15話: は?何このオバサン?
(大体、復讐なんて今時流行らないんだよなあ……)
魅夜は、心の中でそう呟いた……
現代の忍者というのは、半ば、
何でも屋みたいなことをやっている。
要人警護、企業の内部調査、浮気調査、
忍者の製薬技術をつかっての研究職などなど……
面白いのでは、ベビーシッターまがいの仕事もあった。
職業柄、楽な仕事ではないが、
忍者の仕事は、それなりに軌道に乗っているのだから、
そのままの路線でいけばいい……
魅夜は、常々そう思っていた。
【復讐】なんてリスクの高いことを
考えるのは、バカのやること。
しかも、どうしたら、資産家である【陣風家】を相手に
お家の復讐をしようなどと考えるのか……?
魅夜にはそれが理解できなかった……
(そんなもの、何の価値があるの? 非合理的だわ……)
光治のこととなると、思わずブリーフを被ってしまうほど
頭のおかしな行動をとってしまう魅夜であったが、
普段の彼女は冷静で、物事を合理的に考える傾向にあった。
「魅夜!? 聞いているの!?」
まるで心ここにあらずと言った様子で、
しんだ魚のような虚ろな目でいる魅夜を見て、
魅夜の母・吉江は、たまらず言った。
「聞いてますよぉ……」
まったく、聞いていなかった。
魅夜は、抑揚のない声でそう言ったが、
吉江は、その態度を見て、益々ヒートアップする……!
「魅夜、わかっているの!?
月影家にとって、陣風家の者達は……!?」
吉江の口から、月影家の歴史を
くどくどと語られそうになって、
魅夜は、心の中で溜め息を吐きながら、こう思う……
(もうしつこいなあ……わかっているって……!)
もちろん、間違っても口には出さない……
そんなこと言ったら、
火に油を注ぐようなことになるのは、明らかだ。
本当に復讐なんてうんざりする……
もっと平和的にいかないものだろうか……?
魅夜は、そう思う。
そもそも、魅夜が何かされたわけではないのだ。
あくまで、月影家の先祖が陣風に恨みをもっているだけ。
現代に生きる魅夜にとっては、陣風なんて
取るに足りない、どうでもいい存在……
そもそも、大企業のご令嬢なんて、接点すらない。
(いや、そうも言っていられなくなったかな……?)
魅夜の脳裏に、嫌な光景が浮かび上がる……
今朝の光治の、毬愛に向けた表情……
どう見ても、見惚れていたものだった……
グッ……!
それを思い出し、魅夜は思わず
拳を硬く握る……!
大丈夫だとは思うが、
念のために、何か工作を一つか二つ仕掛けて、
あの二人が出会うことがないようにしなければ……?
だが、そのためには、いつまでも終わらない
母の説教を何とかしなければいけないようだ……?
そこで、魅夜は、笑顔をつくと、
母親を安心させるために、こんなことを言う……
「大丈夫だって、お母さん?
私の計算だと、そのうち向こうから来るよ……?」
「は? どういうこと?」
「フフ、ちょっと細工をしてみたの……」
実を言うと、変態ブリーフ仮面として
光治を助けた時に、わざと、
魅夜の情報を現場に残しておいたのだ……
黒煙を出していた煙玉……
あれは忍者の使う普通の煙玉を魅夜が改造したものだが、
あれには、陣風の者が調べれば、
製造者が魅夜であることがわかるよう
それとなく暗号化した情報を残しておいたのだ……
何故、そんなことをわざわざやったのか?
それは、光治から陣風の目を逸らすためだ……
わざと情報を残すことで、注意を魅夜に向け、
陣風が光治に近づくのを阻止しようと考えたのだ……
(コウくんは、渡さない……!)
毬愛が光治のことをどう思っているかはわからないが、
あんなのが恋のライバルになったら、
巨大な壁となるのは、ほぼ間違いないだろう……
(胸も壁のくせに……! 何よ、ちょっと顔がいいぐらいで!)
光治が毬愛に見とれているところを思い出し、
衝動的に、毬愛の悪口が思い浮かんだ……
魅夜は、そんなことを考えている自分に気付いて、
『私ってこんなに性格悪かったっけ?』などと少し驚いた。
(そういえば、コウくん、今頃何をしているかなあ……?)
そう思い、スマホを取り出し、例のアプリを起動……
「ちょっと、魅夜!?
スマホで遊び始めて……!
お母さん、まだ話があるんだけど!?」
吉江は、叱りつけるが……
魅夜は、虚ろな目をして、スマホを見ていた……?
「み、魅夜……?」
バッ!
魅夜は、突然、靴を履きだした!?
「お母さん!?
私、ちょっと用事ができた!?」
そう言って、魅夜は走り出す……!
「え? み、魅夜!?」
吉江は慌てて止めようとするが、
魅夜は、あっという間に、家を飛び出した!?
……
(何でだあ!? 何で、コウくんのところに女が……!?)
魅夜は、物凄い勢いで自転車をこぐ……!
目指すは、光治の自宅……!
(しかも誰、あの女!? 私の知らない女だった!)
しかし、自転車で家を出てすぐのところで、
誰かが急に、魅夜の前に現れた……?
まるで魅夜の行く手を遮るような形で……?
セーラー服を来た人物が突然……!?
「危ないでしょう!?」
魅夜が腹立たしく叫ぶと、
趣味の悪いピンク色の髪をしたその人物は、
余裕たっぷりの笑顔を、魅夜に向けて
こう言うのだ……?
「こんにちは~! 貴女の恋のキューピット!
美少女JKのフレイアちゃんで~っす! きゃぴ!」
「は?」
なに、このオバサン?
キショいんですけど……?
作者「頭痛い……」
せや姉「せやね」
作者「夏バテだあ……」
作者「今日なんて、本当は、
もうちょっと早く投稿するつもりだったんだけど
考えがまとまらなかった……」
せや姉「せやね」
作者「それにしてもあれだね……
昨日8月26日が満月だったみたいだけど、
どうも私は、満月周辺に体調くずことが多いね……」
作者「今年の1月とか2月とかも満月周辺で頭痛してたし……」
作者「ちょべりば~……」
せや姉「おい、その取って付けたようなコギャル言葉やめや」
作者「だって作者、17歳の美少女JKやし~! ちょべりぶ~!」
せや姉「やかましい」
作者「そういや、作者、小学~中学までは、
病弱でさあ……ゴホゴホ」
せや姉「は?」
作者「な~んか、頭がガンガン痛くなって学校とかいけなくなるの……」
せや姉「は?」
作者「で、」
作者「最初のうちは、いいのよ……
本当に頭痛いから……
でもさあ、3日目ぐらいになると、
頭痛くても、周りが仮病なんじゃないかと疑い初めてさあ……
どんだけ頭痛がヒドイことをアッピルしても通じなくなる!w
ホントあれはキツかったなあ……」
せや姉「せやね」
作者「で、そうすると、
人間の身体って不思議なもので、
体温が上がって来るのね!w
まるで風邪ひいたみたいに!」
せや姉「へえ……(そんなことよりおウドン食べたい」
作者「で、今度は風邪として欠席するんだけど……
そのうち、学校に顔出すのも億劫になって
ヒキコモリになっちゃうんだよねぇ……!」
せや姉「おい」




