第十二話 お偉いさんの再来!2
法律系が結構出てきます。むっちゃ教科書見返しました。中身間違ってたらごめんなさい。あと、完全にフィクションです。
「それでよくお隠れなされていませんね。それにそこらへんはたたきがいがあるだろうなと思っていました。これからも粛清頑張ってくださいね。」
ちなみにお隠れは昔の隠語だ。この世からお隠れ。ってことね。今使ったのは別に皮肉じゃなくて、すごいねって意味。
「会長君、そんな隠語どこで覚えたの?時代劇?ふふふ。」
と大臣。
ーーうん。確かに歴史小説で覚えたわ。ちょっと古い?
「ま、いいや。本題に戻るよ。君たちにお願いしたいのは、国会でのスピーチさ。委員会はもうできている。私と、子ども家庭庁長官の渡辺綱吉長官が一体となって進めている政府提出法案だ。生憎、渡辺長官は忙しいので君たちの担当は私だ。」
あぶない。舌打ちしそうになった。渡辺長官、どんな人なんだろうか。
「では、子ども家庭庁の専門的な政策に沿った法案、というわけですか。」
「ああ。これまでも何度か提案したそうなんだが、衆議院の時点ではねのけられていた。費用がない、とね。」
ーーへっ。費用がないだ?じゃあまず「梅を見る会」をやめろや。文部科学省の大臣が粛清するまでなくならないとか。必要な分金をつかえ。
「へっ。どの口が。」
ついこぼれてしまった。
「ふふふ。やはり会長君、肝が据わってるね。」
「それはそれは。ありがとうございます。誉め言葉として受け取っておきます。」
「まあそれで、私と協力することで衆議院会議を通そうとしている。費用の問題をこちらで解決してね。そこで君たちに給食の重要性を説いてほしい。もちろん、大人の事情のほうは私たちがするので、君たちは子供の純粋な気持ちを、腐った大人たちに伝えてほしいと思う。公聴会の皆さんも巻き込んでね。」
まあ、公聴会っていう膨大な目撃者がいるのは強みだね。
「すみません、あと一つ、質問してもよろしいでしょうか?なぜ、国会に私たち子供がいけるんですか?」
国会には国会議員とかしか公に出席できないはず。議員でもない、しかも未成年の私たちがいけるのは些か疑問が残る。
「ああ、それについては次世代の教育という名目で、いろんな公的な場に将来有望な子供や若者たちを呼んで、率直な意見を聞く、という子ども家庭庁の取り組みによるところだね。この取り組みを上の人たちにうんというわせるのには手間取ったよ。ちなみに、まだ公表されていない。君たちはこの取り組みの記念すべき第一号になる。」
「ちなみにそれが公表されるのは?」
「ん?明日。」
「じゃあ、国会が行われるのは?」
「ん?一か月後の1月13日。」
「つまり?」
「準備期間は一か月。っていうことで、伝えることは伝えたので、切ります。学校会のみなさん、お疲れさまでしたー!」
ブツッと音がしたかと思うと、大臣の声は聞こえなくなった。
廊下には、コツ、コツというユキ達の足音だけが響く。やっと学校会室についたころ、ユキが口を開いた。
「この昼休みも残り少ないので、いつもの放課後の活動時間、三〇分のうち、後半は急遽会議に変更します。前半のうちに学校改革の方の業務を終わらせるので、これからの一か月とても多忙になると思います。一同で協力して頑張っていきましょう。」
いつもよりも神妙な面持ちにより、この計画がいかに重いものなのかがわかる。
こうして、給食を日本で生き残らせるための、本格「給食戦争」が幕を開けた。
その後の教室にて。
「ぐぬぬぬ。準備期間が一か月?ふっざけんなよあのくそ大臣。」
とユキ。
「ほんとだよな。」
とリョウ。
「頑張ろ!」
とミユキ。
「はあ。」
とケイ。
ーー学校会会員たちの苦労は続く。