第二十五話 ラッキースケベ
学──
洗面所を開けて中へ入る。さて風呂にでも入ろうかとシャツを脱ごうとしたところで、ガラッと風呂のドアが開いたのに気づいて振り返ってしまった。
素っ裸の聖奈がそこにいた。
それは悪意でも性欲でもない。言うなれば本能なのかもしれない。俺は視線を下に降ろしてしまった。
愚行。
気づいてすぐに目線を上げるが……そこには聖奈のニヤニヤとした笑みが浮かんでいた。
「す!……まない。見るつもりは無かったんだ」
「んん~?見るつもり無かったのに、目線が動いちゃったんだぁ」
裸なのに堂々とした態度で、しかも何も隠さないまま、腰に手を当てた聖奈が俺を問い詰めて来た。いや、隠せ!まずそれか……あ!タオルは俺の後ろか!
振り向いて俺は聖奈のタオルを掴んで、振り返らずにそのまま手を後ろに回す。
ムニ。
「あん♪」
しまった。ここはもう奴の領域だった。絶体絶命、四面楚歌、万事休すに八方ふさがり。俺は死を覚悟した。
「別に……触りたければ触って良いし、見たければ見てもいいよ~♪」
聖奈の甘い声に……、吸い寄せられそうになる。
ムニ。
今度はタオルを渡そうとした手に当てられる。丁度良い。丁度良いサイズのそれは俺の心をくすぐった。
が、手からするりとタオルを抜き取られる感触がした。
「ふふ、冗談だよ。タオル巻いたからもうこっち見てもいいよ」
肝を冷やした。遊ばれていただけだった。……そのまま、聖奈の方を向いてしまったのが間違いだった。
「学くんのえっちぃ♪」
裸のままだった。俺はなんとなく、なんとなく聖奈ならそういうことをすると、この一週間くらいで学んだはずだ。なにを学んだんだ、南雲学!だからお前はアホなのだ!もう逃げられない!
「まぁさ。いろいろお世話になったし、別にするくらいいいけど?」
そう言って、後ろ向きになった聖奈は少し前屈みになり自分の尻を掴んで、俺に見せてくる。綺麗な……。
ドアが開いていた。
「なに、してるの?学」「なにしてるのかな、がっくん」
俺は死んだ。ポクポクポクチーン。
リビングでパンツ一丁のまま正座させられている。
時子と、真理愛からもお説教だ。聖奈はブヒャヒャヒャと笑っている……。
「学くん、2人がいて残念だったねぇ。ねぇ今どんな気持ち?ねぇ今どんな気持ち?」
「お説教、聖奈ちゃんもだよ」
「え゛っ!」




