夢十夜
夢十夜
夏目漱石
こんな夢をみた
知り合いでもないはずの友達が仲良く話している。
行ったことのない場所を歩いている。
好きだったあの子が隣で笑っている。
食べたことのないものを食べている。
神様が出てくることはいままでない。
人の死が身近になる夢もみたことがない。
仏様に懇願する夢の記憶もない。
ああ、幸せな世界なのだなと自分の今の状況を省みる。
海外の友達が、スタバに行こうとしたけど寝坊で中止したらそのスタバが爆破されたとか、海外旅行でスリに遭ったとか、テレビドラマでは当たり前のように強盗に気をつけている描写があったりだとか。
「平和ボケ」と馬鹿にする言葉があるが、むしろ常在戦場のほうが愚かではないだろうか?闘争心を暴力という形で発散する、より動物的で利己的な主張と言っていいだろう。野蛮な人たちの言葉に流されず、品性をもって生きていきたい。
そして人の夢の中にさえ死と暴力が溢れるような世の中にはなってほしくないと切に願うのである。
愛とは求めあうものではなく与え合うものである。
純愛であるからこそ独りよがりになってはいけない。
ただ、物語のうえでは多少狂っているほうが面白い。
愛と死がセットになると、人とは話し合うことのない、しかし身近で気になる話になる。
という意味では昼ドラみたいだなと。
特に愛の解像度が低く、面の良さしか語られていないところはどこの国に行ってもハンサムと言われ、モテたことを嬉しく語らない夏目漱石の歪んだ愛に対する認識が感じられた。
まあ、多分僕は陽キャって感じで眩しいのを僻んでいるだけだろう。
あんまり好きじゃない。




