運命の子は歩き出す
「お父さんは?」
「分からねぇ」
魔王のおじさんを助けてから、とても強い力がぶつかっていた。
そして、この立ってる場所が落ちていく。
地上に戻ってからお父さんの魔力?は感じてたのになくなってしまった。
「ねぇ、アックスのおじさん? お父さん、は?」
私は涙が出ます。
アックスおじさんは、何も言わずに呆然としています。
「お父さんっ! お父さんっ!」
迷子で一人だった私を助けてくれたお父さんの魔力が消えた場所へ走るけど、全然前に進まない。
「アックスおじさん! 向こうに走って! 連れてってよ!」
「わ、わかった!」
アックスおじさんは私を抱えて走ってくれます。
でも、どんどん走る速度が遅くなっていきます。
「おじさん?」
「なぁ、ぐすっ、止めとこう。」
「なんでっ! お父さんは向こうにいるよ!」
「メイ・・・・」
おじさんは立ち止まってそんな事を言うけど、お父さんと私は約束した。
私を育ててくれるってお父さんは言ったのにっ。
「じゃあ、メイだけでいくよ!」
「メイちゃん!」
おじさんは私を追ってこようとしたけど、直ぐに立ち止まった。
まるでそこに壁があるかのように。
「お父さんっ、お父さんっ!」
森を抜けた先には一つの像があった。
それは、何処かお父さんに似て、いや、お父さんだった。
「う、嘘、嘘だよっ! ねぇ? お父さん? お父さんは死ぬはずないっ!」
どれだけ叩いてもびくともしない石像。
それがお父さんなのは間違いない。
「キラトっ!」
「キラトさん!」
私が泣き付いていると、魔王のアサルトさんと、ロイドさんが走ってきた。
二人は見たことのない人にここまで転移してもらったみたいです。
「さて、話をしなければならない。」
男の人はそんなことを言って私と魔王さん達を見つめます。
何を話すというのでしょうか。
「まずは魔王の二人。一緒に酒を飲めなくてすまない、だそうだ。」
「ゆ、遺言?」
「なんですか、それ。そんなの・・・」
魔王の二人は納得できず、石像をパンチしますが、やはりビクともしません。
「そして、君、娘だね?」
「は、はい。」
私に娘かどうか聞いたその人は、私に言った。
「その石像の男からの遺言だ。」
私の目を見て、真剣な顔つきになった男の人は、お父さんの遺言を告げた。
「メイは運命の子だ。後はメイに任せる。他のみんなもメイを助けてやってくれ。世界を頼むぞ。以上だ。」
「何で、貴方は、そんなことを」
私が足にしがみついて聞くと、男はこちらを見ずに何があったのか話してくれた。
「その男は、勝てる戦いで調子に乗っていた。この惑星が壊れるところだったのだ。破壊しかけたのはそいつじゃないが、そいつが早急に殺さなかった事で破壊に繋がったのは間違いない。その罪を償わせただけだ。」
「そんなっ! こんなに大きい星が壊せるわけ無い!」
思ったことをそのまま言ったが、男の人は私に向けて本気で殺気を叩きつけてきた。
「子供が調子に乗るなよ? あと少しで力の釣り合いが保てなくなり、この星は黒穴に変わって俺まで死ぬとこだったんだぞ? ふざけた事言う暇があるなら勉強でもしてろ」
男の人は怒りながら荒っぽく言い放って消えてしまった。
「お父さん・・・・・」
アサルトさんとロイドさんは、何も言わずに木にもたれかかって空を見ている。
こちらの被害は0。
唯一、お父さんの軍が全軍消えただけ。
改変で変わったみんなも戻してないのに死んでしまうなんて。
「ご主人様!? 嘘ですよね!? まだ撫で撫でされてませんよ!? ねぇ!」
遅れてきたクロもお父さんに魔法をぶつけたりしますが、ビクともしません。
「メイちゃん。君が嫌なら「やります」」
ロイドさんは私を心配して先ほどの事について聞いてきますが、お父さんの遺言ですから。
「私、お父さんに認めてもらうためにがんばります!」
「そうか。」
「ロイド、落ち込んでないで頑張るわよっ!」
アサルトさんは目に涙をためてロイドさんの背中を叩きます。
ロイドさんは、実は泣き虫さんだったみたいですし。
「止まってても何も始まりませんからね!」
「そうだね。がんばろうか!」
「そうよそうよ! あんな奴、いなくたって何とかなるわよ!」
私達三人は涙を流しながら、反対のことばかりその場で叫びます。
この先、この思いは消えないでしょう。
それでも、進まなくては行けませんから。
「見ててくださいね、お父さん。」
私は、拾われてから何もしないで頼って生きて来ましたが、ここからは自分で歩いていきます。
この世界が魔法なんて無くても平和に過ごせるように。
最後の方ササッと終わっちゃいました。
なんか、長く考え付かなかったです(-_-;)
申し訳ないですm(_ _)m
では、また(*^^*)
ブックマ、評価、メッセージありがとうございました。
続き、書く予定。