第31話 悪神
『呪毒の悪神』グレクティムデテト。それはこの世界では知らない者はいないほどの強力な悪神である。
神話によるとその姿はヘドロの様な触手がイソギンチャクのように絡まった姿をしており、全身から分泌した毒はその毒は大地を蝕み大陸一つを魔境に汚染しつくした悪神。神治の時代に魔王軍の大幹部として神々を苦しめた毒の化身。どの神殿の聖典にも出てくる邪悪な神であり、恐怖と畏怖を向けられる存在だ。
その最後は法と光の神ユミペスに仕えた勇者が打ち取り封印したと伝えられている。
トラストとアウローラの脳裏には二択の疑問がよぎる。それは目の前の天魔が『呪毒の悪神』グレクティムデテトであるということは、真実か偽りか、だ。
聖典によると封印されているのだから、偽りのはずだ。しかしもし真実であるならば、封印が解けたのか?それとも実は生きていたのか?いや、死んで天魔に転生したのか?そんないくつもの予想が浮かんでくる。
「かぁぁぁっぁぁ“あ”あ“あ”!!!!」
「っ!【土流壁】!」
天魔の肉体がヘドロのように融解し、表面積を広げたグレクティムデテトが突撃してくる。本来であれば反応も出来ない一撃だが、強すぎるがゆえにトラストの【危機感知:死】が警告を鳴らし反応を可能にした。
地面を泥のように溶かし、移動させて壁を作る。その際に地面に空いた穴に飛び込み回避する。
そのまま地面を動かしグレクティムデテトに向けて津波のように覆いかぶさせる。大質量の土がドームとなり拘束具のように動きを封じ、その隙にアウローラがしかける。
「【光速剣】」
光が瞬いたようにしか見えない速さで剣が居合のように振り抜かれ、土のドームごと両断する。斬撃の余波は地平線まで伸びていき、ダンジョンの果てでようやく止まる。その威力はランク10の魔物でも即死だろう。
「痛い!痛い痛い!痛い痛い痛い痛い!この剣はシュガーか!?おのれ、おのれ生きていたのか!!!」
錯乱しているのか的外れなことを狂ったように叫びながらドームを砕き飛び出してくる。
「いったん距離を取ろう。一当てするからあれは防いで。出来る?」
「まかせろ」
グレクティムデテトは猪のように突撃する態勢に入る。全身が沸騰したように泡立ちはじめ体が液体のように変化していく。
トラストは先ほどと同じように合わせて地面を操作し上方向に受け流す……が、その寸前、二人の手前でグレクティムデテトは急停止。慣性の法則を無視したような急カーブで上から拳を落としてくる。
「勇者ども!我が死に貴様らも死のうとも、我を殺した恨みが晴れることはない!我の毒で苦しみながら死ぬがいい!」
「俺らに言うな!」
狂った言葉を叫び続けるグレクティムデテトに叫び返しながら、虚空庫から大楯を取り出し……一瞬で溶けたので咄嗟に両腕を十字に構えて受ける。魔力と力の向きを調整し跳ね返す。
「【豪水】!【地壁】!からの【爆脚】!」
トラストは大量の水を出しグレクティムデテトにぶつける。ダメージは無いが液体のように変質している体は水に溶けるように密度を下げ、戸惑ったように動きが鈍る。そして岩の壁をトラストたちとグレクティムデテトの間に作り、爆発したような蹴りが壁ごと後方に吹き飛ばす。
「眷属どモ!勇者どもヲころセ!」
吹き飛ばされながら液体のような体がまき散らされていく。グレクティムデテトが叫ぶと、それは大地に染み込むことなく、なんと魔物に変化する。正確には、動物の体を模倣した毒の塊だ。
蛇、虎、犬、熊、鹿、鳥、鮫、鯨……トラストの知識にある動物だけでなく謎の触手の塊の様な生き物や頭部が複数ある悍ましいナニカの形まで模倣している。
数は現在で百に届き、まだまだ増え続けている。数の増加は手数の増加、このまま放置すれば敗北は必至だろう。
「【魔力充填】【聖流飛斬】」
しかし意思を持った毒の塊たちは、アウローラの斬撃に切り裂かれる。必要以上に魔力が充填された武技は光の速さで地表を掠める様に撫で、一掃する。
「グギィィィィ!!」
聖なる力の込められた斬撃は邪悪な神々とその眷属である魔物を打ち消す性質を持つ。毒の魔物は一瞬で蒸発、グレクティムデテトも苦しみの声を上げ、その姿を尻目に二人は撤退した。
二人はいったん下がり、崖の陰に潜んでいた。
「さっきのが今回の異変の原因だな。というか違うなら、もっと大物がいるならこの程度の異変じゃすまないはず……どうする?いったん引く?」
「ううん、今回で仕留める。引いたらまたここまで来ないといけない、それじゃあまたお母さんの傍を離れないといけなくなる」
「アウローラの事情は一旦置いておくとして、あいつは「呪毒の悪神」グレクティムデテトらしいぞ。勝てるのか?」
「私だけじゃ無理かな。でも気づいてるでしょ?」
「……そうだな、あれは弱すぎる。俺も両腕が溶かされただけだし」
会話の話題は当然、先ほどの天魔についてだ。「呪毒の悪神」グレクティムデテトを名乗る天魔。あまりの大物の名前に疑ったが、天魔ならば過去にも類似した事例があるためありえない話ではない。
ランクに見合わないほど超強力な毒を見るに、真実である可能性は高いだろう。
しかし疑問もある。もし「呪毒の悪神」グレクティムデテトであるならば、弱すぎるのだ。
かの悪神は勇者を召喚する前、神や英霊、御使いといった肉の体を持たない高次元の存在すら犯す毒の持ち主だ。
トラストの先ほどの攻防でグレクティムデテトに触れてしまい両腕を毒で溶かされたが、もし神話に伝わる通りなら両腕では済まなかっただろう。二人は今頃気化した毒に全身を溶かされているはずだ。
「そうなってないってことは、あれは嘘をついている……というわけじゃないんだろうな。恐らく、転生した際に力の大半を失ったんだろう」
「他の可能性としては、勇者様たちは本当に封印した、けれど封印し損ねた魂の一部だけが転生した‥‥‥ってところかな」
「そうだな。あと、あいつは悪神だ。邪神が魔術に、悪神が肉体に優れていると聞いたことがある。転生したばかりの、全盛期からすれば弱すぎる肉体を扱い切れていないというのもあるんだろう。
……それで倒せるか?」
「私だけじゃ難しい。あれは七十層の天魔と同じくらい強い。でも逆に言えばその程度だから、トラストが時間を稼いでくれれば仕留められる、と、思う」
「分かった。じゃあそれでいこう」
即答したトラストにアウローラは驚いたように目を見開く。
「いいの?私、トラストを置いて逃げるかもしれないよ?」
「それは無いよ。アウローラは早く解決したいって言葉には嘘は感じなかった。お母さんの傍を離れたくないって言葉は信憑性もあるから、信じるよ」
「……っ!!!分かった!じゃあ私に任せておいて!帰ったら絶対うちにおいで。あなたをお母さんに合わせたい。ご馳走も作ってあげる」
「アウローラが作るの?それは楽しみだな」
方針が決まり、細部を詰めていく。とはいえ話すことはもうない。
トラストが時間を稼ぎつつ誘導し、攻撃性能に優れたアウローラが最大火力を叩き込む。単純明快。あとは全力で当たるだけだ。
なおトラストの両腕は金属としての性質を持つため、虚空庫から取り出した金属と取り換えることで修復した。
治癒ではなく、修復。便利な体である。
「見つけた。正確に階段に向かっているのは、人間の気配でもたどっているのかな」
弓を取り出したトラストは集中しているアウローラに結界を張った後に傍を離れ、グレクティムデテトが見える位置に移動する。
距離はニ十キロ。トラストならば狙える距離だ。
「随分肥大化してるな。天魔は魔物だけど、さすがは悪神。化け物みたいだ」
そこから見えるグレクティムデテトは、高さ二百メートルの巨大な肉塊になっていた。かろうじて人型ではあるが、その姿は子供が泥で作った棒人間。ヘドロを垂れ流しながら歩く姿は生きた環境汚染。使い道のない化学汚染物質が自我を持ったようなものだ。
一歩でも地上に出れば王都は今後千年は人が住めない不毛も大地になるだろう。
「魔導書四階梯、開け。【正義無き力は価値がなく、力無き正義は意味をなさない】」
トラストは奥の手のために魔導書を開く。第四階梯。本来は第五階梯まであるが、事実上の最上位の付与魔術だ。すこし以上に無理をするが、仕方のないことだ。心を凪いで状況を俯瞰する。
「【測定空間】……【照準】……【豪弓】……【運命保存】……」
続いて空間属性魔術で周囲の空間に目盛りを付け、スナイパーが使う照準器のようにレンズを直列で展開する。合計で三十メートルになる長さを使って照準の精度を高める。その様は超巨大なアーチェリーかクロスボウに見えるだろう。
しかしこの世界では立派な【弓術】の一種だ。トラストは武技を発動し、その状態を時間属性魔術で切り取り保存する。
時間属性魔術は時間を操る魔術。そしてその最高位は運命の操作だ。
「この状態のまま時間が進むと、このような結果が訪れる」という時間の流れを仮想で演算し切り離して保存。そして任意のタイミングで解放することで現実に反映させるのだ。
本来ならばトラストはたいして強くない。超人や邪神の転生体と真っ向から正々堂々と戦っても当然敗北するだろう。
ゆえに使えるもの全てを組み合わせる。そして命も惜しまない。
命を懸けるのではない、自分の命の安全は、死ぬ一歩手前まで計算から外すのだ。
自分の弓術の腕ではニ十キロ先の的を狙うのは不可能だ。なので空間属性魔術を組み合わせる。邪神の転生体に有効な攻撃は無い。なので時間属性魔術と組み合わせる。自分の魔術の腕では遠隔で結界は張れない。なのでマジックアイテムを使う。自分の演算能力では魔術やスキルを数十も多重発動できない。なので無理をする。それでも威力が足りない。ならば魔導書で補う。
(的を外したら、威力が足りなければ、その後の時間を稼げなければ、俺は死ぬな……ははっ!)
トラストに優れた点はいくつもある。魔術の腕、武術の腕、冒険者としての適性、魔術師としての探求心、他者に教えを乞える心、いろいろだ。
そしてトラストの中で最も優れているのは、失敗したら死ぬ状況に怯まず、最高の実力を発揮できることだろう。
「【限界突破】……【聖属性付与】……【運命開放】……弓術【流星豪雨】」
トラストが弦を放すと、重なった運命の流れが開放され無数の矢が流星のようにグレクティムデテトに襲い掛かる。
本来ならば一つの時間では一つしか生じない可能性を、一つの時間に複数生じさせる技。
それに気づいたグレクティムデテトは魔物に命令し盾にするが、無駄なことだ。
魔導書を通じて纏わせた聖属性はアウローラの聖剣と同じ性質、すなわち邪悪な神々や魔物の穢れた魔力を祓う力。矢に触れた魔物は一滴のインクが大量の水に溶けるように、一瞬で蒸発する。
「――――――!!!」
そして巨大な泥人形にも直撃。声なき絶叫が階層中に響き渡る。
「これでも死なないんだな。時間稼ぎと言わず仕留めてやるつもりだったけど……ぃっ!」
全ての矢が直撃してなお、グレクティムデテトが作り出した泥の鎧を全損させるのが精々だった。それでも効果はあったのか貯金を全て失った資産家のように呆然とした表情で落下していく。
そんな光景を見ながらトラストも頭痛に耐え切れず倒れこむ。限界以上に術を使うと知恵熱を起こしたように頭が痛くなるが、今のトラストを襲っているのは脳細胞が消滅していると思わせるほどの激痛だ。
大技の反動で死にそうである。
「バイン!貴様ノ仕業カァァァ!!!」
もう正気を保てていないのか、言葉すらも怪しくなったグレクティムデテトが突撃してくる。本来ならばトラストには避けられない速さでも、力の消耗と聖属性の魔力で大幅に弱体化今ならば避けられる程度だ。
「だから別人だっ」
強烈な頭痛を無視して立ち上がり、崖をジグザグに進みながら誘導していく。
グレクティムデテトは「呪毒の悪神」。呪いも司っているが本質は毒、つまり直接触れなければ影響がないのだ。神代の勇者も全身を包む防護服を着て倒したと伝えられている。
そしてなによりグレクティムデテトは悪神。肉体性能に優れた神であり……同時に肉体の基本性能以上のことは出来ない神だ。武術や戦術など無く、毒の体で突撃することしか出来ない。
神代のように神の肉体を持っているならばともかく、当時に比べればあまりにも脆弱な天魔の体ではその実力はステータスに表示される数字を遥かに下回る力しか発揮できない。
言うなれば十万年ものブランクがあるのだ。だというのに数日で人類に攻勢にでた短慮こそ最大の失敗だろう。
トラストは目的地までの途中で倒そうと攻撃しようとして……やめた。死にかけなのはトラストの方だ。大技の反動で頭が高熱を出しており、体温は四十五度に達している。ここで地球であれば確実に死亡し、万が一死なずとも高確率で重い後遺症が残る。この世界の人間はステータスシステムのおかげで頑丈だが、それでもこれ以上戦うのは寿命を削る行為だ。
(ああクソッ……帰ったら脳みそ取り出して氷漬けにしてやる……)
そんな狂ったことを考えるほどには限界だ。
足取りは拙く跳躍を混ぜることでなんとか方向だけは保てている。しかし天魔の肉体に転生したグレクティムデテトと人族であるトラストでは生物としても根本的な性能が違うため、最初に余力を取り戻したのはグレクティムデテトだ。
「別人ナモノカ!ソノキレツノ入ッタ魂ハ!勇者ノモノダ!魔王二魂ヲ砕カレタ!オ前タチノモノダ!」
グレクティムデテトは覆いかぶさるように巨大化する。今のトラストでは避けることも耐えることも出来ない。グレクティムデテトの表情に自分を殺した仇を討てた喜び浮かぶ。
「【聖剣解放】」
しかし、そうはならなかった。
「【王国よ、ここに】」
トラストが結界を解除すると、アウローラから聖属性の魔力が広がっていく。
アウローラの聖剣は聖属性の魔力を持つだけではない。金属の塊であるはずなのに、生きているように魔力を生成する。その量をステータスに表記される数字にすると数千万。文字通り神に匹敵する魔力量だ。
「【限界超越】【魔剣超越】【破邪顕正】……聖剣技【聖滅】」
剣を一振り。トラストの目にはそう見えた。
しかし、その人の身から放たれる神の一撃はグレクティムデテトを掠め、次の瞬間には肉体が蒸発した。
音が消えた。音が戻ったと思えばそれは轟音であり、グレクティムデテトがいた場所を中心に扇状に更地と化していた。
そんな惨状を引き起こした張本人は、少し困った顔をしてトラストの方を振り返る。
「頑張ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと頑張りすぎだね」
「……………………そうみたいだな。俺もまだまだ……あれ?喋れる?」
「うん、聖属性の魔力に回復魔術も載せたか、すぐに治るよ」
「……本当に、俺もまだまだ弱いんだなぁ……」
「十分強いよ。私はさらに強いだけで」
こうして異変の原因は消滅し、依頼は達成された。
なお、出来ればやめてほしいと言われていたのに階層ごと更地になったが、この時は二人とも全く覚えていなかった。
「報告、確かにお聞きしました。一週間程度確認のために帰還を設けますので、その頃またご連絡しますね」
地上に戻り冒険者ギルドで報告しながらくつろいでいると、そんな返事が返ってきた。
妥当だろう。異変が解決したという物的証拠はないのだから。
「それにしても悪神の転生体ですか……下手をすれば王都が壊滅していました。やはりお二人に依頼したのは正解でした」
「そう。私だけじゃ足りなかったから。トラストのお陰だよ」
「いやいやいやいや。俺のお陰ではないよ。俺だけしか居なかったら、勝つ方法が何もなかったから。アウローラのお陰だね」
「なるほど、お二人ともご活躍したんですね。
ところでトラストさん。冒険者ギルドのお抱えになる気はありませんか?」
「はい?」
突然の勧誘に硬直する。
冒険者ギルドのお抱えとはたしか、「冒険者ギルド」というクランに所属している状態の事のはずだ。昔は個人主義であり、多くても五人前後のパーティーでしか纏まらなかった冒険者がクランという大規模な組織となったことで冒険者ギルドは冒険者の管理や秩序の維持が出来なくなったために誕生した制度であり、全員がA級冒険者に匹敵する力を持つという超超超精鋭組織だ。
たしか世界に五十人も居ないはずである。
「まだ実力は足りませんが、今回の一件でトラストさんの名は国中に広がるでしょう。何分ダンジョンの内部で起こったことゆえに民間には広がらないでしょうが、貴族や有力者たちの耳には必ず入ります。なにせかの有名なアウローラさんと共に重大な依頼を達成したのですから。トラストさんがどこかのクランや組織に入れば問題はありませんが、以前その気はないと言っていたために勧誘した次第です。トラストさんの人柄や契約を守る姿勢を評価した結果です」
いかがですか?とメルヴィンはこちらの意思を確認してくるが、言われてみれば選択の余地はない状態である。
この世界では個人で国家を正面から殲滅できるほど戦闘能力が高いものが極稀にがいる。上級冒険者はその代表例だ。
そんな危険な存在を国が見過ごすはずもなく、万が一犯罪に走られると国に重大な被害を及ぼせる個人に対策するために、国も同程度の武力を持つことや、冒険者ギルドの上層部と連携し便宜を図ること、社会的地位を与えたりと様々な策をとっている。
その結果個人であれクランであれ、どこかしらの貴族や商人などの有力者を通じて派閥に所属させられている。
しかしそのどれにも靡くことのないものは、場合によっては危険人物してマークされる。
もちろんそれでも犯罪を行わないのならば行動に制限がかけられる訳ではないが、国から要注意人物と認識されると生きづらいのも事実だ。
それならば、冒険者ギルドの管理下であり国家からも信用される冒険者ギルドお抱えの冒険者になるもの良い選択だろう。
「もちろん、冒険者ギルドのお抱えと言ってもすぐに何かが変わるわけではありません。普段の冒険者としての活動に変化はなく、報酬も通常通りです。ただ冒険者ギルドが集める様々な情報の閲覧権限と、冒険者ギルドの職員としての身分を獲得出来ます。その代わりに重大な依頼を受けていただくこともあります。もちろん、冒険者ギルドのお抱えにするというのは、冒険者ギルドがその実力と人格を認めた証でもあるので我々としても最大限に配慮しますので、他に変わりの人がいるときは指名依頼を断っていただいても構いません」
話を聞けば聞くほど美味しい話に聞こえるが、なんだが自分を勧誘するためにアウローラと組まされたような気がする。そんなことを察してしまうトラストは断って困らせてやろうかと思いつく。
「私からのおすすめだよ。私も冒険者ギルドのお抱えだから」
「あっ、そうなの?じゃあなるわ」
しかしアウローラから誘われたので実行には移さず、こうしてトラストは冒険者ギルドのお抱えとなった。
「さて、じゃあ俺は家に帰るかな……」
「トラスト、いまからうちに行こう」
「へ?今から……うわぁぁぁぁぁぁぁ!」




