表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/78

メリルリ古代迷宮、第7層~隠し階段~

「これは……!」



 魔導を行使する「魔法使い」としてではなく、魔導具を使ってあまねく人の暮らしをよくしたい――そのための研究の道を究める『万能の魔女』アビゲイル。

 そのアビゲイルが、驚きの声をあげた。


 エミリアたちに心を開いて古代迷宮(ダンジョン)の『案内人』となってくれた宝石少女(すとーんごーれむ)、ダイヤが進んだのは宝石に彩られた洞窟の奥の奥。

 一見すると行き止まりにしか見えない場所だった。



「――選ばれし人たちを、偉大なる墓所へ」



 ダイヤの声に呼応するように、色とりどりの宝石の柱が飛び出ていた壁が左右に開く。

 まるで、扉のようだ。


 ごごごごぅ、と低い音をたてて開かれた道。

 大理石のつるりとした階段が、下へ下へと続いている。

 整然と左右に立ち並ぶのは精霊や幻獣を模した美しい彫刻群――いままでのメリルリ古代迷宮で見た風景とは、わけが違う。



「ここから、最奥まで行けると?」

「そう。ここが『扉』」

「これは、ダイヤしか開けないのか?」

「ダイヤしか開けないの。ここに来た誰かがダイヤを倒したら、ダイヤが再生するまでこの扉は閉ざされる」

「再生する? ふむ…・・・・自動修復の魔術式まで組み込まれているのか。再生にはどれくらいかかるんだ?」

「100年」

「なっ!」

「わぁ、100年って長いですね!? おばあさんになっちゃいます」

「老人になるどころじゃないぞ、エミリア。私たちをはじめ人間などの短命種族の寿命はせいぜい80年……長命種族のエルフやドワーフでもなければ、もう2度と探索はできないということか」

「この階層から宝石を持ち出そうとすれば、宝石の呪いで迷宮は崩れる。案内人であるダイヤを倒してしまっても、道は閉ざされる」

「はぁ……しかも、この下にあった階層はすべてフェイクだろう……? 初見殺しもいいところだ!」

「――。道は、選ばれしあなたのために」


 あなた、と言ってダイヤはエミリアをじっとみつめる。

 ジョンは先ほどから、ずっと押し黙っている――ここから先に続く階段に、なにか感じているのだろうか。


 ダンジョン最深部に続いているという階段。


 エミリアは、暗くてよく見えない階下を見下ろして「おおお……」と声を上げる。

 吹き上げてくる風が、切りそろえた銀髪を揺らした。



「……あの、アビゲイルさん」

「うん、なんだ?」

「えっと、これは私の勘なんですが」



 ぐううぅぅ、と。

 いざ最深部へ、という緊迫感の中、へにょへにょの腹の音が響く。



「お、おやつの時間にしませんかっ!」

「ふむ……まぁ、いい時間だし、この先は未知の領域だ。腹ごしらえは重要だな」



 アビゲイルはポシェットから、色々と材料を取り出す。

 おやつ。

 焼いてきたスコーンにクッキー、バターケーキもある。



「さて、何にしようか」

「えへへ、いっぱいありますね!」



 はしゃぐエミリアの後ろで、もともとほとんど表情のないダイヤが突っ立っている。



「ニンゲンは、そういったものを摂取しないといけないのですね。難儀なものです」



 ダイヤは手ごろな宝石の塊に、ちょこんと腰かけた。

 どうやら、おやつに参加する気はないらしい。

次回、ちょっと変わったメシ回です。


【お知らせ】

大変です。8月31日発売の『突然パパになった最強ドラゴンの子育て日記~かわいい娘、ほのぼのと人間界最強に育つ~』(GCノベルス)の表紙や口絵が届きましたが、想像を絶する「可愛さ」です。よろしくお願いします。


―――

面白い、続きが気になる、がんばれー! ……と思ってくださる方は、下段に【評価欄:☆☆☆☆☆】がありますので、ぽちっとお願いします。執筆の励みになります。


★★★★★評価 →超面白いじゃん!

★★★★☆評価 →普通に続き読みたい~♪

★★★☆☆評価 →まぁまぁかなぁ~? 

★★☆☆☆評価 →今後に期待かな? 

★☆☆☆☆評価 →うーん、微妙……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 流石にダイヤは食べないだろうねぇ…(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ