第3話 天斗との出逢い
高校一年の
愛が苦手な
寒い冬の季節に
愛は
クラスの全員から
生徒会の役員を
推薦された
普段だれひとり
話もしてくれないのに
こういうときだけ
名前を呼ばれるって
わたしって
相当、嫌われてるのね
って思った
なんで?
こんな思いばかり
しなきゃなんだろ…って
心でいつも
泣いていた
月日はめぐって
夏も終わり
もみじの葉っぱが
赤く色づく頃
学校の文化祭で
生徒会の売り子を
してた愛に
心を動かされた青年が
一人いた
数ヶ月経ったある日
次の年度の
生徒会執行役員の
選出があった
何人かの後輩が
候補者として
舞台に上がって
並んでいた
その中に
なんか惹かれる…
なんか面白そう…
そう感じる
後輩の男の子が
愛は気になって
仕方がなかった
あの子…
当選しないかな…。
心の中で
念を入れてみた
その願いが
叶ったのか?
生徒会にやってきた
はじめまして
天斗と
言います。
こちらこそ
愛です。
よろしくお願いします。
天斗は愛に
『僕がなんで?生徒会に
入ったのか?わかりますか?』と
急に質問してきた
えっ?
ん?
どういうこと?
愛は突然の
天斗の言葉に
鳩が豆鉄砲を
投げつけられた
ぐらい驚いてしまった
可愛い後輩って
思っていた
イメージとは
かなり違って
真っ直ぐ
ストレートに
熱い想いを
向けられた
感じを受けた
愛はなんて
言っていいのか?
わからなくて…
う…ん。
わからない…って
目線を少しずらして
ぼそっと
答えた
天斗は
まばたきもせず
しっかり
愛の目をみて
話し始めた
過去、文化祭で
愛が売り子をしてて
そこに買いに行った時に
先輩に
『ひとめぼれ』
しました…と。
愛はびっくりして
またぁ〜
そんな冗談言って〜
面白い子ね〜って
さらっと交わした
その日から
天斗とは
いろんな話を
するようになって
楽しかった
愛はかなり
人間不信に
なってたので
人と近くなることが
怖くなっていた
でも
心は…
天斗と
もっと
もっと
仲良くなりたい…。
その当初
天斗には遠距離恋愛の
彼女がいた
愛はいつも
相談相手に乗ってあげて
落ち込んでる天斗を
励ましたり
勇気づけたり
親友のような
存在で
天斗のそばにいた