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幼馴染が急に距離を置き始めたので、少林寺拳法始めてみました  作者: 10kg痩せたい
蛇足篇

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第二十七話 日外聖奈

聖奈──


 時子と真理愛によって裸にひん剥かれて、学くんの部屋にぶち込まれた。部屋の主人と一緒に。

 まぁ見られて減るもんじゃなし。


「えっと……ごめんね。なんかこんなことになって」


「いつものことだ。もう慣れ……はしないか」


 あははと2人で笑いあう。

 とりあえずとブランケットを渡され、それを羽織る。

 学くんは手早く暖かいお茶を淹れてくれた。暖房もしっかり効いているのにまめな奴。


「学くん、真理愛から話聞けた?」


「あぁ全部聞いた」


「ごめん。私、もう1個謝らなきゃいけないことがあった。これは、殴られるとかそういうレベルじゃないこと……。言わなかったのも、心のどこかでこれを言ったらもう終わりになるからって……ブレーキをかけていた私の弱さのせいで……言い訳できない」




「旅行の時、私は中田に真理愛を抱くように指示をした」


 自分にこんな弱さがあるなんて、初めて知った。

 おちゃらけていれば学くんなら大抵のことは許してくれるってそう思っていたのかもしれない。真理愛を抱いていたこととか。

 でも、これはそういうレベルじゃないのはわかる。学くんがキレてあいつ等を殺そうとしたのと同じレベルのやらかしだ。


 どうしよう。体が震える。こんなに怖いのは初めてだ。

 今、目を合わせられない私の前にいる人は、私を殺すことなんて簡単にできるだろう。でも、それよりも今は、その怒りを……軽蔑の目を、私に向けられることの方が怖かった。


 勇気を振り絞って、私は学くんの目を見るけど、止めておけばよかった。人を殺す目で彼は私を睨みつけていた。


「それで?それは真理愛に謝ったのか?」


「はい、謝りました」


 ガタガタと震える奥歯を必死で抑えて言葉を捻り出した。


「真理愛はそれを許したのか」


「許して……くれた。でも心の中まではわからない」


「そうか。じゃあ責任取ってもらわないとな。俺がどれだけ怒っているか理解してくれよ」















































 それは暴風になると思っていたのに、台風の目のような優しい暖かさを持っていた




 ただ ただ 彼の暖かい声で蕩けさせられた


 彼がこんなに言葉を尽くす人だとは思わなかった


 朴念仁みたいだなって勝手に見てた




 でもその 一言 一言 が私の頭を揺さぶった


 真理愛のことに対するお礼


 全部見ていたかのように


 彼は私を許してくれた




 そして私を褒める言葉


 これは真理愛にも言えない


 私のことをいっぱい褒めてくれた


 容姿を褒める男なんていくらでもいた


 でもこの人の言葉は頭に響く


 綺麗だよ って言葉に


 ゾクゾクしすぎて意識をもってかれそうなほど




 なんで

 なにが ちがうの

 わからない


 それに 止めてくれない


 一晩中 頭の中をかき回され続けた




 こんなの 反則だ























































 天井も床もわからないくらいめちゃくちゃにされてしまった。今、私はどこにいる?たぶんベットの上。暖かくてとても硬い岩盤のような学くんに抱きしめられている。


 怒ってるって言ったのに、それは……それはとても優しかった。今までの誰よりも。真理愛よりも。


「真理愛に、絶対に怒らないでって言われていたんだが、すまない。手加減が出来なかった」


 真理愛が学くんの部屋から出てくるたびに、バグってた意味をようやく理解した。優しいのに、何度も何度も天国に突き上げられた。


「それに、ずっと可愛いなって思ってた女の子だから、衝動が抑えきれなかった。本当にすまない」









 …………………………………………………………………………え?


「まなぶくん?いまなんて……?」


「ん?高校の時さ、初めて会った時。あの頃、俺は真理愛がやっぱり一番可愛いなって思っていたんだ。でも友達だよって紹介された日外聖奈に正直一目惚れをした」


 え?


「真理愛もいたし、その後時子とも付き合いだしたりで、いかんよなって諦めたけれど。やっぱり可愛いから見ちゃうよな。見られてたの気づいてただろ?」


 は?え?どういうこと。見てたのは真理愛でしょ。いつもいつもいつも、真理愛……あれ、でも大学とか私1人でもすぐに気づいて挨拶してくれた。輩から守ってくれた時も、そういえばなんで真理愛の方を離れて私の方に?え?あれ?ずっとずっとずっと真理愛のことを見ているんだと思っていたけど、え?私?私のことも見ていたの?


「焦りすぎてバイクで特攻しちゃったりな」


 私の顔が、とても赤くなっていることがわかってしまった。

 え?これなに?おかしいおかしいおかしい。頭の中がとてもおかしい。こんなの誰にも感じたことない。


 まなぶくんが、わたしのことをすきだった?




 逃げたいのに、離してくれない。やだよ、離してよ学くん。「高校の時も可愛かったけど、大学になって一気に女性の魅力が出てきて思わず仕事を忘れかけた……」じゃないって!じゃあさっきまでのは……お願い、離して学くん!!!やだ、だめ、なにこれ!わたしは自分のきもちが理解できない。まなぶくんが言葉を発するたびに、7年分の気持ちがぜんぶつたわってきちゃうよぉ!













学──


~翌日~


 起きたら聖奈はいつの間にかいなくなっていて、リビングに行ったら……。


「ひぅ!」

 と今まで聞いたこともない聖奈の声がして、自分より小さい真理愛の後ろに隠れてしまった。顔が真っ赤だ。

 え?俺なにかやっちゃいましたか?いやヤっちゃったんだが……。


「どうした聖奈。ごめん、俺がやりすぎちまったか?」


 いつもならふざけて、余裕だし~。とか言いそうなもんだが、一向に目が合わない。

 なんだ?俺がやはりなにかやらかしてしまったか。




「そういうところだよ、がっくん」「そういうところね、学」

 真理愛と、いつの間にかソファで朝食を食べていた時子が俺に向かってそういった。

 どういうところだ!まったくわからん!








真理愛──


「真理愛~~~、私……私ぃお風呂場で別にするくらいいいけど?とか言って誘っちゃったけど……あんなのビッチみたいじゃん~~~。学くんに軽い女って思われてたらどうしよう~~~」


 私は今、虚無となっている。

 可愛くてカッコよくて私を守ってくれた王子様な女の子の聖奈ちゃん。に、初恋が来た。

 がっくんに対しても、あんなのどうってことないよ。みたいな態度で赤裸々な経験を語っていた聖奈ちゃんが、これである。


「真理愛の大失敗の気持ちがようやくわかった。全部話しちゃったよお~~~」

 じゃ、ない。顔から火が出そうな気持ちと、好きな人に自分の恥部を知られてしまう後悔の気持ちはわかるけれども。


「どうしよう。今更清純ぶっても馬鹿みたいだし、でも今まで通りなんてできないから……顔が合わせられないぃ……」


 私の王子様は死んだ。もういない。お墓を建てよう。そうしよう。

























おまけ かしまし娘──


「時子!なんなのよあれは!」

「そうだよ!がっくんおかしいよ!」




「……天然なのよ」




「「え?」」




「南雲家純粋100%天然もの……なのよ、私は一切なにもしてない」




「「……え?」」




「初めての時からあれで……寝取り女とか罵られても……離れられるわけないじゃない……っ!」




「「……(同意しかない)」」




「一夫多妻についても、真理愛さんのことを考えていた部分もあるけど」


「7年以上、私1人で相手してきたの……」


「このままだと私、死んじゃうな……って思ったの」




「お嫁さん、増えて良かった」





────────────────




本日12時にもう1話更新します。





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