カンニング
期末試験の最中。カンニングをしている奴がいる。
アタシの左斜め前の男子。ズボンのポケットから紙切れを取り出し机の下でメモを見ている。アナログな奴だ。
テストが終わってアタシはそいつを教室から連れ出した。
「アンタさっきカンニングしてたでしょ?」
「あ?」
「何言ってんだ?してねぇよ」
「じゃあこれは何?」
こいつのズボンのポケットの中にアタシは手を突っ込みメモを取り出した。
「おい!っ・・・」
「これが証拠よね。先生に言うことだってできるけど。今回は見逃してあげるわ。こんなこと二度としないことね」
「・・・」
「できないならできないで。アタシみたいにちゃんと赤点とればいいのよ。で。一緒に補修受けましょ。わかんないとこアタシが教えてあげる。アタシのほうがわかんないかもだけど」
「だな」
キミはアタシの気持ちもカンニングしないとわかんないのかな?