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お料理をしよう ~おもてなし夏野菜カレー~

 ちょっとだけ小さいサイズになったジョンを、家に招き入れる。

 ダイニングの椅子でちょこんとすわって凛々しい顔をしているジョンに、アビゲイルは厳しい追及をする。



「おい、ジョン。本当にお前は食べられるのか? こういうのは、やっぱりダメでしたじゃすまないんだぞ?」

「問題ない」

「本当に本当だな? 犬がタマネギを食べれば死ぬんだぞ?」

「ああ、大丈夫だ。我は世界樹に仕えし四柱の幻獣がひと柱、氷狼フェンリル。犬ではないから――タマネギも食べられる!」

「よし……ならば、やろうか」

「私もお手伝いします!」

「あぁ。具材の切り付けや灰汁とり……やることは色々あるぞ」



 キッチンには、銀色の寸胴鍋。

 籠いっぱいの食材。


 つやつやと赤く輝くトマト。

 見るからにパリッと張りのある赤黄緑の肉厚なピーマン。

 紺色につやめくナスに、ごくごく薄い皮をまとったまぁるいジャガイモ。


 どれも、畑でとれたばかりの新鮮な野菜だ。



「おお……そのままでも旨そうだ……」

「待っていろ、ジョン。もっと旨くなる!」

「アビゲイルさん、今日のメニューはなんでしょうっ!」

「あぁ。夏野菜を楽しむのに必要なのは――カレーだ」

「カレー!」

「スパイスたっぷりのジワジワ辛いカレールー、硬めに炊いたつやつやご飯……そして、グリルした夏野菜。これぞ、夏野菜最強セットだ」

「おおお……!」

「まずは、野菜の切り付けからだな」

「わかりました!」



 手際のよいアビゲイルに続いて、包丁を動かす。

 野菜の皮むきや切り付けは、修道院でも毎日大量にやっていたので得意だ。



「おっと、ナスは最後だ。変色しやすいからな」

「了解です、マム!」

「誰がマムだ」



 まずは、ジャガイモ。

 色とりどりのピーマンと、ざっくりと半分に切ったタマネギと、塩コショウで下味をしっかり付けたチキンと一緒に天板に並べる。

 オリーブ油をかけて、オーブンでじっくりグリルするのだ。



「これが一番時間がかかるからな。先にオーブンに放り込んでおく」

「おおお……チキン……!」

「もも肉だからな。脂がでて、他の野菜がうまくなる」

「おいしそう!」

「私の発明した『固形カレールゥ』があるから、カレーは簡単にできるぞ。様々なスパイスをふんだんに使っている……このルゥひとつで王都で1週間は遊んで暮らせるほどの高級品だ」

「おぉおぉ、香辛料(スパイス)……!」



 スパイスは、種類にもよるが非常に高価なものが多いのだ。

 タマネギをスライス。どっさりと寸胴で炒める。しんなりと色が変わったら、水を加えて煮立たせる。



「そして……ルゥを投入だ」



 寸胴におしみなくカレールゥを投入。

 溶かしていくと、たちまちあたりに食欲をそそる匂いがただよった。



「……おおお、このかぐわしい香りは……!」



 ひくひくとジョンが鼻をうごかす。

 しっぽをふりふり、全身から「楽しみ!」という感情が伝わってくる。

 大きくても犬は犬だ……タマネギは食べられるらしいけれど。



「はっ!! いかん!!!」

「どうしました、アビゲイルさん!?」

「ライスを炊くのを忘れているっ!」

「うわあああぁ、大変ですっ!」

「エミリア、頼む。硬めだぞ!」

「了解ですっ!」



 干からびたパンが主食だったエミリアも、このところはぴかぴかの炊き立てごはんの魅力にぞっこんだ。

 自分で米を研いで、アビゲイルの発明品である炊飯器で調理することもできるようになった。



「この間に、ナスを素揚げにしておこう。ナスだけはグリルよりも素揚げの方がジューシーに仕上がるんだ」



 油をまとって輝く素揚げナスとカレールゥができあがったころ、オーブンからも香ばしいにおいが漂う。



「炊きあがりもぴったりだったな。つやつやの炊き立てライスに、よく煮込んだルゥをたっぷり……そして、ここにグリルした野菜にチキンをごろごろのっければ……」

「わぁああぁ!」

「これが……『料理』……!」

「夏野菜カレーの完成だ!」

「わおぉおおおぉおおお!!!」

「ひゃあああ!」



 ジョンとエミリアは、歓びの遠吠えをあげた。



「お、おいひー! お野菜がグリルされてのっけてあるから、カレーの味に全然負けてないですっ。スパイスとお野菜の甘みが踊ってますぅ! ジョン、畑のお野菜はどうですか?」

「うまい……あまりにもうまい……我の氷の権能も、このスパイシーなホットさの前には無力……!」

「うむ……グリルしたジャガイモがチキンの旨味を吸ってねっとりホクホクしている……成功だな!」



 寸胴いっぱいのカレーは、あっというまにエミリアとジョンの胃袋に消えていった。

下段に【評価欄:☆☆☆☆☆】がありますので、


★★★★★評価 →超面白いじゃん! グリル野菜カレー食べたいいい!!

★★★★☆評価 →普通に続き読みたい~♪

★★★☆☆評価 →まぁまぁかなぁ~? 

★★☆☆☆評価 →今後に期待かな? 

★☆☆☆☆評価 →うーん、微妙……。


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[一言] 夜勤明けの俺には厳しい食テロだわ( ;∀;)
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