第二十八話 おしまいの裏側では
学──
~3月3週目~
「あのね、私がっくんのことが好きなの!」
幼馴染に呼び出され、体育館裏へ来た俺に……。告白……か。
時子に優しくして、と言われたから。渋々デートにも行った。映画に、カラオケに、カフェに……その他いろいろ。
結果、中学の頃にはもう戻れない。いろんな出来事が真理愛を見る目を歪ませた。
時子は何を考えているのか、しばらく会話をしてない。学校でだけ、避けられている。バイト先には普通に来るから本当によくわからない。
「ごめん、俺もう彼女いるから」
「……えっ?」
「もう彼女いるからさ。二股とかできないんだわ」
幼馴染に告げる。夏休み前だったらどうだったんだろう。北条時子と話す前だったら俺はYESと返していたんだろう……。
「ど……だ、誰?……なんで!?」
幼馴染は疑問をぶつける。
北条と互いの関係は口外しない約束をしていたが……でも真理愛に対しては言わないといけないと思った。
「A組の北条。話したことあったよな?夏休みの終わり頃に付き合い始めたんだ」
「そういうわけで俺は付き合えないから」
「待って!北条さんと付き合ってる!?私、がっくんが北条さんに遊ばれてるって聞いて……」
「あの質の悪い噂か。それは嘘だよ」
なぜかC組でだけ流れていた噂と聞いている。
「だってさ……俺達はいつも一緒だったから」
記憶が蘇る。
真理愛が俺から離れて行って、荒んだ心を一緒に居た時子が癒してくれた。今、ここに俺がいるのは全部時子のおかげだ。時子が、隣にいてくれたから……。
「夏休み前くらいから一緒に過ごすことが増えた。夏休みもいろんなところへ遊びに行った。泊りも行った。2学期になってからは朝の勉強も付き合ってくれた。バイトの時はいつも遊びに来てくれた。クリスマスも、年末も……いつも一緒だったんだ。それで遊ばれてたって……無理があるだろう」
俺はもう、時子がいない南雲学は有り得ないと感じている。
「それに真剣に交際しているんだ。互いの両親にも挨拶をしている。……だから真理愛とは付き合えないんだ」
俺は、真理愛の告白を聞いてそれでもなお、時子と一緒に居たい気持ちが勝った。
だから、ごめんな真理愛。付き合えないんだ、お前とは。




