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城を創ります

あれから一週間が経過した。

金はいらないほど集めたので、奴隷を買ってダンジョン作りをしたい。

しかし、まずは会談である。

どんな魔王が来るか分からないので細心の注意をしなければいけない。



この一週間でスキルは3つほど増えた。


転移魔法 と 死霊魔術 と 全言語翻訳 である。


両方ともレベルはMAXの10にしてある。


能力獲得POINT 60/200 (1つの能力獲得 20POINT)

能力LV.POINT 775/1000


転移魔法LV10 

死霊魔術LV10

全言語翻訳LV100


これからは、自身で能力を身につけてPOINTでレベルMAXにする予定である。




「さて、目的地まで行くか。」

「グゥ(行こう!)」

「【転移魔法】魔天城」

俺とクロは転移魔法で魔天城前まで転移した。

転移魔法は実際に行った事がある場所でなければ発動しないのだが、知識的に位置が分かれば発動するのである。


「魔王様ですか?」

「あぁ。」

門番は俺について確認し、道を通してくれた。


「既に全員揃っております。案内するのでどうぞこちらへ」

「頼む。」

もう一人の門番に連れられ城へと入る。

魔天と言うだけあって、天まで高く聳え建つ建物。

作った奴スゲーわ。

いや、もしかしたら魔力でパパッと作ったのかもしれないからそうでもないかもしれない。



「ここです。私はここから先にはいけませんので。」

「わかった、ありがとう。クロはどうする?」

「グゥ!(行くに決まってるじゃん!)」


ギィィィィ


「こんにちは、魔王諸君」

扉を開けると、一つの席を残して全員が席についていた。

俺を含めた魔王の数は合計で7。

睨んでくる奴とか居るけど、まぁいいか。


「お前、本当に魔王か?」

「いや、この魔力で魔王は違うんじゃない?」

「何番だよ」

黙ってる魔王たちの中で筋肉馬鹿な魔王と、吸血姫の魔王、ヤンキー魔王が聞いてきたので自身の状態を思い出す。


「すまない。改変解除」

改変していた肉体を元に戻すと、周囲の魔王全員がビクリと身体を動かした。

かなりビビってらっしゃる。


「規格外か。よし、まずは集めた理由を説明させてくれ。」

そのリーダー的な魔王の言葉に俺を含めた全員が無言で頷く。


「勇者や英雄が動き出す。 この中の数人は死ぬだろう。 だから、その対策を練ろうと思うのだが」

「なぁ、お前ら馬鹿なのか知らねぇけどさ。相手が力合わせるなら魔王も全員力合わせれば勝てるだろ。」

俺の言葉に目が点になる魔王達。

そんな事考えたことも無かったって顔してるぞ。


「城はどうするんだい?」

「お前ら魔王だろ? 普通に運べよ。魔族全員集めれば運べるだろ。」

その言葉にまたしても全員の目が点になるの。


「何故、そのような事を考えるんだ?」

「今まで俺達が勝った事ないんだろ? なら当然のことだ。 魔王が全員同じ場所に居て、全戦力がそこに集結してたら流石に勇者達でも俺達には勝てねぇって。ってことで、この無駄な会議終了な。俺も城作りしなきゃだし。とにかく、俺の意見に賛成なら俺の作る城の付近に移動してきてほしいから、連絡くれ。」

俺は、その場から転移魔法で消えた。






♦ロイド・ベルゼイル 視点



化物のような魔王が消えて数分後、各自彼の言葉について思案した。

殆どの魔王が賛成らしい。

いや、今全員になった。


「彼は魔王の中の魔王で間違いない。」

「そうですね。」

「そりゃそうだろ」

「あの角の見たか? アレは逆らっちゃいけねぇ」

「賛成っす。」

「怖かったぁ」

魔王達全員は例の意見よりも心配な事がある。

それは、俺もである。


「どうやって城を、いや、正しく言うと、どうやって城を町ごと運ぶか、だな。」

彼は簡単に言っていたが、あれ程の力あってこそだ。

城だけなら我等でも運べるだろうが、街までとなると無理だ。

私の魔族の街だと、広さは約50㎢だが、岩人族だと100㎢を超えるものになる。


「ひとまず、彼なら頼めば運んでくれると考えよう。そして、国に戻って投票をし、来週もう一度ここで結論を出そう。 来週は、彼は呼ばないことにする。この会議の決断を来週するつもりで来てくれ。」

その言葉に頷いた皆は各自魔法で去っていく。

名前も聞いていないが、あの魔王こそ、我等魔王の100%の死を覆してくれる存在になるかもしれない。


「さて、投票の準備しなきゃな。」 

俺の忙しい日々が始まる。




※魔族は魔力の高く角のある種族のことなので、人族で角があれば魔族である。



♦ キラト視点






「さて、まずは奴隷買おう。」

「グゥ?(僕の餌?)」

「いやいや、クロにはちゃんとした食事作ってあげるから人は食べちゃダメだよ。」

「グゥ!(やった!)」

転移して戻ってきた俺は、すぐ似改変で姿を変えて奴隷市場へと向かった。

なんか、偶然にもこの王国【レイドランド】では奴隷が売っていた。

世界中の犯罪をおかした人達はここに運ばれ値段を付けられて売られるそうだ。

俺の想像していた、各街に一個奴隷市がある訳ではなかった。


「クロ眠くないか?」

「くぅー」

俺が抱いているクロを見ると既に寝ていた。

やはり昼はかなり眠いらしいな。



「こんにちはー」

「これはこれは、旦那様。どんな奴隷をおもとめで?」

奴隷市に着いたはいいけど数が少ない。


「こんなに少ない訳ないだろ? 全部出してくれよ」

「すいませんがそれは無理です。全部見たいのであれば、これをどうぞ。」

そう言って渡されたのは奴隷祭スラブフェスという一枚のカードだった。


「これは本物ですので、これで今夜あの場所へ行ってください。」

「わかった。」 

奴隷商の男が指さした場所には大きなドーム状の建物があった。

あそこで全ての奴隷が売られるらしい。


「じゃあ、金貨100枚でここの奴隷全部売ってくれ。」

「100枚!? 10枚ほど多いですが?」

「奴隷商なら気にせずとっとけ。」

「いやー、奴隷を人として扱い、公正な取引がこの国の規則ですからねー。」

そう言って、金貨10枚返してきた。

奴隷商人ってイメージ悪かったけどいい奴等なのな。


「では、 また夜に」

「あぁ。」

貴族相手に接待しているからなのか、とても綺麗なお辞儀である。

今回勝った奴隷は計50人。

正確には人族20人、獣人族5人、エルフ10人、魔族15人だ。


「さて、お前ら付いて来い。」

奴隷は命令に従って俺の後ろをついてくる。

取り敢えず、門を出て森に入ったところで止まった。


「俺に掴まれ。早く。」

俺の言葉に戸惑う奴隷達に命令して捕まってもらう。

俺に触れてなくても繋がっていれば転移可能である。


「死にたくなければ手を話すなよ。 【転移魔法】大草原」

全知に頼んでこの世界の地形を調べてもらい、暮らしやすい環境で尚且つ強い魔物が多く、勇者とかの居る街から遠い場所を探してもらった。


「よし、着いたな。」

「ここは、何処ですか?」

奴隷たちのまとめ役的な人族の女性が聞いてきたので大草原だと伝えると全員尻餅をついてしまった。


「大草原って、まさか、魔域、ですか?」

「魔域?」

〈マスター、彼女の言う魔域であっています。ここは、〉

「はいはい、もういいから。君ここは魔域だ。」

伝えるだけ伝えてダンジョン(まぁ城なんだが)を作る。


「魔力で作れるってどうやるんだ?」

『テステス、それは私が教えるよー。すぐに作ると思ったら全然作らないからあせったよー』

また閻魔の娘か。


「早く説明してくれ。」

『はいはーい。えっとね、魔力を大地に流して作りたい形を創造すれば出来上がりだよー! じゃ、ちゃんと伝えたからばいびー』

「あっ、おい!」

すでに切れている通信。 

クソ女め。


「全知、大地魔法との違いは何?」

〈特に大差は無いですが、大地魔法はそのまま大地に魔力で干渉して土を動かしますが、彫刻など細かいことはできません。例えると、大雑把に槍など形成できますが、職人の作った槍には絶対に劣ります。それに対して今のダンジョン制作は、マスターの創造した通りのものが創れます。どれだけ細かくても、どれだけ複雑でも、絶対に創れ、尚且つ強度もマスターの込めた魔力に依存します。〉

「それって、大差ありまくりなんですけど?」

〈説明してみたら結構大差ありましたね〉

「・・・・・・・取り敢えずやってみるか。」

取り敢えず、創ります。


「眷属召喚、ゴブリン×10。あの子達を守れ」

奴隷達が魔物に襲われていたので守りはゴブリンに任せた。

俺は早く城を創らねばならない。



「さて、城壁は普通の城壁ではなく龍がとぐろを巻いた感じにして。城は、まぁ、城っぽければいいか。後は住みやすそうな感じで家立ててっと。転移魔法でパチってきた家具を全ての家に置いて完成だな。」

家具が居るなぁと思った時に高級なベットが沢山ある店を見つけたので全てパチって来ました。

あの店が潰れようが知りません。

だって、俺は魔王ですから。


「よし、入るぞ。」

奴隷達を連れて転移して王城へと向う。

全体の面積が約200㎢あり、城だけで100㎢あるので移動は転移じゃないと無理。

なので、街の至る場所に転移陣をしかけてある。

既にゴブリン達は面倒と言って帰って行った。


「よし、並べ。」

城の中に入ると想像した通りの広い部屋がいくつもある。

その中で奴隷の使用する一番広い部屋も作ったので、今はそこに居る。

その広さ、5㎢。

これから買ってくる奴隷全てをここで暮らしてもらうつもりだ。

言っておくが、これで女声部屋であって同じ広さの男性部屋がもう一つある。


「奴隷契約破棄」

俺の言葉と同時に奴隷の首輪が外れた。


「よし、お前らにはこれからこの部屋で暮らしてもらう。何で全員女かは知らんが、これからよろしく頼む。」

「あ、あのっ! な、何をさせる気なんですか?」

そう言えば、俺の正体を言っていなかったな。


「改変解除。」

「ま、魔王!?」

「そういうことだ。まぁ、魔王だからってお前らを傷付けたりはしない。普通に部下として従ってくれれば何もしない。まぁ、この城はダンジョンだから、逃げようとしても無駄だけどな。名を付けるなら、城は幻想城ファントム、街は迷宮街ロストだな。」

「いえ、私は貴方に仕えます。奴隷として生きても将来がないのは確かなので。それに、貴方に勝てる人が居るとは思えませんし。」 

その言葉に全員が頷いていた。

これで反乱とかはないか。


「まぁ、惑わされたり迷わされる場合、この国に害となるモノと判断されたということだ。俺は助けないから気を付けろよ。それと、この部屋が馬鹿みたいに広いが、今夜更に奴隷を連れてくる。部屋をよごしたり、寝場所を決める争いとか起こすなよ。俺は用があるから行く。」

二段ベッドと机がしっかり人数分配置されているので、喧嘩はないと思うが注意だけはしておく。


「眷属召喚、ゴブリン×10。お前達は飯とか作れるからこの子達のご飯とか作ってやってくれ。場所は分かるだろ? 面倒とか言ったら消すぞ」

「ら、らじゃーです!」

「任せてください!」

「うむ!」

面倒と言おうとしたゴブリン達を今回は黙らせる。

ゴブリン達は俺と記憶の共有をしているので分かるのだ。

もちろん、俺はゴブリンがだらけているのも知っている。

これを理解しているのはおれだけで、ゴブリン達は何で主の記憶あるんだ?程度にしか考えていない。


「クロの事も頼むぞ。では、行ってくる。」

「行ってらっしゃい!」

「完璧に任務を遂行します!」

「うむ!」

俺はその場から転移して城の外へ出た。


「よし、害あるモノにだけがかかるトラップを残り全魔力で隙間なく仕掛けてっと。行くか。【転移魔法】レイドランド」

俺は城から消えた。





♦ トラナ・ルーンの人生



私、トラナ・ルーンは12歳の時に家族に売られました。

元は貴族の伯爵家の生まれだが才能なしと言われ売られたのです。

それから数年後、奴隷として一番周り能力が発言しました。 

私は他よりも発現が遅かっただけなのです。


発現した能力は【全視オールビュー】。

全てを視る事が出来るようになった私だが、それがバレればすぐに売れてしまう。

私は貴族みたいな豚共に買われるのだけは嫌だ。


それから更に数年が経過して20歳になりました。

私は奴隷達の中でリーダーみたいな存在になっていますが、女としての価値はあと数年ですね。

このまま檻の中に居ても何も嬉しいことはない。

デブでクソな貴族に泣きながら連れて行かれる少女を助けることすら出来ないのだから。


そんな時、が来た。

彼を視ても何も視えない、全てが謎な彼。

その彼は、ここに居る奴隷全員を買うと言います。

どれだけ金持ちなのかと思ったら、普通の魔族ではないですか。

何処かの貴族に買われるくらいならマシだと思いますが、本当にお金を払えるのでしょうか。



しかし、それはマシとかそういうレベルではありませんでした。

なぜなら、彼は魔王だったのです。

それも、子供の頃本で読んだ魔王とは桁違いの魔王だと思います。

魔王に、いえ怪物に相応しい角と身体を持っているのですから。



その後転移魔法で移動して彼は住処を与えてくれました。

守護してくれる人を付けてくれました。

とても良い人、良い魔王様だったのです。

しかし、お礼を言う前に魔王様は私達に注意を促しました。

その後、直ぐに転移して消えてしまいます。


「取り敢えず、貴方達。付いて来なさい。」

「お腹減ってるだろうしご飯食べよう。私はお腹減ってるから絶対食べるよ。」

「うむ。」

「分かりました。皆、行くよ!」

「「はぁい!」」

一番上が私で次は15歳になってしまう。

皆幼いので私の後ろをチョコチョコ付いて来ます。

私がこの子たちを守らなくてはいけない。

そんな事を考えている内に私の精神状態はとても危うい状態になります。





「食べていいわよ!」

「トッタ料理の腕上がったね!」

「うむ!」

「お、美味しい」

「「こんな美味しいの食べたことないよ!」」

私達が床で食べようとしたら怒られ、皆で席についてご飯を食べる。

こんな風に食べるのはいつぶりですかね?

それに、貴族の食べる御飯よりも美味しくて、とても幸せな気持ちになる。

幸せな気持ちになるのは、こうして皆で仲良く食べてるからかな?


「ありがどう、ありがどうございまず」

「美味しいよぉ」

「ぐすっ、美味しいぃ」

皆食べながら涙を流している。

私も精神的に辛い状態などが続いていたので盛大に泣いてしまいました。

無くなった皿におかわりをよそってくれる女性たち。

皆ゴブリンらしいですが、どう見ても人です。

とても優しい方達です。


こんなに幸せでは、いつか罰が当たるのではと思います。

私の皆を守るという思いも無くなりました。

なぜなら、ゴブリンのお姉さん達はとても強いのです。

泣いているとき、ゴブリンのお姉さんが「今まで苦しんだ分の幸せだから大丈夫」と言ってくれたのが気を緩めれたきっかけだと思います。


魔王様が戻ってきたら絶対にお礼を言わないといけませんね。

私は魔王様に全てを捧げることをこの日決めました。


私達は昼食の後、泣き疲れて眠ってしまうのでした。


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