プロローグ
ハァ……ハァ……
女の荒い息遣いを聞きながら……
少年は、どこか虚空を眺めながら考えていた……
(ああ、もうじき、この世界も終わりだな……)
諦観の念とでも言うのだろうか……?
少年は、負けが確定しているゲームをやっている気分だった……
いや?
ゲームをやっている……というよりは、
やらされているといった方が正しいか……?
少年は、そもそも、何故こんなゲームを始めたのかすら
わからないのだから……
現状……
もう、詰みに詰んで、ゲームオーバーからは逃れられない状態……
何かアクションを起こしてみても、無駄なことだ……
もうここまで来たら終わりが確定してしまっているから……
そんなことを思いながら、
少年は、視線を上げ、少女の顔を覗き込む……
(ああ……やっぱり、こいつは世界一の女だ……!)
少年は、少女を愛おしく思う……
たとえ、世界がどうなろうとも、
一途に愛せる自信がある……
そして、その気持ちが伝わったのか……?
少女が、ニッコリと微笑んだ……
その笑顔を見て……
少年は、幸福感を感じると共に……
とても残念な気持ちになる……
(俺とこいつは……いつになったら……
本当の意味で、ひとつになれるんだろう……?)
そんなことを考えながら……
少年は……
大好きな彼女に……
レイプされていた……