メリル市の冒険者ギルド
メリル市は王都に次ぐ大規模な都市。
特に、近隣にある古代迷宮――通称『ダンジョン』にやってくる出稼ぎの冒険者や探検家、研究者たちで中央通りは賑わっている。
もう、見たこともないくらいに、賑わっている!
「すっごーーーーーいですっ!」
「エミリア、はしゃぎ過ぎだ」
「でもっ、こんなにたくさんの人がいるの、初めて見たんですもんっ!」
「ほら、きょろきょろすると迷子になるぞ。こっちだ」
アビゲイルが、エミリアの手を引く。
こうしてみると、1つしか歳が違わないはずなのに、まるで姉妹か母子のようだ。
なんだか、不本意だ。
「冒険者組合――ギルドは中央通りの一番奥にある」
「そこで、魔力測定をするんですよね……なんだか、ドキドキします!」
「実は、私も興奮している。いったい、どれほどの魔力をエミリアが秘めているのか……むふふっ」
怪しい笑顔を浮かべたアビゲイルについていくと、大きな建物に、たくさんの人が群っていた。
大きな人に小さな人、獣人ドワーフ、エルフにニンジャ!
世俗にうといエミリアにもわかる。
みんな、すごく強そう!
受付の人が、アビゲイルを見るなり勢いよく立ち上がる。
藤色の髪を三つ編みにした、丸眼鏡の女の人だ。
「あら、アビゲイル様っ!」
「久しいな、元気にしていたかい?」
「ええ、アビゲイル様こそお元気ですか。あっ!」
「露骨に『しまった』という顔をするな。宮廷魔導師なんぞ性に合わなかった。腐ったジジイどもにへつらうなんぞ、こっちから願い下げだ。魔術の真髄を求める研究は、自分1人でもできるさ」
どうやら、以前からの知り合いのようだ。
「エミリア。彼女はメリル市の冒険者ギルドのベテラン受付で、ナディアだ」
「エミリア様。ようこそ、メリル冒険者協会へ!」
「はじめまして、天歌教会セレネイド女子修道院から来ました、エミリア・メルクリオですっ! 困った方はいませんか、何なりとお助けいたしますっ!」
「まぁ、ご丁寧にどうも。ナディア・アマリリスです」
「今日はエミリアに魔力測定器を使わせたくて来たんだ」
「まあ! 歓迎ですよ、アビゲイル様。なんていっても、あの大規模魔力測定器を作ってくださったおかげで、こうしてメリル市のギルドは王国で一番大きくなったのですからっ!」
数年前にアビゲイルが作った、測定限界がものすごく高く設定された魔力測定器を目当てに、王国中、大陸中の腕に覚えのある冒険者たちが集まってきたのだそうだ。
今まで田舎の測定器では容量が足りなくて計れなかった自分の力が正確に数値化できる、というのは冒険者たちにとってとても嬉しいし、やる気につながることらしい。
でも、数年前と言えば、アビゲイルはまだ15才やそこらだったはずだけれど。
「アビゲイルさんは、最年少の14歳で宮廷魔導師団に入団した『天才少女』ですからね!」
「よしてくれ、昔の話だ」
「メリル市のみなさんはアビゲイル様の味方ですよ。街では、『万能の魔女』なんて呼ばれていて……」
「こほん! とにかく、エミリアをギルドに登録してくれ。登録料は私が支払う!」
「えっ、いいんですか、アビゲイルさん!」
「無論だ。約束しただろう、君を研究する代わりに、『ひとり立ち』できるように全力でサポートすると。手っ取り早く稼ぐならギルド経由が確実だ。いくら膨大な魔力があっても、金を稼ぐ方法を知らなくては意味がないぞ」
「な、なるほど……?」
「人助けにもなるぞ」
「人助け! それは魅力的ですっ!!」
どうやら、ギルドに組合員登録して斡旋されるクエストをこなすと、それに見合った収入が得られるらしい。
人手が欲しいお店や近隣の村から依頼されるクエストは、雑草取りから大型モンスター討伐まで多種多様。でも、どれも依頼主から感謝されるらしい。
感謝されてお金までいただけるなんて!
修道院では現金を支給されることなんて1度もなかったので、ちょっとワクワクする。
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