神々の戦い マルスVS女神 勇者ごとぶち殺す
「やっぱ、力でないな」
「ここは天界ですよ? 魔族が全力を出せるわけないでしょうに」
目の前の女神がうざいが、言ってることはまちがってないんだよな。
「礼儀として名乗るけど、俺はマルスだ。」
「私は「あー、死ぬ奴の名前とか別にいい。だから、自己紹介しなくていい」」
女神は睨んでくるが仕方がないだろう。
元から覚えること嫌いだし、どうでもいい奴なんて尚更覚えたくない。
「【雷魔法】電撃」
「【雷魔法】電撃」
俺の電撃は女神の電撃に飲み込まれ、俺へと迫る。
「あっぶね」
「雑魚魔王さん? どんどん行くので無様に踊ってください。」
雷が次から次へと飛んできて、電撃祭り状態である。
うっとおしいから全部受けてやった。
「俺、雷効かねぇから。」
「では、これならどうです?」
女神は地面に落ちている石ころを広い魔力を込める。
それは効くわ。
雷は吸収できても、雷の特性を持った石ころ自体は吸収できないからな。
「ほら行きますよ?」
「舐めんな!」
全て回避するが、早すぎて掠った。
うぇ、さすが神様。
「さすが神様だな」
とりあえずその場から逃走する。
このままじゃ殺されるし。
「地雷、地雷、地雷、地雷・・・・・・」
走りながら地雷を仕掛けていく。
地雷って言ってもドカーンと爆発するわけではなく、範囲(直径30m)に入ると雷がバチバチっと球を描くように出るだけなんですけどね。
「おーい、クソ女神ー。追いかけてこいや!」
「罠があって追いかる馬鹿はいないでしょうに。」
さすが神様ですね。
バレてたわ。
「どうしよっかなぁ。」
手はあるけど、瞬殺しちゃうからなぁ。
まぁ、いっか。
早い方がいいしな。
「封印解除」
魔力は極限まで身体の内に抑えているので一撃は重く、体は雷。
俺をこの世界の作った神が雷神で、その力を丸ごと奪ったものである。
「来ないから来てやったぞ」
「自分から逃げたでしょう?」
「しーらねっと!」「!?」
地面を蹴って一瞬で女神の懐へ移動し、そのまま腹パンした。
吹っ飛んでって、どこに居るかわからない。
もしかしたら、消し飛んだかもしれない。
「油断、しました、ね」
油断とか言い張る女神さまとか最悪だー。
よろよろ転移してこっち帰ってきたけど、何処まで飛んでったのか気になるな。
たいうか、そこは本音で「なんだその力は!」とかいう所だろ。
「はぁ、次こそ、さようならっ!」
「くっ」
ガキンッ
俺が女神を殺そうとパンチしようとしたら、なんか盾が割り込んできた。
もう予想付いてるから出てこないでほしいわー。
「大丈夫ですか、女神様!」
「ええ、助かりました。」
はい、勇者君ですね。
ホント、クズの相手中にクズが出てくるとか不快だ。
「魔王、お前だけは俺が倒す!」
「あー、格好いいこと言ってるとこ悪いけどさ、お前が倒すなら一人で来いよ。なんで二十人以上いんの?勇者って群れないと強くないからホント憧れねぇわ。」
隠れていたつもりの勇者たちが姿を見せる。
全員雑魚だし。
レベル500で俺の前に立つとかありえねぇわ。
「俺さ、悪!って感じにはなりたくないから言うけど、俺のレベル999な。これ聞いても戦いたい、死にたいって奴はかかってこい。死にたくないなら武器を捨てろ。」
目の前の勇者君以外全員武器を捨てる。
いやー、物わかり良くて助かるー。
「さて、いっくよー」
「俺の盾は女神さまからいただいた最強のた、て・・・・かはっ!」
なんか自慢の盾を構えてたから盾貫いて腹部も貫いてやった。
内臓って温かくて、ドロドロしてるんだよねぇ。
引き摺り出してやりました。
「貴方、勇者を殺すことがどれほどの罪かわかって「俺、魔王。これ、勇者。おーけー?」」
女神のお気に入り君だったらしい。
常識的に考えて俺が勇者を狩るのは正当なんです。
「ほら、周りの勇者に謝罪したら? 自分たちが生き残るために無理矢理召喚してすいませんってさ。」「すいません」
「聞こえないけど?」
「すいませんでした! いのごっ」
「それは聞いてませーん」
うるさい女神の口を塞ぎ、勇者たちを見るとみんな現実を受け止められずぼーっとしている。
「女神さま、無様だな? どうだ、自分の罪を理解しているか?」
「うるさいっ!」
女神は暴れるが無駄である。
今の俺に攻撃を当てるのは、この女神では絶対に無理である。
「なぁ、なんでこんな事したんだ? あ、これ、俺の個人的な事だから。」
「話すわけ「はぁ、抵抗権はねぇよ。」」
頭から直接、強制的に情報を取り出すのがベストだろうが、そんな能力はない。
「ほらっ、話せ」
「神からの命令よ」
「つまんねえ答えだな。まぁいいや。」
本当にどうでも良かったので、脳に電気を流して殺してやった。
「暇やー」
周囲を見渡すと勇者達が死んだ魚の目をしている。
どうしようかね。
「おい」
「ひっ」
俺が、男の勇者の一人に話しかけるとビビってぶっ倒れた。
泡まで吹いている。
唯一気の強そうな少女に問いかける。
「あー、なぁ、君、」
「はひっ」
「どうやってここに来た?」
「め、女神、様、に、連れて来られましたっ」
なるほど。
確かにそれは納得できる。
「で、帰りはどうするんだ?」
「え、あ、考えてません、でした。」
俺達の空中都市は無理だから、七賢人の浮遊城でいいか?
聞いてみないと分からないが、放置するのも気分が悪い。
「付いて来い。下ろしてやるから。拒否権はねぇぞ」
少女は周囲の奴らにも声をかけて立ち上がらせている。
「おい、早く付いて来い」
慌てて付いて来るのを笑いながら先を行く。
怪我してねぇくせにだらしねぇなぁ。
「っ!? なんだこの魔力・・・・」
来た方向へ戻ろうとすると、そちらから異常な魔力を感じる。
これは、先に進まないのがベストだ。
進めば巻き込まれる。
「すまん。反対に向かうぞ。ここはマズい。早くしろ!」
全員を走らせ、気を失った奴等は俺が抱えてやる。
何故そんなに急ぐのか。
背後から津波が迫っているのだ。
これは、先程あった津波とは規模が違う。
「木にしがみつけ! 呑み込まれるぞ!」
全員が木にしがみつく。
そして、津波に呑み込まれ、引くまで待つ。
「大丈夫か!?」
「なんとか・・・」
先程の少女から声がかかるが、まだまだ走らなくてはいけない。
「ここは危ないから急いで逃げるぞ!」
俺達は必死に逃走するのだった。