表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/85

 43話: 修羅場

「えぐっ……えっぐ……」


 魅夜が突然、泣きだした……!?


「ひどい……ひどいよ……!

 コウくん! ぐすっ……」


 目に両手をあてて、魅夜は本気で泣いていた……!


 魅夜の突然の、その行動に、

 光治も、毬愛も、ぎょっとして目を丸くして驚くばかり……

 さっきまで、鬼の形相で光治達を睨みつけていたのに……


「信じて……ぐすっ……いたのに……!

 コウくんは、私のこと、全部好きだって言ってくれたから!

 コウくんは……私のこと……裏切らないって……信じて……ぐすっ」


 魅夜は、うつむいて、

 ぽつりぽつりと言葉を呟いて泣いていた……


 光治には、その言葉のひとつひとつが……

 ぐさぐさと心に突き刺さるようだった…… 


(俺……そもそも、魅夜を泣かせたくないから、

 毬愛と二人で会おうと思ったんじゃないか……

 それなのに……!

 それなのに、魅夜が……泣いてしまって……!

 これじゃあ、本末転倒じゃねえか!?)


 光治は、魅夜に何も声をかけられなかった……


 そして、魅夜は……ひとしきり泣いたあと……


 大きな溜め息を吐くと……?


「陣風毬愛……! あ、あんた……!?

 この泥棒……! 裏切り者!?」


 魅夜は、顔を上げると、

 毬愛のことをキッと睨んで言った!?


「み、魅夜様……?」


 魅夜の威圧感に、毬愛は思わず、後ずさりをする……


「あ、あんた……絶対許さない!?

 友達のフリして近づいて……!

 私の恋を応援するようなことを言って……!

 陰でこんな……こんな!?

 コウくんと抱き合うようなことをして……!

 裏切って!?

 あんた、私のことをせせら笑っていたんでしょ!?」


「ち、違……!?

 わ、わたくしは……!」


 毬愛は、もちろん、否定するが、

 魅夜の耳は、もはや届かなかった……


「殺す……」


 凄味のある声だった……


 魅夜の声だ……?

 低く、怨嗟のこもったようなその声は、

 この場で一番魅夜のことを知っている光治を以ってしても

 それが魅夜のものなのか、疑わしく思えて来るほどだった……!?


「殺してやる……!」


 次の瞬間!?

 魅夜は、懐から小刀を取り出した……!

 忍者である彼女は、普段から懐に小刀を

 持ち歩いていたのだ……!?


「あんたなんて……殺して……!

 殺してやるんだから……!?」


 そう言って、後ずさりをしている毬愛に狙いを定めると、

 小刀を両手で持って、一気に駆けだそうとして……!?


 だが、その時だった……!


「魅夜……! やめろ!?

 駄目だ、それは……!?

 絶対にやっちゃいけない!?」


 光治が突然大きな声で、そう叫んだのだ……!?


 光治は、両手を左右に広げて仁王立ちになると、

 毬愛を庇うように、魅夜の前に立ちはだかった!?


「え……!?」


 光治のその鼓動に、魅夜は戸惑った……!

 小刀を握ったまま……光治を驚きの表情で見つめていた……


(コウくん……何で?

 何で、そんな最低女のこと……庇うの……?

 そんなに、そいつのことが……

 毬愛が大事だって言うの!?)


 そう考えて、嫉妬の炎を更に燃え上がらせようとした


 その時……!?


「すみませんでしたあ! 全ては俺の責任です!」


 光治は土下座をした……!


 地べたに正座して、頭を下げて……

 三つ指をついて……

 地面のアスファルトに額をぐりぐりと擦りつけながら……!?


「すみませんでした! 俺の責任です!

 どうか許して欲しい! お願いだ!」


 光治は土下座をした……!

 ただひたすらに……!

 ぐりぐりと擦りつけた額から、血がにじんでもやめようとせず……!


 ただ一心に、魅夜に許して欲しいと願ったのだ!


「ちょ……!? コ、コウくん!?

 やめてよ!? 土下座なんて……!?」


 魅夜が慌てて、光治に言うが、

 光治は、頭を下げながら叫んだ……!


「いや、やらせてくれ!

 俺が深く考えて行動しなかったばっかりに……!

 こんなことになったんだ……!

 魅夜に黙っていたばっかりに……!」


 そんな光治を見ながら、魅夜は

 ブルブルと身体を震わせ、呟く……


「な、何で……」


 そして魅夜は、大きなため息を吐いてから

 土下座している光治を見下ろして、睨みつけながら言い放った……!


「な、何で、毬愛なんて庇うのよ……!?」


「庇っているわけじゃない……!

 本当のことを言ってるんだ!」


「で、でも……!?」


 魅夜が、わなわなと震えながら小刀を構える……


 だが、光治は、そんな魅夜のことを

 じっと見つめて、こう言うのだ……!


「魅夜……俺は……俺はな……!?

 魅夜に、人殺しなんてさせたくない!

 いや、見たくないんだ!?」


「え……?」


「俺の愛する女が、そんな、殺人なんてするとこ

 見たくないんだ!」



 カラン……カラン……



 アスファルトの地面に

 乾いた音が響き渡った……


 魅夜だ……

 魅夜が小刀を、思わず手から落としてしまったのだ……!


「コ、コウくん……ズ、ズルいよ……

 そんなの……そんなこと言うの……」


 魅夜は、両手で目を覆う……


「毒気が……抜かれちゃうじゃんか……よお……」


 そう言って、膝から崩れると

 ただただ……魅夜はひたすらに泣き続けた……



 一方……

 毬愛の心の中で、光治の言葉が木霊していた……



『俺の愛する女が……』



 気がつくと、毬愛の目にも

 涙が止め処なく流れて来ていた……


(どちらがズルいのですか、魅夜様……?

 こんなにも、光治様の愛情を独占して……)


 そんなことを考えて、下唇を悔しそうに噛みしめる……


 そこで、はっとして……

 その唇で、光治とキスをしたことを思い出した……


(とんだピエロですのね……わたくし……)


 そう言って毬愛は……

 小さく、誰にも聞こえないぐらい小さく、ため息をするのだった……

作者「本編のことだけど、

   でも、多分、こういう修羅場になったら、

   土下座しても許されないと思う……」

せや姉「おい!? 折角の話を台無しにすな!?」

作者「むしろ、土下座するとすぐに逃げられなくなるから

   危ないと思う……

   説得するなら、立ちあがって面と向かってやろう」

せや姉「作者が自ら作品を台無しにしていくスタイルかい!?」

作者「そもそも正座、土下座は、家康が

   大名たちに、謀反の機会を与えないように

   始めさせたものだとか聞いたし」

作者「正座していると、すぐ立ちあがれないから、

   突然襲い掛かるってことができなくなるんだって」

せや姉「いや、無駄な豆知識はええから!?」


作者「ところで、作者……

   どうも風邪ひいたっぽい……」

せや姉「せやったん?」

作者「うん、何か頭がすっごく痛い……

   頭を鈍器でガンガン殴られているような痛みがして耐えきれない……」

作者「いやあ、昨日、氷結のんでもパンツに茶色いのつかなかったから

   油断していたら、それ以前の話だった……」

せや姉「やから、やめーや!? その話題!」

作者「お食事中の方、ごめんなさい」

せや姉「やから、遅いわ!? いっつも!?」

作者「そういうわけで、ちょっと短いんですが、

   今回はこの辺で……すみません」

作者「本当はもうちょっと続けて、オチつけるはずだったんだけど……

   本当にごめんなさい……」

せや姉「ええから、早よ治しや」



作者「追記……」

せや姉「なんや?」

作者「マウスぶっ壊れたかも……全然反応しないの……」

作者「無線マウスで「*・ω・*」←こんな顔が

   マウスに書いてあるやつなんだけど

   さっきから全然動かないの……」

せや姉「電池のせいでは?」

作者「電池かえても全然動かない……」

せや姉「そか」

作者「これ動かないと、作業効率が下がるんだよなあ……はあ……」


作者「追記の追記……」

せや姉「今度は何や?」

作者「やっぱ電池切れだったみたい、替えに用意した電池も

   電気がなくなっていたようで……」

作者「新しいのに替えたらマウス動いた……」

せや姉「うわあ……」

作者「駄目だ……こんな初歩的なミスするなんて、大分ヤバいっぽい。

   ホントごめんなさい、もう寝ます……」

せや姉「せやね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ