表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/17

第四話 5-2の日常四

 ぐうー。腹の虫がなる。当たり前だ。あと一時間で給食なのだから。もうおなかペコペコ。

だというのに・・・・・・四時間目は、体育なのだ!小学校の科目の中で一番エネルギーを消費する。なぜ、なぜ四時間目に体育をするのか。それは永遠の謎である。

「あーもう、腹減ったー!ユキ、なんか菓子とか持ってない?」

そう話しかけてきたのはリョウ。なんで私に聞いてくるかというと、私がいっつもお菓子をポケットに忍ばせているから。『非常食』なんて言っていっつも登下校中に食べてる。またの名を、『校則違反の塊』。

結構センスがあるでしょ?うふふん。

「この私がもっていないとでも?まあでも、リョウにはあーげない!日頃の恨み!ほしかったらその生意気を治すんだな。」

「へえ、持ってるんだあ。先生に行っちゃお♪いわないでほしかったら、わ・た・せ。」

「くうー!その手はずるいだろー!卑怯者!」

そう言って私とリョウは取っ組み合いを始める。

「まあまあまあまあ。落ち着いて落ち着いて。てかなんでユキはお菓子持ってきてるの!おいてきなさいっていったでしょ。そしてリョウも。そのお菓子を取り合うんじゃないの。やめなさいって。やめなっていってるでしょ?二人とも、給食ハンデくらいたいの?」

給食ハンデとは、その日に悪いことをした人がくらうハンデである。増やしたい人には大きく、みんなが増やし始めてから10秒は取りに行けない。そしてこのハンデを食らう人を決めるのが、学級委員長であるミユキと、先生なのだ。ちなみに私は副委員長。投票のとき、1票差で負けた。

なんでこんなハンデが存在するかというと、5-2の増やしたい人たちは、いたずらっ子が多い。わたしとリョウがその代表ではあるけど、ほかにもいたずらっ子はいる。だからいたずら防止のために学級委員会で決まったのだ。もちろん、いたずらっ子たちは前科がありまくるため反論できず、唯一反論できるような言い分(屁理屈)を考えれそうな私は『中立』を義務付けられた司会に封印されて、みな成すすべもなく、ほかの人たちの満場一致によってきめられてしまった。学級委員会では委員長と副委員長で司会を回しているが、たまたま私が司会のときだった。もしかしたらこれはすべてミユキの策略だったのかもしれない。

「「やめます。やめますから給食ハンデだけはやめてー!」」

そんな風にじゃれあっていたら、小原先生の声が響いた。

「皆さん、そろそろ始めますよー。今日は、バスケットボールをします。いつものチームですよ。女子と男子に分かれてください。そのうえで、給食当番のAはんとBはんです。」

わたしはAはんだ。じまんじゃあないけど、私は背が高い。だから結構バスケも強い。そして何より、今のチームにはミユキがいる。いつも支持を出してチームをうまく回してくれる。安心してボールを取って、周りの子にパスできる。やっぱり、ミユキはすごいのだ。リーダーとして必要なことをしっかり兼ねそろえている。まあまじめすぎるところはあるけど、そこまでがミユキ。わたしが大好きな親友なのだ。わたしが調子に乗って、踏み外しそうになった時にストッパーになってくれる。お姉ちゃんみたいな存在。

「ミユキ、頑張るよ。」

「うん。」

ピー。試合開始の笛が鳴る。

まずはジャンプボール。審判がボールをあげるから、そのボールを各チームから一人ずつ出して、ジャンプして自陣に入れる。

そこからがスタート。わたしがチームの中で一番背が高いから、ジャンプボールは私の役目。ボールが上がる。全神経を研ぎ澄まして、ボールを取りに行く。ジャンプして、自分が出せる最大の力でボールをはじく。ぺしっと小気味よい音がして、ボールがミユキのほうに飛んで行った。

そしてミユキがアイリにパスする。アイリは私たちの学年の中でもトップクラスの体力を誇り、個人競技、団体競技どちらともで優勝している。アイリの高速ドリブルのパンパンっという音がコート内に響く。そのままゴールのまえまでいき、あっという間に一点が入った。

支持はミユキが出してくれる。シュートはアイリがしてくれる。わたしはこの体格を生かせるように、ボールを取る役目を任されている。今はただ、そこに集中するだけ。シュートをしたら、今度は相手がボールを持つ。だから奪いに行く。わたしたちにボールが渡れば、連係プレーでシュートされてしまうから相手チームはボールを守ることに必死。ドリブルをしながら私たちの陣に近づいてくる。思ったより守りが固い。同チームのほかの子が取ろうとするけれど、ボールに手が届いていない。でも、その瞬間に生まれた防御の隙を私は見逃さなかった。肩幅の広さを利用して、ボールを持っている相手の周りを囲う。そして混乱した相手の隙を狙い、ボールを取る。そしてそのままアイリにパス。順調に点数が入っている。このようなことが何回か続いた後、試合終了の笛が鳴った。

相手チームには一点も入れさせず、20-0で私たちのチームが勝った。そうして4時間目が終わる。

次は、給食だ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ