第十一話 お偉いさんの再来!
大臣来訪から二日。そろそろ返答をしなければならない。つまり、たぬきのところに行かなければならばい。結構憂鬱である。
「ユキ、そんないやそうな顔しない。ほら、いくよ。」
と、ミユキに強制的に連れていかれる。
ーー仕方ない、切り替えるか。
「うん、いこう。とりあえず、返事はオーケー。行くのは現状私、ミユキ、リョウ、ケイの四人だよね。大人たちはどう出るのか。大臣には一度でいいからぎゃふんといわせたいんだよね。」
「「うんうん。」」
みんな同意した。
とんとん。
「失礼しまーす。学校会が来ました。入りまーす。」
と声をかける。
「はい。ユキ君、毎度のことながら雑な挨拶だね。ほかの人がいるときはちゃんとするのに、なんで僕に呼ばれた時だけ。まあいいや。で、返事はどうするんだい?」
へっ。行儀なんて気にするか。
「まず、提案については受けようと思っています。そして、行くのは私、ミユキ副会長、リョウ君、ケイ君の4人です。」
ーーリョウとケイに君つけるの、何回やってもむずむずする。
「へえ。わかった。と、いうことで。お願いします。」
へ?お願いします?
「はい、分かりました。会長さん、こんにちは。一昨日ぶりだね。それで、答えはさっきの通りでいいのかな?」
狸のパソコンから、いきなり大臣の野郎の声が聞こえてきた。お前らは暇なんか?
「はい。それでいいです。それより早く、詳しい内容を教えてください。」
「わかった。このまま話してもいいのかな?」
「はい。」
言いながら、ケイに合図を送る。ケイは私の隣でノートを開いてメモを取る準備をする。手慣れているので、一瞬で終わった。
「じゃあまず、私が提案したいのは、「給食費の無償化」だ。今、給食は費用を取っているだろう?それを税金で引き受けようと思う。」
「そのお金はどこから出てくるんですか?」
まあ、たたけばほこりが出るとこなんてたくさんあるけど、借金までして国を運営している今、新しいことに費やすお金はあるんだろうか?
「もちろん、そこの分のお金は絞り出し済みだ。君も知っているだろう?「梅を見る会」。あれの必要性が全くないとして、党にそれまでの分のお金を捻出してもらうことにした。ほかにも謎のパーティーや、そもそものこと税金の横領をしていた奴なんかもいたもんで、ぜーんぶ粛清したら、結構お金ができた。」
いいことするやん。大臣。
「それでよくお隠れなされていませんね。それにそこらへんはたたきがいがあるだろうなと思っていました。これからも粛清頑張ってくださいね。」
ほめて遣わす。ちなみにお隠れは昔の隠語だ。この世からお隠れ。ってことね。今使ったのは別に皮肉じゃなくて、すごいねって意味。
ちょっと長くなりそうなので次に続きます。
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「ほらユキ、行くよ。行かないと給食ハンデだよ。」
とミユキ。
「ひい、行きます、行きますから。」
と、ユキ。
「まったく、頼りになるか、ならねぇのかわからねぇよな、ユキって。」
とリョウ。
「うんうん。」
とケイ。
ーーぐぬぬ。後半の男子たち、許さんぞ。