじゃない」


「……やめて」


「メスの顔してたよ」


「……本当にやめて」


「ヴァージンまでささげて」


 私を睨む可愛い親友。だめだな、ついイジメたくなっちゃう……。


「別の男にまでおもちゃにされて」


 あ、限界を超えちゃった……。立ち止まって泣きそうになる真理愛。


「はぁ……辛かったよね。わかるのは私だけだよ」


 歩き出せなくなってしまう彼女の頭を胸に抱いてやる。


「人を呪わば穴2つ。だからそういう言葉は口にしちゃだめ。……安心して、あんたが吹っ切れるまでは守ってあげるから」

「……ありがと、それとごめん」


 いつも震えてるのを知っている。1人で寝られない夜があるのも知っている。私は真理愛が新しい恋を見つけるまで一緒にいるから。

 いい人、見つかるといいね。




「新歓で酔っぱらったふりして南雲くんに抱き着いちゃえばいいのに」

「がっくん真面目だから絶対そんなこと許さないもん」


 新歓で酔った女の子を持ち帰ろうとした男を撃退した少林寺拳法の男の噂が流れたのはそのすぐ後だった。




~勧誘~


「ね~ね~君達新入生?うちのサークル見てってよ!ほらほら」


 しつこい……もう100mは着いてくる……。


「あの、そういうのは興味がないので……」

「え~おねがいおねがい見てくだけ!見てくだけでいいからさ!」


 真理愛が怯えてる。これ以上はもう……と思ったときに黒い影が間に入ってきた。


「俺の連れになんか用か」

「あ゛?新入生が調子乗んなよ?はいはい、どいてくださー……」


 パンッと黒い影が勧誘男の足を軽く払ったと思ったら……勧誘男が丁度1回転してその場に立った……。は?


「俺の連れに手を出すな、って言ってるんだ」


 勧誘男の顔に冷や汗がダラダラ流れてくる。


「し、失礼しやした~~~~~!」


 勧誘男は脱兎のごとく逃げ出した。

 そして、黒い影の正体、南雲学だ。


 うわぁ、今のは流石に反則だなぁ……。真理愛を見ると、顔真っ赤じゃん……。


「守ってくれて……ごめんなさい」


 真理愛が顔も見られずそれだけ言って逃げ出した。


「そこはありがとう、だろ……」


 南雲くんも誰に言うでもなくそう呟いた。


「そうだよね、ありがと!南雲くん!私追いかけるから!」


 軽く手を上げたら、返事するように南雲くんも手を上げ返してくれた。なるほど、あれは惚れるし諦められないわぁ……。




~その夜~


 思い出し悶絶をしている真理愛。


「真理愛~早くお風呂入っちゃって~」

「だめ!今!無理!」


 がっくんが相当に良かったらしい。ただ、お風呂に入らないというなら、こちらも手段は選ばない。


「わかるよカッコよかったし~。私が狙っちゃおうかな~」

「だめ」


 涙目で首を振る真理愛。う~ん、可愛い。


「え~でも~、真理愛はすぐ逃げちゃって付き合えないじゃん。なら私が狙っても……」

「聖奈ちゃん、本当に良い子だもん。誘ったら浮気成功しちゃうからだめだもん」


 これだ。これを男に向けたらどれだけの男が直ぐに落ちるかわかっていない。がっくんだってイチコロなんじゃないかな。たぶんすぐだと思うんだけどなって私は考えちゃう。


 でも、自分を卑下する気持ちが真理愛の恋の障壁になっている。自分の元には戻ってこないと考えてしてしまっているんだ。

 諦めたくないからこの大学に入ったんじゃないのかぁ???不思議な子だ……。


 他の恋愛を探すわけでもない。がっくんとの関係を進めるわけでもない。それはなんだか、とても不健康に思えるんだけどなぁ……まぁ探してない私が言うなって話ではありますが……。





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