64話: 暁のたこ焼き・オブ・ザデッド!
【STORY】
時は西暦21××年……
世界は、核の炎に包まれ…………てはいなかったが、
相次ぐ環境汚染のために、地球は荒廃していた……!
一部の富裕層は、宇宙船団を率いて、荒廃した母なる地球を離れ、
新たなる星雲に旅立ち……!
地球に残された人類は、貴重な食料を求め、奪い合っていた……!
特に、炭水化物、糖質、脂質などの栄養素が
バランスよく摂取できる、至高の食品【たこ焼き】に至っては、
人々は、ゾンビになってでも【たこ焼き】を食わんと争いを起こして……!
「まてまてまてい!?
何や、そのストーリー!?」
そこで、伝説のたこ焼き職人の匠は、立ちあがりました!
チャラララ~ン♪ チャララーラー♪ (軽快なBGM)
たこ焼きを巡って、血で血を洗う戦いを繰り返している今の人類を嘆き、
真のたこ焼きをつくって、世界を平和で満たそうとしたのです!
チャラチャラチャラララー♪ (とても軽快なBGM)
……
チャーラー♪ チャーラー♪
チャーラララー♪ ラーラー♪ (穏やかな午後の昼下がりのようなBGM)
閑静な……いえ、閑静過ぎて、もはや何も聞こえない荒れ地に
たこ焼き職人の匠は、舞い降りました……!
ジュウウウウウ……!
何ということでしょう!?
あの静寂が支配していた廃墟に
香ばしい油の匂いとともに、
鉄板の焼ける音が聞こえるではありませんか!?
「あ、もう、そのノリ、ええわ……
その劇的なんたらアフターみたいなの……
ウザいから、やめや」
え、えーと……
銀子が、ナレーションにそうツッコミを入れて、
たこ焼き器にハケで油を引くと、
香ばしい匂いと共に、小気味いい油の弾ける音が響いた……!
「あーたたたたた!」
銀子は、素早く生地をそこへ次々と流し込み、
ぱっぱっぱっと具材を入れていく……!
「ほあ! ほああ!」
あげ玉、紅ショウガ、そして、主役のタコ……!
全てが、たこ焼きの生地の中にうずまり、とけ込んでいく……!?
そして、銀子は、頃合いを見計らって……!?
「あらよっと!」
手際良く、たこ焼きを、
丸くひっくり返していく……!
「あ、何や、これ?
案外簡単やん……?」
ヤミリンが、コントローラで操作しているのを見た時は、
難しそうに見えた、たこ焼きづくりであったが、
銀子が実際にやってみると、案外簡単にいった……!
「そもそも、生地も、ネタも、
仕込み終わったものが、既に出て来おるから、
あとはタコ焼きつくるだけやし!
こんなん、楽勝やわ……!」
そして、そんな軽口を叩く銀子を、
ヤミリンは、横目で見ながら、舌打ちをし……
「ふん……!」
それから、パチンと指を鳴らした……
「何や? 何かした?」
ヤミリンの視線に気づいた銀子が、
そう尋ねて来る……?
「え……!?」
そして銀子は、平然とした様子で、
たこ焼きづくりを続ける……?
それを見て、ヤミリンは、
お面の中で、目を丸くして驚いた……?
「え? ちょっと!?
何ともないの!?」
だが、ヤミリンのその問いに答えるまでもなく……!
ウーーーッ! ウーーーッ! ウーーーッ!
突然、けたたましく警報音が鳴り響いた……!?
「おっと、来おったわ!?」
「え!? ちょ……!?
まだこっちはできてないのに……!?」
ヤミリンは、
驚いているうちに、たこ焼きづくりが少し遅れていた……!
そして、二人が慌てて、
次の準備に取り掛かっていると……!?
『うぼおおおお!』
どこからともなく、ヨダレを垂らした人間の集団が
銀子達の屋台それぞれへ殺到する……!?
『オイテケ~……オイテケ~!』
それは、たこ焼きが食えずにゾンビ化してしまった一般客……!
そのままだと屋台を破壊し、たこ焼きを強奪していくことだろう……!?
どうする、銀子……!?
だが……!
「そうはさせるかいな!?」
銀子は、専用の銃に、たこ焼きを弾として詰めると、
それをゾンビに向かって構える……!
「あんたさん達に恨みはないが……
食らえ……!?」
そして、銀子は、銃の照準を定めると……!
「いったれえええ……!?」
銀子はそう言って、ゾンビに向かって
銃の引き金を放った!?
「うぼっ!?」
たこ焼きは、見事ゾンビの口へシュート……!
超・エキサイティング!
『食べ物で遊んではいけません!』のテロップが
流れると共に……!?
『うーまーいーぞおおおおおー!』
ゾンビは、そんなことを叫びながら、口からビームを出し!
元の人間の姿に戻っていく……!?
浄化されたのだ……!?
ゾンビが浄化されて人間に戻ったのだ!
「よっしゃああ!」
そして、元に戻れたことを涙を流して喜ぶお客を前に、
銀子は、ガッツポーズをとって大喜びした!
一方……?
「おい!? ちょっと待て!
お客さん!?
まだ、そのたこ焼きは焼けて……!?」
ヤミリンの方は、まだできていないたこ焼きを
ゾンビ達に片っ端から盗られて……
「ああ……あああ……」
後には何も残らなかった……!
……
……
カンカンカンカーンッ! (ゴングの効果音)
『勝者…………OSIKKO!』
「よっしゃあ! うちの勝ちや!」
銀子は、OSIKKOと呼ばれたことに赤面しつつも
ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを表現した!
一方、ヤミリンは……?
「く、くっそぉ!?」
そうやって、地団太を踏んで悔しがった……!?
『ヤミリン、クソ雑魚すぎだろ!』
『女神様の服脱がしてよ! 役目でしょ!?』
『はあ! つっかえ!? (ヤミリンがんばれ~』
「ち、ちくしょお! みんな、手の平くるーしやがって!
そんなに、この女の裸が見たいのかよ!?」
ヤミリンは、PCの画面に流れているコメントを見ながら
地団太を踏んで悔しがっていた……
『おい、ヤミリン、地が出てるぞ! 草生える!』
『まあ、今までも、たまに見せてたけどな……』
『俺、こっちのヤミリンの方が好き……!
何かJCに睨まれると思うとゾクゾクする、ぐふふ』
視聴者の反応に、
ヤミリンは、顔を真っ赤にして怒り狂う……!
「う、うるさい! うるさい!
あんなに、あたしのこと『天使みたいだ』って褒めてくれてたのに!」
ヤミリンの叫び声が辺りに響くのだった……!
作者「昔さあ……」
せや姉「うん」
作者「たしか、中学生の頃だったかなあ……?
ツナマヨで
食中毒起こしたことがあってさあ……」
せや姉「うわあ」
作者「何か、身体が動けないの……!
舌を鏡で見てみたら、舌の色が変色して
かなりヤバイ感じになって……」
作者「熱まで出て来ちゃって……
これ、しぬのかなと本気で思った……」
せや姉「大変やったな」
作者「完治するのに3日ぐらいかかったような……?」
作者「で、それまで、ツナマヨのおにぎりとか
サンドイッチが好きだったんだけど
そういうのが一切食べられなくなった……」
せや姉「そらそうやな……」
作者「何が原因で食中毒が起こったか
わからないけど、マヨネーズは完全にダメになった……」
作者「てか、今でもマヨネーズは、ちょっと……
いや、食べられるようにはなったけど、
なるべく口に入れたくない感じ……」
せや姉「せやろな」
作者「もう、テレビで、
『お味噌汁に、マヨネーズいれると美味しいんですよお?』
とか言ってるの見てて、悪いけど吐き気がしてた……」
せや姉「ああ、マヨラーとか流行ったもんな」
作者「あ、マヨラーとか、今の30代以上じゃないと知らないでしょ?
作者、17歳の美少女JKだから、マヨラーとか知らないよ?
何それ、おいしいの?」
せや姉「おい、このタイミングでその大嘘、殺意わくから、やめや……」




