クエスト開始
◆クエスト概要 : 希少種ファイアドラゴンの卵採取(人工孵化研究の一環として)
◆クエスト実施地 : 各地古代迷宮
◆依頼主 : 王立テイマー協会
◆必要編成 : 100人隊以上
◆報奨金 : 成功報酬5000万サキュル。100人編隊の人件費維持費については、前払いされるクエスト実施補助金2000万サキュルに含まれるものとする。
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メリル市は王都に次ぐ大規模な都市だ。
特に、近隣にある古代迷宮――通称『ダンジョン』にやってくる出稼ぎの冒険者や探検家、研究者たちで中央通りは賑わっている。
早朝。
メリル市近くの、メリルリ古代迷宮の前に、2人の少女の人影があった。
豊満な体つき、長い金髪。
魔導具の開発と実践に長けた、万能の魔女アビゲイル。
切りそろえた銀髪に、十代前半にしか見えない小柄ですらりとした体。
【神竜級】の魔力をその身に有した『聖女見習い』エミリア。
「ここが、古代迷宮ですね……!」
「あぁ、ファイアドラゴンの生息地は第3層。古代のトラップが急激に増える危険階層だ。まったく初陣からこんなクエストとは。戦闘用の杖……メイスは持ったか、エミリア」
「はいっ!」
ダンジョンの前にたっているのは、エミリアとアビゲイルの2人だけだ。
100人編隊以上のクエストを、たった2人で受けられた理由はひとつ。
ミセス・ソーセージバゲットが集めた、引退した元冒険者たちによる『名義貸し』である。
98人の元・冒険者は、長年メリル市のバザールでソーセージバゲット屋をやってきた、ミセス・ソーセージバゲットの知り合いたちや、中には彼女が寄付を続けてきた孤児院出身の冒険者だった。つまり、クエストが成功すれば、7000万サキュルが丸まる2人に入ってくるという超高額報酬となる。
「希少種の卵や幼体は、時価1億サキュル相当でやり取りされる。まぁ、成功報酬としては妥当だが……」
「がんばりましょう! リンさんを助けましょう!」
「……あー、エミリア?」
「はい?」
「5億っていう借金を背負うことの意味、わかっているのか……?」
「はい、わかってますよ! でも、困ってるリンさんを助けられるなら安いものです!」
「……。あのなぁ、こういうことは今回限りにしてくれよ」
「でも、人助けはしたいのです、『聖女様』みたいに!!」
「帰ったら話し合いが必要そうだなぁ……」
うーむ、とアビゲイルはこめかみを揉んだ。
「では、行きましょう!」
「……あぁ、気をつけていこうか」
「ところで、アビゲイルさん?」
「なんだ?」
「あの、アビゲイルさんの分の荷物とかないんですか?」
「ん? あるぞ、これだ」
アビゲイルは、小さくて可愛らしい肩掛けバッグのチェーンをひょいっとつまんで見せる。
エミリアの超巨大リュックサックとはたいへんな違いだ。
「お、おしゃれ!」
「私の家と同じ理屈だ。 空間圧縮と転移の魔法陣を応用して作ってある。見た目は可愛いミニバッグだが、倉庫3つ分くらいの容量がある」
「す、すごい!」
結局、エミリアの荷物(おもにお弁当)もアビゲイルのバッグに収納してもらうことになった。
「さて、改めて……クエストスタートだ」
身軽になったエミリアとアビゲイルは、ダンジョンへの第一歩を踏み出した。
第17部の「100人に1人の逸材」という記述について、なんやかやの感想を数多くいただきましたので「10000000000000000000人に1人の逸材」に変更をいたしました₍₍ (ง ˙ω˙)ว ⁾⁾
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