はじめてのごちそう ~熟れ卵と揚げネギのおかゆ~
「おや、お嬢さんいらっしゃい!」
アビゲイルにつれられて店に入る。
とたんに、店のおやじさんがエミリアに声をかける。
街道沿いにある食堂兼宿屋で、屋号は『飛ぶ蛙亭』というらしい。
「おやじ、いつもの。それから、スープとか粥はあるか?」
「スープも粥もあるけどなにがいい?」
「そうだな、刻んだネギと熟れ卵たっぷりのネギ粥があっただろう。あれを」
「はいよ!」
店内をきょろきょろ見回している間に、アビゲイルが手早く注文を済ませてくれた。
きゅうう、ぐううう、と切ない音がお腹から絶え間なくあがる。
切ないお腹を抱えてしょぼしょぼしていると、すぐに店内にいい匂いがただよい始める。ネギが油でこんがりと揚げられている香ばしい匂い。
料理はあっという間に完成し、熱々のうちに提供された。
「お待ちどぉ! 熟れ卵たっぷりのネギ粥に、アビゲイルさん専用の健康ランチ」
「わぁ、わぁ、すごい! 美味しそうです!」
「ただのネギ粥だ、大袈裟だな」
「私、こんなにたっぷりのお粥、初めて見ました! いい匂い……!」
「たくさん食べな」
「いただきます……!」
実際、セレネイド女子修道院では、カラカラに乾いたパンやチーズや、味のないマッシュポテトなどが主なメニューだった。どれも、味気ないうえに量も少ない。「清貧」をモットーとする修道院の方針といえば聞こえはいいが、早い話がコスト削減だった。『聖女見習い』たちにかける食費が惜しいというのが修道院の本音だったのだ。
エミリアはいつでも空腹で、眠かった。他の見習いたちがその食事で満足しているようなのが不思議すぎた。
ふぅふぅとお粥を冷まして、ひとくち。
「お、おいしいっ! すごい、すっごく美味しいですっ!」
びっくりした。トロトロのお粥に、油で揚げたネギの風味が香ばしい。刻んだ熟れ卵を混ぜながら食べると、お粥とは思えない濃厚な味わいが口いっぱいに広がる。添えられているクラッカーを散らすと、お粥の触感にサクサク感がプラスされて、もっと美味しい。
エミリアは夢中でお粥を口に運ぶ。
「へぇ、お嬢ちゃんよく食べるなあ」
「そんなにお腹が空いてたんだな」
「それにしても、こんなに美味しそうに食べてくれるなんて、俺は感激だ」
「あぁ、こっちまでお粥が食べたくなってしまいそうだ」
「お、アビゲイルさん。追加でお粥出しましょうか?」
「いやいや、そんなには食べれない!」
店主とアビゲイルの会話をよそに、はふはふとお粥を食べるエミリア。
美味しい、美味しい。とっても幸せ!
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