サブエピソード: 毬愛のバイオリン講座
作者「今回の話は、サブエピソードです」
作者「最初は本編の中に組み込む予定でしたが、
書いてみたら本編の進行とは少し離れるため、
分けて、サブエピソードとして投稿しました」
作者「そして、このサブエピソードは、
読み飛ばしちゃっても、話が通じると思います」
作者「てか、ぶっちゃけ、真面目にバイオリンのこと語ってるだけで
一部の方には、つまらないかもしれませんので……」
作者「本編の方は、いつも通り投稿する予定なので
それまでしばしお待ちを……」
さて、毬愛は、自室に着くと、
魅夜と、テーブルを挟んで向かい合わせに座ると
こんなことを言い始める……
「初めに、お断りしておきますが、
魅夜様が、どの程度の音楽の知識があるか知らないので
一からお教えしますね……?
なので、もしかしたら……
誰でも知っているようなことを申し上げるかも知れませんが
貴女のことをバカにしているわけではございませんから
そこのところは、ご了承下さいまし」
「OK、把握した」
魅夜は、あごの下に辞書を挟みながら言った。
毬愛に言われた通りに、あごの下に挟む練習を同時に行っているのだ……
「えー……まず、1オクターブというのは、
ドレミファソラシド、の8音階でできています」
「うん、それは知ってる」
「そして、下のドから上のドまでの間には、
7段階の間隔があいてます」
「うん、植木算ね、把握、把握」
「植木算?
いえ、話を続けますね……
はい、では、ここで……
恵理子さん、例のものを持って来て下さい」
「畏まりました……」
毬愛にそう言われ、メイドの恵理子は
横幅30センチぐらいの大きさのキーボードを持って来た。
「笑点の大喜利みたい……」
大喜利と言われて、毬愛は少し首を傾げたが、
今は関係ない話題だと思って、話を続ける……
「いいですか?
このキーボードで見るとわかりやすいのですが……
この白い鍵盤のドから、次の白い鍵盤のドまで
8音階7間隔ありますよね?」
毬愛はそう言って、【ド】の音から
白い鍵盤だけを叩いて、
順番にドレミファソラシドの音を出してみた。
↓これをキーボードの鍵盤だと思って下さい。。。
□■□■□□■□■□■□□ (←白いところだけ叩くと、ドレミファソラシド)
(注:ホントはここで鍵盤の挿絵入れたい by作者談)
「黒い鍵盤を間に挟んで、
白い鍵盤から白い鍵盤へ行ったら『全音あがった』といい、
間に黒いのを挟まないで白から白へ行ったら『半音あがった』といいます」
「うん、し、知ってる……
あまり意識してなかったけど……」
「それで、見ておわかりでしょうが、
最初のドから1オクターブあがるためには、
全音全音半音、そして全音全音全音半音、という7段階の上昇が必要です」
「ん?」
魅夜は、少し首を傾げて、
キーボードを見た。
【ド】の白い鍵盤から、順に
白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白、と白黒の鍵盤が並んでいた。
なるほど、毬愛の説明に沿うと、
白から、隣り合った白へは半音あがり、
黒を間に挟んで白へは全音あがるのだから、
白と白が隣どうしに並んでいる【ミ】と【ファ】、
そして、【シ】と高い方の【ド】、
それらの間では、全音あがることが、視覚的に理解できた。
「OK、把握した」
「ところが、バイオリンには、鍵盤というものがありません……
同じように鍵盤のない楽器でも、笛などでは
決まったところを指で抑えれば、決まった音が出て来るわけですが
バイオリンは、線を抑えたところの音が出るだけで、
いつも決まった音が出るというわけではないです」
そう言われて魅夜は、少し考えてから
こんなことを言い始める。
「なるほど、ピアノや笛は、デジタルの時計
バイオリンは、アナログ時計という感じかな?
デジタルなら、数字をぱっと見て理解できるけど
アナログは、ちょっと見ただけではわからない……」
魅夜の話を聞いて、毬愛は少しの間頭で考えていたが、
やがて、納得がいったようで、うなずいた……
「まあ、そのような感じですね。
あと、その例えを使わせていただくと……
逆にいえば、アナログ時計ならデジタル時計と違って、
0,5秒などのような細かい時間も表現可能です」
「あ、確かに」
魅夜は、微笑んでそう言って……
それから、すぐに小首を傾げた……?
「え? でも、それだと、
鍵盤のないバイオリンでは、毎回、
自分で正確な音を把握しないといけないの?
そんなの、絶対音感ないと無理じゃん!?」
魅夜が慌てた様子で、
『私、絶対音感なんてないよ?』と、
毬愛の方へ、身を乗り出して尋ねたが……
毬愛は、微笑んで、それを否定した……?
「いいえ、そうではありません。
絶対音感などというものは、なくても構わないです……
そもそも、弦楽器をやる人にとって、絶対音感は……
いえ、話が逸れるので、やめておきましょう。
バイオリンでは、鍵盤がない代わりに、
小技をつかって、音を把握するのですよ……?」
「どゆこと?」
「指をつかうのです」
毬愛は、そう言って、魅夜に
自分の左手を見せた……
作者「というわけで、次回のサブエピソードへ続く!」
せや姉「まだ続くんかい!?」
作者「うん、そのサブエピソードの掲載時期は未定だけど……
てか、本当は、サブエピソードだから
1回限りにしたかったんだけど、ちょっと話が長くなり過ぎて
1回で全て終わりにするのは厳しかったので、分割しました」
せや姉「せやね」
作者「あ、前書きでも言いましたが、本編は本編で投稿しますので!w
作者も、バイオリンの話をメインテーマにする気はないんで!w」
せや姉「せやね」




