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  4話: 時の狭間の空間にて

 さて、ここで少し、

 光治の飛ばされて来た、この空間について説明しよう。


 今、光治がいるのは、地球ではない、どこかの空間だ。


 上を見上げると、無限の宇宙を思わせる闇色の高い天井があり、

 足元には、ほのかに明るく光っている白い床があった……


 それらは、とても幻想的な雰囲気で、

 ひと目みれば、ここが現実ではないことは、

 誰の目にも明らかだ……


 そして、その空間の一段高くなっている床の上には

 金色の玉座があり、

 その玉座には、銀色の髪に、緋色の目をした美女……

 つまりは、

 先程から光治に悪態をついている女性が座っていた……


「あんた、うちのこと、誰やと思うとるの?」


「女神だろ……?

 ついにそこまでボケたか?」


「ボ、ボケ……!?

 ホンマ、ムカつくわ!?

 失礼やと思わないんか!?」


 その女性こそが、時の女神ノルン……


 そして、このノルンの居るこの空間は

 【時の狭間の空間】だった……


 ここは、時の迷子の行きつく場所……

 どういう理屈なのか、光治にもわからないことだが、

 時の女神の説明によると、

 光治達の行為によって世界が崩壊すると、

 その崩壊のエネルギーによって

 この【時の狭間の空間】に飛ばされるようだ。


 その際、悲しいことに、

 飛ばされて来るのは、光治ただ一人……

 魅夜は、一体どうしていることか……?


 最初こそは、光治も、

 時の狭間の空間の、見慣れぬ幻想的な雰囲気に

 感嘆の声を漏らして、心躍らせていたものだが……


 毎回、世界が崩壊し、

 魅夜と別れる度に、この空間に来るもので、

 いつしか、【この空間】=【魅夜との別れ】と

 認識が繋がってしまい……


(ホントいつ来ても、胸糞悪い空間だぜ……!

 ここの空気を吸うだけで吐き気がして来るようだ……!)


 そのうち、ここに来るのが、

 嫌で嫌でたまらなくなってしまった……


(だけど……仕方ねえか……)


 だが、光治が、再び魅夜に会うためには、

 この空間に来ることは、どうしても避けられない……


 何故なら、この空間で毎回、

 時の女神によって、光治は……


(あ、やべ……)


 そこまで考えて、光治は、

 自分の過ちに気付いた……


 光治は、女神の前へ一歩進む……


 すると、女神ノルンは、玉座から立ち上がり、

 光治を警戒して、ファイティングポーズをとりながら

 大きな声で、光治を威嚇し始める。


「ああん!?

 何や、ガキ? タイマンか!?

 常套やんけ!?

 ええで? 女やと思うてナメんなや!?

 うちは、これでも昔、

 【光輝(シャイン)ノル姉】という異名を……!」


「すまん……女神……!」


 光治は、頭を下げて、女神に謝罪した……


「はあ?」


 ノルンは、光治の突然の変わりように

 若干身体を引いて、不審そうな顔を見せる……


「俺、世界が崩壊……いや、

 魅夜と別れたショックで気が立っていた……!

 失礼なこと言って、すまなかった……!

 この通りだ! 許してくれ!」


 へこへこと、何度も頭を下げる光治……?


「な、なんや、急に……?

 気色悪い……」


「いや、お前を怒らせると、

 時間遡行してもらえないと気付いたからな……」


「ああ、なる……」


 そう……

 光治は、この狭間の空間に飛ばされて来る度に、

 時の女神によって、

 魅夜に出会った日まで【時間遡行】してもらっていた……


 ノルンとしては、それは、

 世界の崩壊を起こさないために

 やっていることなのだが……


「ああん?

 時間戻してもらいたいから、

 頭下げとる、と?」


「そうだ……!

 だから許してくれ!」


「ちょい待ち……

 それは……

 当然、世界を救うため……ではなくて……

 女のために時間戻して欲しいだけなんか?」


 ノルンが、いくら『世界が崩壊するから』と説明しても、

 光治は、魅夜と付き合うのをやめることはなかった……


「正直に言うよ……

 魅夜に、また会いたいんだ……!」


 光治の、その言葉に、

 ノルンは思わず、溜め息が出て来る……


「ホンマ、アホやな、自分……

 そんなに好きか? あの女が?」


「大好きだ!」


「正直に言い過ぎやろ……

 てか、あの女に会うな言うとるやろ?

 ああ、口の中が甘うなる……! ぺっぺっ!

 はあ……これだから若いもんは……」


 そう言って、肩をすくめて見せた。


「まあ、ええわ……

 正直、あの程度の罵詈雑言で

 イチイチ怒っていたら、神様やってられんしな……

 世の中、もっとヒドイやつはいくらでもおるよって……

 自分で災害起こしておいて、マッチポンプする輩とか、

 神の名を騙って、悪さするやつとか……

 そして、そういうやつに限って……

 いや、あかん……話が逸れたな……」


 それからノルンは、咳払いをして……


「うちも、世界が消滅したままやと仕事にならんし、

 しゃあないわ……

 もう一度、時間遡行したる……!」


「やった!」


 だが、まあ……


 既に、光治は、

 心の中で『また魅夜に会える!』などと考えて、

 もう世界崩壊のことなど忘れてしまっていたのだが……


「ただし!」


 ノルンは、人差し指をピンと天に向かって立てると、

 真剣な顔で、光治に言う。


「あの女には、もう近寄るな!

 ええな!?」


「うっ……!」


「難しいことやないやろ?

 他の女となら、どんな恋愛をしようと!

 セ、セックスしようと!

 あんたの自由や!

 やけど! あの女だけはあかん!?

 間違ってもセックスなんてすんなや!?

 あの女とセックスなんて、間違ってもあかんのや!?

 それで世界が崩壊するんやから!」


「あ、あのう……?」


「何や?」


「キ、キスだけなら……?」


「あかん! あんたらの今までのパターンからいって、

 キスなんかしたら、絶対そこで終わらないやないの……!

 身体をまさぐり始めて……

 ほいで……ほいで……!

 見ているこっちが

 恥ずかしくなるよなこと始めて……!」


 ノルンは、そう言いながら顔を赤らめた……


「ババアが赤面しても何も面白くないんだが……」


「やかましいわ!? この色ボケ猿が!

 会う度に、ちゅっちゅしおって!?

 見ていてフラストレーション溜まるんや!?

 何でこいつら、この若さでヤりまくっとるのに

 うちには、相手が……相手が……! ぐすっ!

 ああ! 腹立って来た!?

 ふっざけんな! この色ガキ猿ども!?」


 ノルンがそう強く言うと……

 光治は、びくっと小さく身体を震わせる。


「わ、わかった……!

 魅夜と出会っても、もう、

 そそそそ、そういことはしない!

 やややや、約束しよう!」


 そう言っている光治の目は……

 完全に泳いでいた……


(ああ、これ、今回も駄目なやつやな……)


 ノルンは、そんな光治を見ながら、

 再び、頭痛がして来た……


 このままだと、

 また世界の消滅を繰り返すだろう……


(これが若さ、かぁ……)


 思わず、溜め息が出て来る……


(まあ、そうは言うても、

 なんぼ何でも、

 出会ってすぐにセックスするわけやない……

 こいつの記憶は、何故かなくならないけど、

 あの女は全て忘れた状態で始まるんやし……

 時間遡行したら、しばらくは大丈夫やろ……?)


 女神はつぶさに、頭の中で計算し始める……


(最悪でも一週間はもつやろか……?

 なら、十分やな……

 その間に、何か対策を考えよ……)


 ノルンは、もうこいつには任せておけないとばかりに、

 光治と、魅夜を引き離す計画を考え始めていた……


(とりあえず、恋の女神あたりに相談してみるか……?

 最悪の場合……

 うちがこいつの恋人になってでも、止めないと……!)


「ひぃ……!?」


「ん? どした?」


「な、何か、今……?

 寒気が……?

 何か、おぞましいものに喰われる錯覚を覚えた……!

 ここ、何かいるんじゃないか!?

 オークとか、ミノタウロスとか、そういうヤバイの!」


「そ、そか……」


 女神ノルンは、

 『こいつ、事が終わったら、絶対天罰食らわすわ……』

 と、心に誓うのだった……


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 そして……


「おい……」


 女神ノルンは、ジト目で、

 その訪問者にツッコミを入れた。


「や、やあ! 女神?

 げ、元気してたか?」


 女神が再び時間遡行を施してから次の日、

 世界は再び、消滅した……



「アホか!? おのれは!?

 今回、1日目やど!?

 出会って即日!

 その日でセックスとか、

 どんだけ猿なんや、お前ら!?」


「いや、アイツが可愛い過ぎるのが悪い……!」


「のろけんなや!?」


「なあ、もう一回

 時間遡行してくれよ!

 今度はうまくやるからさあ!」


「ご飯おかわり、みたく簡単に言うなや!?

 ああ……ホンマ、頭痛い……」


「ん? 生理痛か?

 腹出した格好してるからじゃね?」


「せやなぁ……

 最近思うんやけど、もう若うないし、

 格好には気をつけなあかんと思うとるのよ……

 って! 誰がババアじゃ!? やかましいわ!?」

作者「どう見ても、大陸から雨雲流れて来てるのになあ……」



作者「ぬを!?」

せや姉「どした?」

作者「な、何か、この作品のPVがすごいことになってる!?」

作者「8月15日だけで、1691アクセスとか、

   『おねショタ転生』の最盛期あたりの数字いってるし!w」

せや姉「せやね」

作者「まあ、おねショタの真の最盛期は、5000アクセス/日だけど

   あれは【完結ブースト】効果で、イレギュラーだと思ってるので……」

作者「うーん……?」

せや姉「どしたの?」

作者「ね、ねえ……? 今思ったんだけどさあ……?」

せや姉「ん?」

作者「な、何か、幸運過ぎて怖い……

   もしかして、一生分の運を使い果たしたとか?

   うち、しぬの……?」

せや姉「せやね」

作者「お、お前!?」

作者「そこは嘘でも、『オーバーやなあw』とか言うべきところでしょ!?」

せや姉「せやね」

作者「……」



作者「運と言えばさあ……」

せや姉「ん?」

作者「『ざんねんないきもの事典』に書いてあったんだけど

   ゴリラって、ストレスたまると、おかしくなって、

   自分の排泄した下痢便食べちゃうんだって!」

せや姉「やめーや!?

    てか、運の話やのうて、それ、うん●やろ!?」

作者「ゴリラって、

   ストレスに弱い繊細な生き物なんだなって思った……

   てか、親近感わくわあ……」

作者「作者も、ストレスに弱い、

   小動物みたいな性格なの……」

せや姉「は?」

作者「あ、これ、お食事中の人には不適切な表現なんで

   お食事中の方は、ブラウザバックして下さいね?」

せや姉「遅いわ!? ボケ!?」




作者「しっかし、どうしようかなあ……?

   前作みたく、PVアクセス数で祝おうと思ってたんだけど

   この伸び方、予測がつかないなあ……」

作者「少なめに目標立てると、あっと言う間に超えた時に対応できないし、

   逆に多めに目標立てると、失速した時、目標達成まで辛い……?」

作者「とりあえず、暫定的に1万アクセスで祝うことにして、

   ちょっと、様子見すべきかな?」

せや姉「せやね」

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