9話: 人の命がかかってんだよ!?
さて、ここで、
どうしてこうなったのか説明するために
時を遡ろう……
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
それは、少女と、謎(?)の変態が邂逅する
一週間前のこと……
……
その日、光治は、
学校の教室で授業を受けていた……
(あれ……? 何だ、ここ……?)
その時、光治は、
時間遡行をした直後だったのだが、
いつもと違う雰囲気に違和感を覚えていた……
時の女神ノルンの【時間遡行】は、
肉体そのものを過去に送るものではなく、
その魂を過去へと飛ばす、
いわゆる、【時間転移】ではなく、
【時間跳躍】であった。
今までは、魅夜との関係を変えるべく、
毎回、彼女との出会いがあった、高校2年の春に
時間が戻されていた……
時間遡行した後の再出発のタイミングは、まちまちで、
光治の自室から始まる時もあれば、
学校で授業を受けている時もあった……
光治は、そんな、毎回、再出発のタイミングが違うのを
ノルンは、時の女神を名乗っているくせに、
時間にいい加減なものだ……
そんな風に考えていたわけだが……
だが、今回の時間遡行では、
教室の風景が、明らかにいつもと違っていた……?
(てか、誰だ、こいつら……?)
そうなのだ……?
教室で、一緒に授業を受けている同級生が
知らない面子なのだ……?
いや、厳密に言うと知らない面子というか……
どこかで見たことはあるが……?
それに、着ている制服も……?
どこかで見たことあるようだが
高校の指定の制服ではなくて……?
と、そこまで、教室の様子を眺めていて
光治はやっと気付いた……!
「あ!? ここ、中学校じゃん!?」
光治は、突然、席から立ち上がると、
大声でそう言った!
「こら!? 日吉君!?
授業中ですよ!?」
すぐに、数学の女教師に叱られた……?
「す、すみません……」
光治が、そう謝罪すると、
教室が笑いに包まれる……
(くそ……あの糞女神めぇ……
お陰で恥かいたじゃないか……)
光治は、心の中で舌打ちをした……
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
さて、それから……
光治は、校内を駆け回って情報収集をし、
現在が、光治の中学2年頃の4月……
まだ学校が始まって間もなくということを掴んだ……
あの時の中学にはあった、階段の踊り場付近にある
男子しか知らない、女子のパンツ見放題のパンチラスポットも
健在だったので間違いない!
階段の手すりに顔を擦りつける様にして、見上げると、
そこに天国が見えるのだ……!
(しっかし、中学生からやり直しさせるとか……?
何考えているんだ……? あの女神?
お陰でまた、このスポットを活用できるけどさあ……!)
そんなことを考えながら、パンチラスポットへ赴き、
女子のパンツを覗きつつ、考えをまとめようとしたが、
どうも、さっきから女子の姿が全く見えない……?
(どういうことだ……?
俺の記憶では、ここは入れ食い状態だったのに!?
まさか、ここはよく似た異世界なのか?)
そう思っていたら、他の男子から注意された。
「おま……!? 光治!?
そのスポットの存在、先週バレて
先生に怒られたばっかだろ!?
何やってんだよ!? お前は!?」
光治は、急いでその場から逃げ出した。
……
ちなみに、本当に
時間遡行と見せかけて、
別の世界に飛ばされた可能性も考えて、
他の事柄についても調べてみたが……
流行歌も、ドラマも、ネット動画も、
光治の中2頃に流行っていたものであったので、
ここは間違いなく、中学2年の頃だと照明された!
しかし、どうして中学2年の4月なのか……
それは一向にわからなかった……?
そもそも、中学生の頃は、
肝心の魅夜とは、学校が違うため、
彼女との関係性を変えるどころか、会うことすらできない……
こんな時期に時間遡行しても、何の意味もないのだ……
(というか、記憶が……?
どうもおかしいぞ……?)
いつもなら、もっと鮮明に
時間遡行をされる前の、ノルンとのやり取りを
覚えているのだが……?
今回は、どうも、女神との会話の記憶が
はっきりとしない……?
何で、中学生の頃まで時間遡行させられたのか、
理由を聞かされたような気がするが
どうにも覚えていないのだ……?
いや、流石に、
『魅夜とヤったら世界が崩壊する』
という重大な事は覚えていたが……
その他のやり取りについては、
何だか、頭にモヤがかかったように思い出せなかった……
(くっそぉぉ!? 思い出せん!?)
記憶がこんなに曖昧になるなんて……?
こんなこと、時間遡行して初めてだった……
(いや、待て……? 待てよ……?)
そこで、ふと……?
光治は、ノルンの話を思い出し始める……
『ええか? お前の…………は、
スカイスピア24というビルの屋上から飛び降……!
かなり頭のいい子やで……? ドアに鍵かけて……
……で、……やから! んで……でな?
やから、あんたは9時前までに、予め、屋上に行き……』
断片的にしか思い出せないため、所々が曖昧だが……?
どうやら、光治は、
スカイスピア24というビルに行き、
誰かを助けなければいけないらしい……?
(誰を……?
いや……あ!? そうだ!?)
そこで光治は、ようやく思い出す……!
「運命の彼女!?
そいつが屋上から飛び降り自殺するから……!
助けて、関係を持てって!?」
そうだ……そうだったのだ……!?
女神達は、光治と、その彼女がくっつけば、
魅夜とセックスして世界が崩壊する未来はもう訪れないと
勧めて来たのだった!?
そのことを思い出して、光治は、
ふつふつと怒りが込み上げて来た……!
「くっそぉ……!?
ふざけやがって……!? 糞女神ども……!?
何で俺が、そんなやつを助けなきゃいけないんだ!?
そんなやつ勝手に……!?」
「おほん!」
ふいに、誰かの咳払いが聞こえた……?
ふと、その声の主を見ると……?
「おい、日吉?
あたしの授業中に
大声出して、わけわからんこと言うとか
いい度胸してんなぁ……? ああん!?」
「あ……」
光治は、今日二度目の、
授業中に大声を出すという失敗をしたのだった……
しかも、今回の相手は、
校内で一番怖い、元スケ番(という噂の)教師……
正直、性質が悪い……
「よし、日吉? お前!
放課後、校舎裏に……
じゃなかった、職員室に来い……!
こってり説教してやるわ!?
いいな!? 逃げんなよ……!」
さあ……と、血の気が引いていった……
そして、周りの同級生達は、
関わらないようにしようとばかりに
急に余所余所しく、光治から視線を逸らす……
(あ、これ……しんだかもしれない……)
光治はすごすごと、席についた……
(って! なぁにが『逃げんなよ』だ……?
むしろ、俺は戦っとるわ! 運命と!?)
光治は、そんなことを考えながら、
自分が、何度も何度も、魅夜と行為を繰り返し、
その度毎に、世界を崩壊させ、
時間を逆行している運命を呪った……!
(それで、今度は、自殺女を救えだと言われてさあ……?
腹立つなあ……!
俺は魅夜と添い遂げればそれでいいのに、
何で、他の女助けなきゃいけないんだよ……!?
しかも、勝手に自殺するようなやつ……?)
そんなの、そいつの勝手にさせておけばいい……!
などと考えて、途中で
あまりに酷い自分の言葉に、はっとし、反省する……
何だか、不謹慎というか、居た堪れなくなったのだ……
それに……?
何か、心に引っかかるものがあった……
『いいな!? 逃げんなよ!?』
ふいに、さっきの先生の言葉が
光治の中で再生されて……
そこで、ふと思いついた……
(えーと……何だっけ?
その女の名前……? たしか……?)
陣風 毬愛……
それが、光治の運命の彼女の名前だ……
(ちょっと、そいつに文句言いたくなって来た……!)
光治は、心の中でそう呟くと、
ノートに、陣風毬愛を救出するための作戦を書き始めた……!
女神から伝えられた、断片的な毬愛の情報を
思い出しながら……
救出のために必要なもののリストを考えながら……
「まずは……女物のパンツを用意して……」
「おい!? こら!? いい加減にしろ!
授業中に何やってんだ!? 何だ、パンツって!?」
「うるさいなあ!?
女物のパンツに、人の命がかかってんだよ!?
黙っててくれないか!?」
「ちょ……!? 何言ってんの、こいつ……!?」
作者「説明回、終わったと思ったら、説明回……」
作者「つくづく構成力ないなあ……才能ないなあ……
と思ってしまう……鬱だ……」
作者「夏風邪による頭痛で、気分がネガティブになっているから
余計、自暴自棄になってしまう……」
せや姉「せやね」
作者「もうダメだあああ!? 世界のお終いだああああ!?」
せや姉「何でそこで、MMRのキバヤシみたいになるん?」
作者「MMRと言えば、核磁気共鳴の略で……」
せや姉「あ、そゆ難しい話は結構なんで」
作者「ギャグの滑りもイマイチだしよお! ホントどうしよ?」
作者「最近、街を歩いていると、
何だか知らないけど、妙に人と視線が合います」
せや姉「しらんがな」
作者「作者も知らんがな……」
作者「でね?
そうやって視線が合った時に、
真面目な顔っていうか、普通の顔している時はいいんだけど……」
せや姉「ん?」
作者「作者はよく、歩きながら空想する人なのね?
思い出し笑いとかよくする方で……」
せや姉「あ……落ち見えたわ……」
作者「な~んか、笑っている時とかに限って
人と視線が合って、
二度見とかされるんですけどぉ!?
あと、くっそエロいこと考えている時に限って!?
二度見とかされたら、こっちが赤面するだろぉ!?
やめろよ!? 何か心の中覗かれているみたいで
恥ずかしいだろが!?
何とかして欲しいんですけどぉ!?」
せや姉「しらんがな」
作者「てか、何で皆、私のこと見るの?
視線を合わせるの?
そんな珍しい顔でもないのに?」
せや姉「それこそ知らんがな……」
作者「昔さあ……『聖なる預言』っていう
自己啓発っぽい内容の冒険小説があったんだけどね?」
作者「その小説の中に、
『知らない人と視線が合った時、
その人は、自分と同じ問題に直面している人である可能性が高い!
もしくは、魂の根底で相性のいい人の可能性が!
とにかく、そういう人を見かけたら、
恥ずかしがらず声をかけてみましょう!
魂のステージが一つ上がる可能性があります!』
……とかいう一文があったんだけど、」
せや姉「【魂のステージ】とかいうパワーワードから感じられる
自己啓発ぽさがヤバない?」
作者「知らない人と目が合っても
絶対話しかけられないわ……!w」
せや姉「むしろ、不審者やろ……?
目を合わせると、急に笑い出すだけでもヤバいのに、
そいつが話しかけて来るとか、恐怖しか感じんやろ!?」
作者「ホント、それな……」




