第1話 記憶喪失の男
拙作「大和田銀次郎の異世界冒険記」主人公の銀次郎は、
元々はこの銀太郎をマイルドに仕上げて作ったキャラです。
なのであちらの銀には変わった性癖がありませんが、
こちらの銀は動物に手を出します(意味深)
ここはヤマディアン連合国所領の漁村である楓村。
田舎ではあるが人が多く活気にあふれた良い所だ。
この村に住む漁師である八十吉はいつものように船で沿岸に出た。
先日設置したばかりの定置網を引き上げに向かったのだ。
いつもの場所で八十吉が網を引き上げていると
向こうから魚か何かがこちらへ流れてくるのが見えた。
「なんだありゃ?魚にしては形が変だな。まるで桃みたいな・・・いやあれは!」
どんぶらこっこと流れてきたのは成人男性とおもわれる人物の大きな尻であった。
よく見ると男の顔のあたりから気泡がぶくぶくと浮いているのが見える。
「まだ生きているやもしれない。助けなくては」
網に引っかかった男を魚とともに船へ引き上げる。
幸いなことに男はまだ呼吸をしており、見たところ怪我もないように見える。
特におかしいところはない。体毛が銀色で立派な竿を所持している以外は。
「毛が銀色の人なんて初めて見たな。おそらく異人さんだろうか」
八十吉が思案していると男が目を覚まし上体を起こした。
「ぬぅ。ここはどこじゃ?ワシは誰じゃ?何も思い出せぬ」
どうやら男は記憶喪失のようだ。八十吉は男へ簡単に事情を説明した後、
これからどうするかの話をするために男と一緒に帰港することにした。
「身元も名前も不明では不便ですからとりあえず仮名を決めましょう」
帰港の途中で八十吉はそう切り出した。
それを聞いた男はさもありならんと頷く。
男には記憶がないが名前がなければ面倒なることはすぐ理解できたのだ。
「銀太郎というのはどうでしょうか。銀色の髪の毛は特徴的ですから」
八十吉が提案したのは外見と名前が一致する覚えやすい名前だ。
男は名前が気に入ったのか素直に承諾する。
八十吉と銀太郎を乗せた船は無事に帰航する。
話し合いの結果、銀太郎は漁師として八十吉の家に居候をすることになった。
更新予定はないです。マジです