きっかけ6
はい。やっぱりこの話もリアルの話でしたね。ほんとおかしい。
それと今週の日曜日も投稿できないかもしれないです。
≪サービス開始日≫
今日の10時にいよいよモデルプラネットのサービスが開始される。今日は楽しみすぎて7時に起きてしまった。でも早く起きてもすることがない。ログインするのに本社までいかなければいけないので、響さんに送迎をお願いした。響さんって私のスタッフでいるほかに仕事ってやってるのかな?
そうこう考えているうちに玄関のチャイムが鳴った。もう来たんだね。
扉を開けると、そこには何回か見た女性が立っていた。
「おはようございますサナ様」
「おはようございます」
挨拶を交わし、車に乗り込む。もちろん席は助手席ですよ。車が発進すると周りの景色も連動して動く、これがすごく好きなんだよね。
「サナ様。本社の中で流れている噂につてお話ししましょう」
「え、噂…ですか」
「そうです。それによると、八雲銀河が狂ったようにプログラムを組んでいる。そうなったのは本社に見慣れない人間が入ったからだとかなんだとか…という噂です」
見慣れない人間って…絶対私のことじゃん。八雲さんが狂ったのは私のせい?私何もしてないのに…私なんかしたかな。
「サナ様が何かしたということはないと思いますが、会社内の人とかかわるときは気を付けてくださいね」
「はい…」
雑談や世間話を交わしながらそのまま車を走らせること15分。
「着きましたよ、サナ様」
「ありがとうございます。響さん」
響さんが先に降りて私のほうのドアを開けてくれた。気分はお嬢様だね。
「はは、やっぱり本社はオーラが違う…」
本社の圧倒的なオーラに当てられて、冷や汗がどばっどば出てくる。うぅ…やっぱり私は一般人ですぅ。
「そうでしょうか、それなら慣れとは恐ろしいものですね」
「そうっぽいですね。すごいなぁ」
「ありがとうございますサナ様。それでは、入りましょうか」
大きな自動ドアをくぐると、そこはたくさんの人が行きかうエントランスだった。
1分たたない間に前、横、後ろにも人だかりがすぐにでき、動きずらくなってきた。
「ふむ…なるべく急いだほうがいいですね。…サナ様、失礼します」
「どうしたんですか……ひゃあ!!」
響さんが何か言ったと思ったら私のことをお姫様抱っこして速足で歩いていく。思わず恥ずかしい声をあげちゃった。うぅ…恥ずかしい。
≪例の地下室にて≫
「うぅ…恥ずかしかったです…」
「す、すみませんサナ様」
羞恥で悶えている私を響さんが慰めている。今私の顔すごく赤いんだろうなあ。
「おやおや、響クンが可愛い女の子泣かしてる。これはいいものを見てしまったようだねぇ」
八雲さんが部屋に入ってきたようだ。
「八雲さんは黙っていてください」
「慣れないことがあっただけです。気にしないでください八雲さん」
「おやおやサナちゃんにまで言われるとはこれじゃあ反論ができないじゃないか」
八雲さんに会話の主導権を握られてしまった。すごい話術だ。…と、いうか、私たちより遅く入ってくるってどういうことなんだろう。手洗いに行ってたのかな。それとも連絡が入っていない?今日家に帰ったらフォロー確認してみよっと。
「(大丈夫ですか?)」
「(大丈夫です。もう立ち直りました)」
響さんが心配してくれた。響さんの心はあったかいなぁ。
「これからサナちゃんはモップをやると思うんだけど、少なからず開発に参加した私が助言すると、種族を選ぶときはランダムにしておいたほうがいいよ」
「そうなんですか…覚えておきます」
何か企んでそうな顔でそう言われた。うーん…別に悪いことを考えていそうな顔じゃないんだよね。
「それと響クン。これからダイブすると思うから。ゆっくり休んできていいよ」
「私はサナ様のキャラクリエイトに興味を持っているのでそれを見てから休ませてもらいます」
「ふぅーん?ま、いいか。大丈夫だよねサナちゃん」
「大丈夫です」
えぇ…響さんに見られるの…緊張するなぁ。
「じゃあ、始めようか。…あ、服着替えてもらうの忘れてた。あーサナちゃん?あっちの扉が更衣室だから着替えておいで。…はい、これがダイブするとき用の服ね。いってらー」
八雲さんすごいこと忘れているけど大丈夫かな。ちゃんと寝れてないのかもしれないな。…とりあえず着替えるかぁ。
着替えたけど、なんかこう、これから手術でも受けるんですか?っていわれそうな格好になってる。いろいろと危うくない?この服。
「サナちゃん。この中に入ってくれる?」
そう八雲さんが言い、キーボードをたたく。するとプシュッと音が鳴りカプセルが開いた。
「一応開けるのは中からでもできるから安心して」
「あ、はい」
カプセルの中に入ってみる。やっぱり窮屈だ。そりゃそうだけど、目の錯覚とかで広く見えたりとかあると思っちゃった私が恥ずかしい。
「よしっ、それじゃあはじめようか。体はどう?」
「…少し緊張していますし、窮屈だけど、大丈夫です。始めましょう」
私はそう言うと八雲さんは安心したように笑った。あ、これ中から話せるんだ。スピーカーまでつけるなんてどれだけこの試作機にお金かけてるんだろうね。考えたくもないわ。
「そう、よかった…起動」
八雲さんは安心した顔でキーボードを心地よくたたいた。
すると周りの機械が低い駆動音を鳴り響かせる。それと同時に私の感覚が薄くなっていく。
意識と感覚を手放す寸前、八雲さんが口を開いた。
「いってらっしゃい。新たなる旅人さん」
これでリアルの話は一旦終わりです。いやぁ、ログインするだけで6話も使うってなかなかだと思うんですよ。
次回は掲示板回です。ちょっと時間が進みますが気にしないでください。
文字数をどうしようか悩んですよね。いまのところ2000字以上4000字以下でやっていますがそもそも3000字すら越さないです。やばい