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 75話: 触手蠢く時…!

「というか、あんた! 誰!?

 何でコウくんのこと知ってるの!?」


 魅夜は、大きな声で

 電話の向こうの相手にそう言った……!


 それもそうだ。

 そもそも魅夜は、

 誰なのか、わからないまま電話をとったのだ。


 電話の相手は、女の声であるようだが、

 ちょっと聞き覚えがなく、誰の声だからわからなかったのだ……!


「え……ちょ……!?」


 だが、魅夜がそう尋ねると、

 電話の相手は、驚いたようで……?

 少しの沈黙の後、慌てた感じで話して来る……


「わ、私よ!? 私!

 私、陽子! 由良陽子よ!?

 電話番号だって、フルフルで交換したでしょ!?

 まさか、私の番号、登録してないの!?」


 魅夜は、そう言われて、

 少し考えてから、こう答える。


「ああ、昨日、

 うちのコウくんに言い寄ってた人か……」


「言い寄るって……!?

 というか、その、今思い出したような言い方!?

 まさか、登録してないで削除を……!?

 いや、それより大変なの!?

 日吉くんの独占インタビューをしようと思って

 今朝からストー……尾行してたんだけど……!」


「おい、何、さらっと、犯罪告白してるの?

 はあ? ストーカー?

 ねえ、ストーカーって立派な犯罪なんですけどぉ?

 通報してあげよっか?」


 その発言に、横で聞いていた毬愛は

 「お前が言うな、ですわ……」と思うが、

 ツッコミを入れずに、黙っていた。


「ちょ、ちょっと待ってよ!?

 尾行していたのは事実だけど、

 今はそんなこと、重要じゃないの!

 今朝、日吉くんが、知らない女の子と二人きりで

 廃ビルに入ったから、後を追って行ったら……!」


 由良がそこまで言ってから、

 魅夜は、耳をそばだてた……


 光治が、知らない女の子と二人きりで人気のないところへ……

 その情報が、一番聞きたかったからだ……


「ビルに入ってみたら……!?

 な、何か、地下で女の子達の

 取っ組み合いの喧嘩が始まってる物音がするし……!?

 というか、なんか、日吉くん出て来ないし……!

 な、何か、女同士の修羅場で、流血事件が起きてるっぽいんだよ……!

 これ、止めに入った方がいいと思うんだけど、

 わ、私、怖くなっちゃって!?」


 由良が、慌てた様子でそう言った。


 由良は、慌てて電話をかけていたもので、

 その話は、まるでとりとめのない内容だったが、

 それは魅夜も同じことで……


「その場所を今すぐ教えて……!?

 うちのコウくんが、浮気なんてしないだろうけど……

 ちょっと聞き捨てならないし……!」


 魅夜も、大慌てで

 わけもわからず、そう言った……!


「わ、わかった……!

 ば、場所は……!」


 由良が言いかけたところで……!


「魅夜様!?」


 毬愛が横から大きな声で

 魅夜の名前を呼んだ!?


「ちょ……何よ!? 毬愛!?

 今、大事な電話してる最中……!」


 魅夜が抗議をあげるも、

 毬愛は、首を横にふり……


「ぽちっとな……」


 そんなことを言って、

 スマホの通話を切ってしまった……!?


「ちょ……!?」


 魅夜は、目を丸くして驚いた後、

 毬愛に抗議の声を上げる……!


「あ、あんた……!?

 何てことをしてくれとんのや!?」


 何故、関西弁……?


「いえ、それよりも、

 一刻も早く、現地へ向かいましょう!」


「へ?」


「ですから!

 コウ様のところへ行きましょう! と申し上げているのです!」


「は?

 毬愛、あんた、場所わかるの……!?」


 魅夜が、訝しげな目で毬愛を見ながら、そう言ったが、

 毬愛は冷静に、魅夜のことを、逆に見つめ返して言う。


「わかります……

 というか、うちの者が、現地で見張っていますので……

 そうですわよね!?」


 毬愛が、メイドに向かって尋ねると、

 メイドが深々と頭を下げてうなづいた……


「いつの間に……!?」


「昨日の時点で、そのビルへの張り込みは、始めていたそうです……

 もちろん、そこへコウ様がいらっしゃったのは、

 わたくしも、たった今知りましたけど……」


(なに、この女……有能過ぎ……!)


 魅夜は、毬愛の行動力のすごさに

 眉をひそめた……!


「とにかく急ぎましょう!

 何やら、コウ様が大変なご様子!」


「う、うん!

 二人で浮気現場とやらを、抑えよう!」


 そう言って、魅夜が行こうとすると……


「あ、でも……?

 魅夜様……?

 覚悟して下さいね?」


 毬愛が魅夜の後ろから、

 不吉な感じで声をかけて来る……?


「ん?」


「今回の案件、縁宮子様関連ですから……」


「え……縁宮子……?」


 魅夜の歩みが、ぴたっと止まった……


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「な、何だったんだ……今の地震?」


 廃ビルの地下……

 光治は、揺れが収まってから、辺りを見回しながら言った。


 銀子は、地震が怖かったのか、後頭部を両手で抑えつけながら

 ぶるぶると震えている……


 一方、ヤミリンは、先程の印を手で結んだポーズのまま

 直立不動に固まっている……



 さっきの地震……

 地下室だったからか、

 やけに揺れが大きい様に感じた……


 いや、というよりは……?


 ヤミリンが何やら唱えたと思ったら、

 地震が起きた……?


「まさか、人工地震……!?」


 光治は、そう呟いてから

 ヤミリンを見つめて言う……!


「おい、ヤミリン……!?

 今の、お前が……?」


 と、光治が、そこまで言いかけた、その時だった……!?


 ボコッ! ボコッ!


 床から、何かが勢いよく突き上げて来るような音が

 聞こえたかと思うと……!?


「な……なんだ、あれ……!?」


 光治は、目の前の光景を見て、驚いた!


 ヤミリンを中心にして、床から何本もの、

 何か、植物のツタのような、緑色のものが生えていたのだ……!?


 そのツタのようなものは、絶えずウネウネと気味悪く蠢き、

 その表面は、粘液で濡れているようで、

 てらてらと不気味に輝いていた……


 しかし、光治には、その植物のようなものに

 見覚えがあった……!?


「しょ、触手……だ!?」


 そう……!

 それは、ファンタジー小説に、

 よく出て来るような【触手】だったのだ……!


 そして、触手達が囲んでいる円の中心で、

 ヤミリンが、手と頭をだらりと下に垂れ、

 まるで糸の切れたマリオネットのようなポーズで、そこにいた……


「おい!? ヤミリン!? おい!?」


 光治が、ヤミリンに呼び掛けるも、

 彼女は、気を失っているのか、全く返事をしない……


(これ……ヤバイやつじゃ……!?)


 そう思って、光治が

 ヤミリンに近寄ろうとする……


 だが……?


 光治が、一歩ヤミリンの方へ歩を進めると、

 まるで、その行く手を阻むように

 触手が、彼の動きに合わせて、ウネウネと進路を妨害して来る……?


「くそっ!? 近寄らせないつもりか……!?」


 そして、光治が近寄れずに、手をこまねいていた……

 その時だった……!


「きゃあ!?」


 後ろの方で、女の悲鳴が聞こえた……!?


 ふり返ってみると、声の主は、銀子で……!

 彼女の足には、ヤミリンの触手が絡みついていた……!


「や!? や!? 何なん!? この気持ち悪いの!?

 うちの足に絡みついて……!?

 いややわ!? は、這いあがって来る……!?」


「なっ!? 銀子!?」


 一瞬、光治の中で、

 嫌な予感が爆発する……!?



『ご主人様……!?

 気付いていますか……チン!?

 このシチュエーションって……!?』



 危険を察知したのだろう……

 光治のチンが、彼に語りかけて来る……!


(いや、お前に言われんでもわかっている……!)


 美少女と触手……


 この組み合わせは……!?


「嫌な予感しかしないじゃないかあ……!?

 銀子ぉ……!?」


 光治は、そう言って、銀子に向かって駆け出した……!?

作者「何か、近くの高校でさあ……」

せや姉「うん」

作者「ハロウィンパーティか何かをやるのか、

   はたまた、文化祭の出し物なのか……

   何か、おそろいの、かぼちゃ柄のトレーナー着て

   高校生たちが、清掃活動らしきことしてた……」

せや姉「ふーん」

作者「で、作者は、その高校生たちを

   なるべく見ないようにして、そそくさと立ち去ったの……」

せや姉「なして?」

作者「いや、何か知らんけど、

   高校生とは、目と目が合う確率が

   このところ非常に高いのよ!

   何となくでも、ぼぉ~っと高校生見ていると

   不意に目と目が合って、な、何か……気まずい感じが……」

せや姉「はいはい、始まりおった……」

作者「ちょ……!? 真面目に悩んでるんだよ!?

   異性から目を逸らしてしまう自分がいて……

   ああ、こんなんだから、いつまで経っても結婚はおろか……

   恋人もできんのだろうなあ……って……」

作者「てか、何で皆、作者と目と目を合わすの!?

   作者の顔が、そんなに珍しい感じなのか!?

   そりゃあ、平均よりは良い顔だとは思うが!

   ちょっとふり返っただけで、見てんじゃねえよ!?」

せや姉「ホンマ、やかましか……」

せや姉「そんなん、本人達に聞けばええやないの?」

作者「できるかー!?」

作者「てか、あれだぞ!?

   高校生に、大人がそんなん急に尋ねるとか、

   間違いなく事案やん!?

   ポリースメーンが、職質して来るで!?」

せや姉「せやね」

作者「でも、気になる……でも……でも……」

せや姉「ああ、うっとうしい……」



作者「てかさあ……」

せや姉「うん?」

作者「ハロウィンって、いつの間に、こんなに流行るようになったん?」

せや姉「さあ?」

作者「恵方巻きもそうだけど、急に流行り出したよね?」

せや姉「どうせ、セブンイレブンの陰謀やろ」

作者「おい、実名は伏せろ!?

   また怒られるだろ!?

   炎上マーケティングはいらないんだよ! うちは!」


作者「ときに、昔さあ……」

せや姉「うん?」

作者「ちょっとしたゲームつくったことあるんだけど……」

せや姉「うん」

作者「作者がプログラム組んでさあ……

   まあ、Excellのマクロ並みの簡単なやつだけど……」

作者「グラフィック担当の人が画像の提出遅れることがあって、

   その時の言い訳が『ハロウィンで遅れちゃいましたぁw』とか

   言っててさあ……


   うわ、こいつ、絶対嘘だよ……

   よりによって、ハロウィンとか……

   そんなん祝うやつおるわけないやろ?

   そんな嘘つくより、遅れちゃいましたあ! だけでええのに……


   ……なんてこと、考えていたんだけどなあ……」

作者「作者の当時の常識を超えて、

   ホント大盛り上がりだよね、ハロウィン」

せや姉「ホンマ、いつの間にか、流行るようになったな……」

作者「……」

作者「ねえ、ちょっと思ったんだけどさあ……?」

せや姉「ん?」


『シャイン樽画って人の作品を読むと、

 恋愛が成就するんだって!』


作者「↑こんな噂を流行させられたら、

   この作品も売れないだろうか?」

せや姉「いや、そもそも、あんたに恋人おらんやろ?」

作者「ぐはっ(吐血

   何気にダメージの高い発言を……!」

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