31話: そして、物語は始まった!
光治のことを恋人だ、などと爆弾発言をかました魅夜は、
早速、次の休み時間には、クラスの女子達から囲まれていた……
「ねえ! ねえ!
日吉君と恋人同士ってホント!?」
「え?
う、うん……まあ……」
「おお!? これは!?」
机に手をついて、身を乗り出しながら食いついて来る同級生達に
魅夜は、軽く後悔をしていた……
久しぶりに光治に会えた喜びから
つい恋人宣言してしまったが……
食らいついて来る同級生に面喰らったのと、
一方的に恋人宣言をして、光治がどう思うか、
今更になって不安になって来たのだ……
そもそも、魅夜は、
光治にときめく以前は、
『恋愛なんてバカのすること』と思っていたので、
こういう話が苦手なのだ……
っていうか、クラスの女子達が集まって来たせいで
光治のところへ行けない……
辛い……
「で、月影さんは、日吉君とどこまで進んだの?」
「い、いやあ、キスまでは……」
訊かれたことに、条件反射にそう答えて……
すぐに『しまった!?』と心の中で思う……!
そんな風に答えたら、ますます騒がれるではないか……!?
「おおー!?」
「って! やっぱり恥ずかしいから、やめよう!
この話題! ね? ね? もういいでしょ!?
あー顔から火が出そう……!」
「やだあ! 月影さん、カワイイ!」
そして、そんな魅夜から、やや距離を置いて、
毬愛は、温かい視線で見守っていた……
「魅夜様、すっかり人気者ですね……」
「そりゃ、まあ……あんな発言すればなあ……」
光治は、どこか虚ろな目で、そう言った。
かく言う光治も、決して他人事ではない……
前の時限の授業中は大変だった……
美少女である魅夜の発言で、どうやら光治は、
クラス中の男子の嫉妬を招いたようで……
授業中、ひっきりなしに、消しゴムのクズやら、紙飛行機やらが
光治の頭目がけて飛んで来たのだ……
それも、結構強めに……
休み時間になったら、なったで、
クラスの男子に光治が話しかけようと近寄ると、
物凄い視線で睨んで、無言で行ってしまうし……
「俺……この先生きのこれるんだろうか……?
はぁ……」
光治はそう言って、ガックリと肩を下ろす……
だが、捨てる神あれば拾う神ある、とでも言うのだろうか?
「元気を出して下さいな?」
毬愛が、光治の手を、そっと握って、
微笑みながら、そう言った。
「まだ話題になるだけ、いいじゃないですか?
そりゃあ、悪評でしょうけど……
知ってまして?
児童虐待などでは【ネグレクト】と言いまして、
無視されることって、虐待の一種に扱われるのですよ?」
「へえ、そうなんだ?」
毬愛は、色々なことをよく知っているものだと
光治は感心した。
「ええ、そうなのですよ。
場合によっては、体罰などよりも酷い虐待として扱われて……
だから、無視されるよりはマシですよ……?
まるで路上の石でも見るかのように、無視されるよりは……
クラス中から無視されることなんて、地獄のような……」
そう言っている毬愛の表情は、どこか弱々しく……
何かを思い出しているのだろうか、悲しそうに見えた……?
「毬愛……?」
光治が心配して、毬愛を見ると、
毬愛は、はっとしたような表情を見せ、
取り繕うように、微笑んで、こう言う。
「い、いえ……! 何でもございません……
とにかく、光治様は、恵まれていますわ……
悪評とは言え、皆様の注目を集めているのですから……
わたくしなんて、魅夜さんと同じ転校生なのに、
誰も話しかけて下さらないのですよ……?」
そう言って肩をすくめて見せる毬愛……
だが、光治は、そんな毬愛の発言に
小首を傾げる。
「いや、それは……
単に、毬愛が美人過ぎるから、皆、気がねしているだけかと……
ほら、近寄りがたい美人っていうか……
何か、住む世界が違うような……」
光治がそんなことを言うと……?
「び、美人……!?」
毬愛は、顔を真っ赤にして驚いた……!
「こ、光治様!?
そ、そ、そういう発言は……!
みだりに、恋人以外の女性につかってはいけませんよ?
ご、ご、誤解を招きますから!?」
そして、毬愛は、両手で顔を覆い隠して、
指と指の間から覗き込むように、光治を見ながら言う。
「そ、それと……
女性の下の名前を呼ぶのは、家族とか、恋人同士とか
親しい関係の人だけにして下さいまし……!
わたくしのことは、ま、毬愛と呼ばずに、陣風と……!
だ、だって!
『毬愛は美人だ』なんて、まるで恋人が言うようなセリフ……!
あわ! あわわわ!?」
そして、毬愛が、あたふたとしているの見て
光治は、よっぽど悪いことをしたのだなと感じるのだ。
「あ、ご、ごめん……
何か、毬愛と呼んだ方が、呼びやすかったからさあ……」
「も、もう!
ですから! そういうことは……!」
毬愛は、そこまで言うと……
ふっと柔らかな表情を見せ、『ふふふ』と笑い始めた……?
毬愛が何故笑うのか、光治にはわからなかったが……
「ははは……」
光治は、毬愛の楽しそうな笑顔につられて
自分も笑いだした……
そして、こう思うのだった。
毬愛の、その屈託のない笑顔は、
とても一週間前まで自殺を図っていた人間のものとは
思えなかった。
こんな笑顔を見せるのだから、
きっと陣風毬愛は、
もう自殺がどうとか言い出すことは、ないだろう……
でも、それは……もしかしたら……?
選択肢の誤りだったりするのだろうか……
というのも、
恋の女神フレイアが『光治の運命の彼女』と言っていた毬愛を
助けたということは、
魅夜と一緒になりたいと願う光治にとって、
もしかしたら、プラスに働かないかもしれないではないか……?
「ふふ、光治様……ふふふ……」
でも、毬愛の柔らかな笑顔を見ていると、
一人の人間を救って、元気づけたような気がして来て……
「ははは……」
何だか、光治は、それが誇らしく思え……
だからこそ、自然と笑みがあふれて来た……
「コウくぅ~ん?
何だか、楽しそうだねぇ……?」
突然、後ろから魅夜の声がした……?
その声の調子こそ、穏やかなものであったが……
「うっふっふっふ!?
毬愛と、一体、何を楽しそうに話していたのぉ……?」
何とも言い難い、威圧感のようなものが
感じられた……!?
「ひぃ……!?」
光治が、慌ててふり返ると、
そこには……!?
「うっふっふっふっふ!?」
何故か、笑顔なのに、
鬼のような雰囲気を漂わせている魅夜がいた……!?
「ち、違うのですよ! 魅夜様!?」
雰囲気を察して、毬愛が助け船を出して来た!?
「光治様は、わたくしのことを【美人】と仰ってただけで
何も浮ついたことは…………あ」
毬愛は、言ってる途中で、
うっかり自分が問題発言をしてしまったことに気づいた……
「毬愛!? お前!?」
「ご、ごめんなさい! 光治様!?
わたくし、光治様に美人と仰られたことが嬉しくて、
つい……!」
「おおい!?」
「あ……」
「お前、わざとやってないか!?」
「ち、ち、違うのです!
光治様はお優しいから……!
わたくしを慰めて下さって……!」
毬愛は、尚も取り繕うとするが……
魅夜は、もはや聞く耳を持とうとしない……
「そっかぁ……浮気かぁ……
かなしいなあ……!?」
「ち、違う……!? そうじゃないんだ……!?
そうじゃないけど、傷ついたなら謝る! ごめん!」
頬を膨らませて、怒っていることをアピールする魅夜に
光治は、手を合わせて許してくるよう謝罪する……!
そして、そんなニュースは、
娯楽に乏しい中学の生徒達にとって、格好の餌食だった……!
「おやおや~? これはこれは……!」
「あらあら……まあまあまあ!」
クラスの女子どもは、口に手を当てて笑いを堪えながら
好奇の視線で三人を見て、ひそひそ噂し……
「奥様、浮気ですって? むふふ!」
「まあ、そうなんですか?
あんなに仲良さそうだったのに、わからないものねぇ! むふふ!」
「浮気相手は、もう一人の転校生ですって!
女子のお二人は、お友達とか言ってましたけど、
日吉君も、お友達なのでしょうか?
一体、三人はどういった関係なんでしょうね? むふふ!」
そうやって、ゴシップな話題に花を咲かせていた……
そして、男子達に至っては……
「おい、あのクラス、面白いことになってるぞ!?」
「修羅場だって! 修羅場!
俺、ドラマ以外で修羅場見るの、初めて!」
「動画にしちゃおうぜ! おい、誰か撮れよ?」
そんなことを言って、学校中に
ニュースを拡散するのであった……
「ああ! もう! 滅茶苦茶だよ!?」
「あ! こら!? コウくん!? 逃げるな!?」
「あ、あの!? 魅夜様!? 本当に光治様は悪くないんですよ!?」
そして、光治と魅夜と毬愛の、
奇妙な三角関係の物語は、こうして始まったのだ……
……
…… ……
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
場所は変わって、ここは天界……
「さて、わかっているだろうけど……
作戦通りやって頂戴ね?」
ピンク色の髪をした女性が
檻の中の人物に話しかけていた……?
「あんた……!? ふっざけんなや!?
元に戻せ!? これ外せや!?
このアバズレがあ!?」
檻の中からは、鎖をジャラジャラいわせる音と共に
少女の怒りの声が響いていた……!
「ふふ! その姿でそんな汚い言葉使わないの!
それに言ったでしょ?
元に戻りたければ……私の言う通りにしてよ!
なぁに、簡単じゃない?
あの魅夜って子を、立ち直れないぐらい
ギッタンギッタンの、メッタメタに
酷い目に遭わせればいいだけ!
ノルちゃんさえ乗り気なら、少年を喰っちゃってもいいわ!」
ピンク髪の女性の、その発言に
檻の中の少女は、顔を引きつらせる……!
「鬼……! 畜生……!
この人でなし!?」
少女がそう言うと、ピンク色の悪魔……
いや、女性は、大笑いにわらった……!
「あはは! 何それ? 人でなし?
何言ってるの? 当たり前じゃない?
だって私、人じゃなくて、女神様だもの……!
そして……!
その女神様に逆らった、あの子には、
痛い目を見てもらわないといけないの!
だって、生意気だもの! 人間のくせに!
地を這って、生にしがみつく、虫けらみたいな分際で!?
ねえ、そう思うでしょ? ノルちゃん……!
同じ女神ならわかるわよね? うふふ……
あ……そっか!
今は女神じゃないんだっけ!? ノルちゃんったら!
うひ! うひひひひ!
あーはははははははははは!」
天界のとある場所では、
恋の女神フレイアの不気味な笑い声が木霊するのであった……
||| 第一章・完 to be continued… >>>
作者「さて! 第一章・完ということで、
ここで一度完結してみます!w」
作者「完結ブーストが出るかどうかの実験!w」
作者「まあ、出ないだろうけどね!w」
せや姉「せやね」
作者「そして、再開は明日から!w
それはもう、何事もなかったかのように再開します!w」
せや姉「なあ、それ、やる意味あるんか?」
作者「いや、実験だもの!w こういうのは楽しんでやるの!w」
作者「さて、大学の時の話なんだけどさあ……」
せや姉「おい、自称JK……」
作者「こんにちわぁ! 美少女JK(17)の作者でーっす! うふ☆」
せや姉「お、おう……」
作者「それで大学の先輩♀がさあ……」
せや姉「いや、もう何もツッコまんわ……」
作者「教会主催のチャリティバザーに参加してたらしいんだけど……」
せや姉「へえ、チャリティバザー?
あんたの知り合いにしては、まともやない?」
作者「その先輩が、新品のパンツを100均か何かで買って
新品のまま、袋から出してバザーに出品したんだと」
作者「先輩が店員をやってね……」
せや姉「まてい!?」
作者「なんか、中年のおじさんが沢山買ってくれた、とか喜んでたけど
当たり前なんだよなあ……
先輩、キレイな方だし……
そんな人が(新品とはわからない)パンツ売ってたら……
ねえ?
そして、おっさんの心の声も聞こえてくるようです……」
せや姉「うわあ……」
作者「そして、先輩、絶対、確信犯でやってた」
作者「安く仕入れたものが高く売れたとか言ってたし」
せや姉「最低やん」
作者「で、流石の私も思ったね、
教会のバザーで、んなもん売るな! ……って!」
せや姉「えーと? 類は友を呼ぶって話か?」
作者「いや!? 一緒にするな!? あんなのと!」
せや姉「まあ、あんた、意外に純情やもんな?」
作者「え……? うん……? あれ、褒めてくれるの?」
せや姉「純情過ぎて、恋人できんかったんやもんな」
作者「お、おう……
くそっ……そういう……落ち……かよ……(血涙」




