神々の戦い 指揮者VS女神 統率しましょう
コンダクトは女神を吹き飛ばした後、よく考えた。
生贄のタイミングについてだ。
自分達はどのタイミングで生贄になるべきなのか。
それをよく考えていたのだ。
「考えても無駄ですかね?」
いや、無駄ではない。
生贄になることで、勝利に近づくのだから。
歩いて女神を吹き飛ぼしたところへ到着するが、周囲には何人か人が隠れている。
「出てきなさい。」
コンダクトの言葉に逆らうことなく、全員が姿を現す。
現れたのは勇者を率いる女神だった。
「勇者さん、目的は?」
「貴女を殺すことです!」
勇者をそう告げるとその場で綺麗な気をつけをしている。
「早く並びなさい。」
命令通り、全員が一列に並ぶ。
並び、一人一人質問され、誰一人嘘をつくことはない。
「何を、したっ!」
「抵抗できるとは素晴らしい! ですが、質問はしていません。黙りなさい。」
女神は言葉により黙らされる。
一種の真言というやつである。
「神の言葉に逆らえる者はこの世に居ません」
実際は極小数だがいる。
しかし、この場には居ない。
「統率力、それ即ち圧倒的力」
「何言ってる、か、分かりま、せん、が?」
「気をつけ!」
「くっ」
女神は指示通り気をつけをさせられる。
これが指揮者の能力なのだ。
「では、貴方は生贄となるべく私の指示通り付いて来なさい。」
「いや「はい、でしょう?」はい!」
コンダクトの指示通りコンダクトの後ろを歩く女神。
連れてきたという勇者達も同じく統率されている。
「水の精よ我を避けなさい」
迫る津波も、コンダクトを避けていく。
あらゆるモノを統率するコンダクトは、神に近いのかもしれない。
「ほら、歩きなさい」
足の上げる高さ、歩幅、全てを揃えて歩く統率された女神達。
なにも話すことなく、無言でコンダクトについて行く。
「見えてきましたね。」
女神と勇者5人、それを率いるコンダクトはキラトの元へと最初に辿り着いた。
そして、そこで見たものは悲惨な光景だった。