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神々の戦い ロイドVS女神 勝たなければいけない理由がある

「ふぅ、立ちなさい」

「魔王に膝を屈する訳がないでしょうに。」

圧倒的力の差を感じるが、勝てないほどではない。

アレを使えば瞬殺できるだろうが、暴走する可能性もある。


「行きますよ」

「ええ、何処からでも」

相手は健を持った女神。

自分との差は特にはない。

本気を出せれば互角なのかもしれないが、この場では私が弱い。

だが、それでも、負けるわけにはいかない。



「いくぞ!」

「こちらこそっ!」

激しい剣戟が起こり、その速度おそらくレベル900を超えないと見えないだろう。


「さすが神ですね」

「そちらこそ、さすが魔王ですか?」

不敵な笑みをする女神だが、私の顔もそんな感じなのかもしれない。


「譲れない戦いとは燃えますね」

「ええ、同意しますよ」

再び地を蹴り剣戟が始まる。

しかし、速度を上げた女神の剣が掠る。

少し速度を上げたようだ。


「舐めるなよっ!」

「そちらもまだ上がるのですね」

どうしようもなく笑ってしまう。

命の駆け引きが好きな狂人ではないが、楽しいと思ってしまう。

何かのために勝ちたいと思ったのはいつ振りだろうか。

兄妹のために生き残るんだ。

絶対にもう一度あの顔を見て、笑い、酒を酌み交わす。


「一気に上げていくぞ!」

「こちらこそ!」

剣戟の速度が上がり、私達は笑ってしまう。

一瞬の判断ミスで命を失うというのにこれ程嬉しそうに剣を振る奴はいないだろう。



「たのしいなぁ、おい!」

「キャラ変わってますよ!」

速度はどんどん上がるが、どちらの剣も魔剣なため折れる事は無い。


「はぁ、はぁ、はぁ」

「はぁ、はぁ、はぁ」

「やりますね」

「そちらこそ」

少し距離を取るが、両者肩で息をしている。

この女神、まだ速度を上げられるな。


「次はこちらからいきますよ」

「いいぞ」

再び始まるが、剣速が一気に2段階上がった。

それについていけなかった私は左腕を斬り落とされる。


「くっ」

「私の勝ちですね」

このままでは出血でも死ぬか、首を斬られて死ぬのどちらかだ。

だが、負けられない。


「まだ、まだ諦めるわけにはいかないっ!」

「剣士として情けないですね。」

その言葉と同時に右腕も斬り落とされる。

意識が遠くなるが、それでも負けられないのだ。


「俺は、勝たなければいけない理由がある!」

「何をそんなに必死に「解放」」

俺は一言、そう呟いた。

同時に意識が呑み込まれかける。


『壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す』 

「うるさい。力をよこせっ!」

全身から出る禍々しい力を押さえ込む。

しかし、その力はすべての生物を殺していく。


「何ですか、その力は!」

女神が私の首に向かって剣を振るうが、それを手で掴んで止めた。


「なんで、腕がっ!?」

「壊す壊す壊す壊すやめっ…壊す壊す壊す………はぁはぁ」

力を押さえ込めた私の腕は特殊な力でくっつけ、剣を止めたのだ。


「何なんですかその力は!」

「壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す」

「暴走?」

「壊れろ!」

私の意識はあるが、身体が勝手に動く。

地面を叩くと地震と同時に地割れが起きる。

バランスを崩した女神に攻め寄り、迫る剣を素手で破壊する。


「くっ、化物が!」

「すいませ、壊す壊す壊す壊す、どうや、壊す壊す壊す、抑えられそうにないです。死にたくなければ…壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す…逃げ壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す! 壊れろ!」

「腕をっ!」

暴れる力を抑えられず暴れだした身体は女神の両腕に触れ、破壊した。


「壊す壊す壊す。足壊れろ!」

「なっ!? 触れていないのに!」

次は言葉だけで足を破壊する。

これが、私の内に飼う化物。

これを知る仲間は皆が、破壊神だと言うがそれは良く分からない。


「これは、私の負けですね・・・・」

「壊す壊す壊す壊す? 壊す壊す壊す壊す壊す壊す! ぶっ壊れろ!」

その言葉と同時に女神は壊れた。

壊れた女神は狂ってしまっている。


「壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ壊れろ。壊れろ!」

何度も何度も壊れろと言われた女神は骨や内臓、全てを壊される。

そして、最後の壊れろの瞬間に肉体は完全に破壊され、死んだ。


「壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す壊す?」

暴走した自我は一瞬キラト達のいる方を見た。

そちらには津波が来ており、その津波も破壊して無効化する。

しかし、俺の自我はそれほどの力を持ちながら全力で逆方向へと走り出す。


「壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せない壊せないぃ!!」

壊すとしか聞いたことのない内なる化物が壊せないと連呼するのを初めて聞いた。

その後、直ぐに意識を返してきた。



「どれほど恐ろしい存在が居るんだ?」

私には分からないが、内なる化物は理解していた。

切り札ですら怯えるなら、私に勝てる理由はない。



「生きて帰って来てくれよ」

兄妹の無事を祈ることだけが私にできる唯一の事だった。




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