22話: ぎしぎしぎし、ぱんぱんぱん
ぎしぎしぎし……ぱんぱんぱん……
あんあんあん……はあはあはあ……
光治のいる部屋の中では、
いかがわしい音と共に、
男の激しい息遣いと、女の嬌声が響いていた……
「はあ……」
光治は、生気の感じられない目で、それを……
モニターの中の男女の営みを見ていた……
ベッドの上に座りながら……
「なあ、そこのあんた……?」
光治は、モニターから顔を逸らして、
出入り口のドアの前にいる男性に声をかけた……
「ん? 俺か?」
男性は、黒いスーツに、黒いネクタイ、サングラスの角刈りで、
いかにも、用心棒という感じの男だった……
「ちょっと、質問していいか?」
光治がそう尋ねると、
男は、微動だにせず、腕組みのまま答える。
「構わないが……答えられないことは
答えないぞ?」
男が了承したので、光治は、
今まで疑問だったものを、男にぶつけてみた……
「あのお嬢様の目的は、何だ……?」
「さあ?
俺達は、お前を『その気にさせろ』としか
言われてないからなあ……」
「その気にさせろって……
この映像で、か……?」
「そうだが?」
男が不思議そうな顔でそう言ってるのを聞いて、
光治は、改めてモニターを見た……
『ぎしぎしぎし……あんあんあん……とっても大好き……!』
モニターの中の映像は、全面モザイクで
何が映っているのか、全くわからなかった……
「何でモザイクなんだよ!?
しかも局部がモザイクとかじゃなくて
画面全体にモザイクかかってるし!?
音声だけで、何やってるのか、全然わからんだろ!?
そもそも、この映像の中のお姉さんの顔すらわからんわ!?」
光治が抑えつけていた感情を爆発させ、そう言ったが、
サングラスの男は、笑うだけ。
「いや、お前のような中学生に
18禁のエロ動画見せるわけにはいかないだろ……ハハハ!
たとえ、お嬢様の命令だとしても、
俺は、法に触れるようなことはしない!
それが俺のポリシーだ!」
「じゃあ、見せるなよ!? こんなの!?」
「ちなみに、出演している女優さんは
人気のAV女優らしいから、美人だと思うぞ?」
「思うぞって……お前も見てないのかよ!?」
「ああ、見ないでモザイクだけかけて再生した」
しれっと、そう言う……!
「人に出す前に確認しろよ!?
誰が見るかよ、こんなもの!?」
そう言って、光治が
モニターのスイッチを押して、電源を切ろうとする……
だが……?
そうしようとした時、
誰かが光治の後ろから抱きついて来た……?
ふわっと香る、甘い匂い……
「そんなこと言わないで、見て下さいよ?
ねえ……お・ね・が・い……?」
後ろから、女のやさしく、ささやく声が聞こえ……
光治の背中に、柔らかな感触がした……
「メイドのお姉さん!?」
「ほぉら……ふぅ……」
「息吹きかけないで……!? ああん……!」
光治は、首筋に息を吹きかけられて
思わず声をあげてしまう……
(エロ映像よりこっちの方がよっぽど興奮する……!?
てか、おっぱいが……おっぱいが背中に当たる……!?)
「おい……」
舞い上がっている光治に、水を差すようにして
サングラスの男の低い声が静かに響いた……
「ちなみに、そのメイドは、
俺の恋人なんだが……!?
来月挙式予定だから、
変な気を起こすなよ……!?」
そう言って、男は懐から拳銃を取り出して、
光治に向けていた。
(さっき、法がどうとか言ってなかったか!?
銃刀法はいいのかよ!?)
光治が固唾をのんでから、『イエス! イエス!』と繰り返すと、
ようやく、男は銃をしまった……
「ふふふ、彼ったら、君みたいな坊やに
私がNTRれると思ったのかしら?
うふふ、かわいい……!」
「おい!? 由美!?」
「ふふふ、冗談ですって……
私が愛しているのは、貴方だけよ?」
そう言って、メイドは、
サングラスの男のところへ行き、
二人は、見つめ合う……
「おい、仕事中だぞ……?」
「いいじゃない? 映像だけじゃなく
本物を見せつけるのも興奮して来るかもよ?」
「本物って、お前……ん……」
二人は、激しくキスをし始めた……
光治は、しばらく、二人のことを
驚いて見ていたが……
やがて我に返ると、視線を逸らす……
(くそ……見せつけやがって……!?)
光治は、『俺だって魅夜がいれば……』と思うが……
すぐに、別の記憶が思い出されてしまう……
『君は、彼女の何を知っているの……?』
『結局、ヤらせてもらって、気持ち良くなってただけかい!?』
フレイアの言葉だ……
時の狭間の空間で、
光治が魅夜のことを、本当は何も知らないことが
わかってしまった時の……
「ああ! 糞っ!」
フレイアのことを思い出して、光治は、ムシャクシャして来た!
よりによって、あの糞ビッチ女神に、
魅夜との恋愛に関して、痛いところを突かれたのだ!
本当に悔しい……!
ノルンが泣きながら言っていたが、
彼女がフレイアに着せられたセーラーのせいで、
光治にレイプされかかったそうではないか……!?
そんな、性に関して無頓着なビッチな女神に……
そんな糞ビッチに……
痛いところ突かれて……
あんなクズよりも、恋愛に関して
光治は何もわかっていないとわかって……
(何なんだよ……俺って最低じゃないか……?)
そう思ったら、
光治は涙が出て来るようだった……
(魅夜に会いたい……今度、あいつに会ったら……)
そんなことを考えていると……?
「なあ、坊主……? 大丈夫か?」
サングラスの男が心配そうに
声をかけて来た……?
「わ、悪かったよ……
目の前でイチャつかれるのって、キツいよな?」
そう言って、サングラスの男は、
メイドのお姉さんと一緒に頭を下げて来た……
「いいよ、嫌なこと思い出しただけだから……」
光治はそう言って、
ベッドに横になった……
「そ、そうか? 悪いな……」
それから、サングラスの男は、
何かを思いついたようで、ぽんと手を叩いて言う。
「よお、お詫びっちゃあ何だが、
のど乾いてないか?」
「あ、そうだな……
言われてみれば……?」
光治がそう言うと、
サングラスの男は部屋の外に出ようとする……
「ジュース用意してやるよ……!
待ってな!」
そう言って出て行こうとするが
その時、光治は、何かに気付いた……?
「あ……ちょっと待て?
この流れだし、まさか?
ジュースに変なもの、入れないだろうなあ?」
光がそう言うと、
サングラスの男は『まさか?』という感じで
肩をすくめて見せる。
「人聞きの悪いこと言うなよ……?
70パーセント普通のジュースだ!」
おい……
「あとの30パーセントは、どこ行った!?」
「ん? 媚薬とか精力増強剤とか……
とにかく、お前がその気になるようなものを
入れてやるよ!」
「普通にジュースくれよ……!?
って、もしかしなくても、
それも、お嬢様のご意向か?」
「ま、そうだな……お前がその気になるよう
ありとあらゆる手で、興奮させておけ、
との仰せだ……」
あの女、ホント何を考えているんだ……?
ふと、毬愛の声が頭に浮かんで来た……?
『責任……とって下さいね? 光治様……』
毬愛が光治に抱きついて来た時に
彼女が耳元でささやいて来た台詞だ……
(くっそ!? ホント何なんだ、あのお嬢様は……!?)
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
一方、その頃、
魅夜は、自分の浅はかな行動を恥じていた……
毬愛の部屋で……
(ホント、何やってんだろ……私……)
魅夜は、床に組み伏せられ、
手を後ろ手に縛られていた……
毬愛が言った言葉『運命の方』……
それが我慢できず、毬愛に襲いかかったのだが、
すぐに取り押さえられてしまったのだ……
「魅夜様……
かなり聡明な方とお聞きしていたのですが……
そんな貴女が、無鉄砲にも、わたくしを襲うなんて……?
何だか、情報と印象が……?」
毬愛が不思議そうにそう尋ねるものだから、
魅夜は、何だか笑いがこみ上げてきた……
「あはは、私も、今の短絡的な行動が
自分がやったものとは、信じられなくて……
ハッキリ言って、バカのやることよね……!
昔の私が、今の私を見たら、きっと……」
魅夜が自嘲しながらそう言っていると、
その頬に、拳銃が突きつけられる……
「訊かれたこと以外喋るな……!」
メイドだ……
魅夜をここまで案内したメイドが銃を突きつけていた……
冷たい金属の感触に、魅夜は戦慄した……
もちろん、忍者として訓練を受けている彼女は、
感情を押し殺して、表情には出さないが……
そうしていると、毬愛が口を開く。
「もしかして、光治様のことで
お怒りになられたのですか……?」
毬愛が核心を突くようなことを訊いて来る……
(ホント……ヤな女……!)
魅夜が、答えられずにいると、
頬に当てられた拳銃が、強く押し当てられた……!?
『訊かれたことを話せ』ということだろう……
だから、魅夜は、ため息を吐いてから答える。
「わからない……
でも、コウくんのことを『運命の方』なんて言ってる毬愛を見て
何だか、我慢できなくなったの……
自分でも何でか、わからないけど……
感情が抑えられなくなって、気がついたら……」
ほんの一週間前までは、コウくんなんて、
どうとも思ってなかったのになあ……
などと、心の中で言葉を続ける……
毬愛は、その言葉を聞いて、
両手を軽く叩いて喜んだ……?
「まあ! それでは、魅夜様も
光治様のことを愛しているのですね!
すばらしいわ!」
だが、魅夜は、毬愛の言葉に
無性にイライラしてしまう……
「すばらしい……? はは!
ライバルが増えたというのに、随分と余裕なのね……?
あ、そっか……!
私のことなんて、ライバルとも思っていな……!」
「黙りなさい! 誰が発言を許可した!?」
拳銃が、ぐりぐりと頬に強く押し付けられた……!
魅夜が抗議の言葉を言おうとしたが……
「おやめなさい! 恵理子さん!
わたくしのお客様ですよ!?」
毬愛がメイドを制して言った……!?
「で、ですが……!?」
魅夜は、そのやりとりに、ただただ驚くだけだった……?
「どういうつもり……!?
毬愛は、コウくんのこと……す、好きなんでしょ?」
そして、魅夜は心の中で、こう思う……
(だってあの時、抱きついていたし……!)
だが、毬愛は、
そんなことを尋ねる魅夜に、優しく微笑んで、こう言う……
「あの……魅夜様には……
すぐには、信じていただけないかと思いますが……」
そして、魅夜を真っ直ぐに見つめてから、
こんなことを言い出す……
「わたくし、貴女の味方ですのよ……?」
「は?」
作者「思い出したんだけど、
作者の通ってた小学校、
レズビアンがいました」
せや姉「何や言い出したぞ!? 急に!?」
作者「いました、っていうか、同級生のクラスメイトで
レズの2人がいたようです」
せや姉「ホンマ、頭大丈夫か?」
作者「作者の学校さあ……
保健室の掃除があるんだけどさあ……
とある二人の女子が
保健室の掃除だけ当番代わってくれたりするんですよ」
せや姉「保健室……あ……(察し」
作者「掃除代わってくれるなんていい子達だなあ……
と思っていたら……
ある日、T君っていう眼鏡男子が
騒いでて……」
T「あいつら、レズだったんだよ!?(ババーン
昨日、保健室いったら、二人で寝てた!」
作者「寝てた? お昼寝でもしてたん?」
T「ちがうよ!?
ほら! あれだよ!? チョメチョメしてたんだよ!?」
作者「はあ? チョメチョメ? 何それ?
ハッキリ言ってくれないとわからないなあ……」
T「お、お前!? わかってて言ってるだろ!?」
作者「え!? 何でそんなに顔赤くなってんの!? 大丈夫!?」
作者「てなことがありまして……」
せや姉「うわあ……」
作者「ちなみに、その頃の作者ちゃんは純情で、
【レズ】が何を表す言葉なのか、本気で知りませんでした!w」
せや姉「うわあ……」
作者「あとで教えてもらったけどね……
ホモの女性版だって感じで。
ただ、棒もないのにどうやってセックスするのか、すごく不思議だった!w」
せや姉「そして、その作者ちゃんが、今はコレか……」
作者「うっさいわ!w」
作者「ちなみに、T君とそのレズ2人は、同じ私立の中学に入学したそうな……」
作者「な~んか、後日、T君はそのレズ2人に脅されていた感じがあったんだが、
何かあったんですかねぇ……?
しかも、3人とも同じ私立とか、偶然にしては出来過ぎで!w
まあ、興味はあるが、巻き込まれるのはご免だと思って、
深くは追求しなかったけど……」
せや姉「何や? レズに巻き込まれたんか?」
作者「どうなんだろ? 可能性は高いけど……」
作者「今思うと、あの時、T君が
私に、レズのこと教えてくれたのは、
助けてくれって合図だったのかなあ……などと思ったり」
せや姉「うわあ、結果として見捨ててしもたんか……」
作者「そして、それが、
作者が、生まれて初めて見た三角関係でした!w」
せや姉「それまた随分と特殊な例を……」




