神々の戦い 英雄と治癒者VS女神 ブレイブヒールは最強です
「ブレーーーーーイブ!」
「ヒーーーーーーール!」
「「二人合わせて、ブレイブヒール!」」
「馬鹿にしてんのか?」
ブレイブとヒールは全く馬鹿になどしていない。
二人は良い奴の代表格なのだ。
「なんだその顔は。英雄回復とかつまんねぇから。」
「ヒール、つまんねぇってよ 」
「ブレイブ、間違いなく貴方がつまんねぇんですよ。」
「両方つまんねぇよ!」
そのツッコミを受けて笑う二人。
「よし、始めるか。」
「ええ、始めよう。」
「切り替え早いな!」
二人は剣と杖を構えているのに対してツッコミしている女神は準備が整っていない。
「行くぜ!」
「いけ!」
「速っ、くっ!」
英雄であるブレイブはそこらの英雄とは次元が違う。
地を蹴れば音速を超え、剣を振れば斬撃が飛ぶ。
まさに英雄なのである。
「遅いぜ! せいっ!」
「がはっ。神を舐めるなぁ!!」
「魔法防壁!」
反撃の魔法を背後からの支援魔法で防ぐ。
まさに、英雄と聖女の組み合わせである。
「吹き飛べ」
「ヒール! 防御!」
「わってる!」
女神の言葉と同時に暴風が吹き荒れる。
全く近寄れなくなってしまった。
「うえ、なにあれ」
「すごい魔法ですねー」
二人は近寄れないので、遠くから見物している。
「あれって動かねぇの?」
「知りませんよ。」
移動しない台風を見てもつまらないが、傍観を続ける。
「アレ使う?」
「使おっか。早く片付けて贄になりに行かなきゃいけないし」
二人はポケットから木の実を取り出して口に入れる。
「チュッ」
「チュッ」
実を飲み込み、口付けを交わした二人は1つになる。
「これぞまさにブレイブヒール?」
そんなことを言って剣を振ると暴風が真っ二つになる。
「あれ、中身まで切れちったよ」
暴風を切ると、中の女神まで一刀両断していた。
これは、やっちまった。
「片付いたし行くか。」
「いや、逃げるわよ!」
二人は分離してキラトのいる方向を見る。
そして、死ぬ気で逆方向へと走る。
「え、夢?」
「早く行くわよ!」
背後から向かってくるのは津波。
何もない場所でこれほど大規模な津波を起こせる者など聞いたことがない。
「ヤバっ呑み込まれるっ」
「音速超えなさいよ!」
「融合疲れるんだっ、やべっ」
「きゃあっ!」
躓いたブレイブは、ヒールの服を掴み、倒れる。
「あっ」
「ブレイブの馬鹿っ!!」
二人は津波に流されていく。
津波に飲み込まれて尚生きている二人は凄いのだろう。
「死ぬかと思った。」
「いや、死んだじゃないの。私のおかげで生きてるんでしょ?」
ブレイブは津波に飲み込まれて、ヒールに傷が付かないように抱きかかえたせいで流れてきた物に頭などを打ち死んだのだ。
「あー、何だったんだろ今の。」
「キラト様が危ないわ。急ぐわよ」
二人は流されてしまったが、急いでキラトの元へと向かった。