表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

第二話  5-2の日常二

至福の読書時間が終わると、1時間目が始まる。科目は国語。私が一番好きで得意な科目。

「今日は本の紹介文を書きます。みなさん頑張ってください。」

そう言ったのはクラスの担任の先生の小原先生こはらせんせい。優しくて授業も面白いから、人気の先生で、例に漏れず私も大好き。

「はーい!」

みんなの間延びした返事が響く。わたしはこういうの得意だからすぐ終わるけど、みんなは結構うーってなってる。特にリョウ。だからドヤ顔で茶化しに行く!で、エラソーに教えてやる。

「おーいリョウ、大丈夫か?フッ」

「うーわかんねえ。なんだよユキ、お前こそ終わってんのかよ!」

「うふふん、この私が終わってないとお思いで?開始10分で終わりましたー。ばーか」

そう言って私が書いた文をみせる。学校の図書館には歴史小説とかがないから、伝記にした。題名は、

「世界で一番貧しい大統領から君へ。」ちょっと前にG7サミットとかでスピーチをして、有名になった人。最初はクーデターの武力で世の中を良くしようとするんだけど、つかまって10年くらい牢に入れられる。そこでいろいろな知識を蓄えて、人間とは何か、とか本当の貧しさとは?とかを考えて、それを生かしながら政治活動をして、大統領になった。きれいだけど深い挿絵と、絵本みたいに簡単な語る体で進んでいくから読みやすい。

「くそ。ちゃんと書いてやがる。でも何かいていいかわかんねーし、教えて。」

「へいへい。まず、今回の文章で使う構成もいつもと同じ。なんだと思う?」

「えーと、はじめ、なか、終わり。」

「お、珍しいな、こないだ教えたこと覚えてんじゃん。」

「ん。」

こないだ教えたときは本当に何かいていいかわかんない感じだったからね。

「じゃあ、今日リョウが選んだ本は?」

「これ。」

といってリョウが出してきたのは、「坂本龍馬」と表紙にかかれたまんが伝記。なぜだかリョウは坂本龍馬が好きらしい。

「龍馬のことはわかるよね。」

「うん。」

「じゃあそれを初めに書く。」

「たとえば、この本は坂本龍馬という幕末に活躍した偉人のことを紹介しています。明治という新しい時代へ日本を導いた人です。みたいな」

「ほうほう。」

「じゃあ次に、この本をリョウがおすすめしたい理由は?」

まずはここがわからないことには、話が進まない。

「まんがで簡単に坂本龍馬のことをしれるとこ。あと、最初の方に龍馬が使ってたものとかの写真があってわかりやすい。」

「じゃあ、それが中。なんでこの本がおすすめなのかを詳しく書くのが中だからね。」

「ほうほう。」

「で、終わりに書くのはまとめ。このように~って感じで書いてね。」

「おう、分かったわ。ありがと。」

「これくらい、どうってことよ。」

そうして国語の時間は終わった。


二時間目は算数。なんとなく苦手なんだよな。そして今日のテーマは、割合のグラフ。練習問題を出されたのを、友達と一緒に考える、自分で考える、先生に聞く、っていう方法の中から選んで自分たちで問題を解決するスタイル。この形の授業を考えたのは小原先生。面白いから算数は苦手だけど授業は好きって子も多い。わたしもその一人。

どれどれ、今日の問題は・・・「ある町の子供の中で、高校に通っているのは30パーセントです。高校が帯グラフのなかで9センチだった時、全体の長さは何センチですか。」。は?どいうこと。

わからんわ。ミユキに聞きにいこ。ミユキは、私たちの学年の中で多分一番頭がいい。だって県の一位二位を争ってるから。でも親しみやすい性格で、大好きな友達の一人。ミユキといるときは、久々に女子に戻る気がする。っていうのも、最近リョウが「女装ー!」って呼んでくるから。許すまじ。

「ミユキー!教えてー。助けてぇー。」

「はいはい、でどこがわかんないの?」

「全体的に。」

「今回求めたいのは全体でしょ。全体は100パーセントで基にする数。高校は30パーセントだから、比べられる数になる。比べられる数は九センチで、基にする数を求める公式は、比べられる数÷割合で9÷0.3で30。30センチになるってわけ。図に書くとわかりやすいよ。」

わかりやす!

「ありがと!わかったわ。もし高校が八センチとかだったら8÷0.3ですればいいと。ほうほう。」

「そうそうその調子。ユキは基礎がわかればあとわかるから大丈夫そうだね。」

「うん、ありがと!ほんといっつも助かってます。神様仏様ミユキ様ー。」

「大げさだってー。」

そんなこと言いながらくすくす笑ってる。教えるの上手なんだよね。むっちゃ素直でかわいいし。

授業の回は書きながらむっちゃ去年の復習になってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ