第7話:波乱のクリスマスイブ〜前編〜
「おにいちゃん! こっちだよ! 早くしないと売り切れちゃうよ〜!」
人でごった返す商店街。
俺は今にも泣きそうなヤコに手を引かれながら、苦笑を浮かべてため息を一つ。
「大丈夫。あんなの絶対に売り切れないって」
「そ、そんなの分かんないよ! だって今日はクリスマスだもん!」
そう、今日は聖なる日、クリスマス――正確にはクリスマスイブだけど――だ。
普段は寂れてる、近所の千隊商店街も、この時期ばかりはご覧の通り人だらけだ。
さて、そんな人だらけな場所で、なんでまたこんなにも急かされながら走ってるのかというと――
「ゾンガイガーケーキはいつも3つしかないんだよ? 今年は予約してないんだから危ないよ!」
そう、俺をモチーフにしたケーキを買うためだ。
この千隊町では勿論、この辺り一帯ではレオガイガー達とブラックローズとの戦いは名物――実際、おさる兵グッズや聖獣仮面グッズ、ブラックローズグッズとかがあちらこちらで売られている――になっている。
勿論クリスマスにはその名物を前面に持ってくるのは必然とも言える。
故に、クリスマスにその名物キャラ達をモチーフにしたケーキが売られるのも、何の不思議もない。
だが、その生産個数は需要と供給のバランスを考えて決められるのだ。
こんなキャラ物を買うのはお子様達だ。
お子様達に人気があるのは、やはりいつも勝利する正義のヒーロー達。
そんなヒーロー達を裏切って悪の手先になった、死獣仮面は当然のように嫌われ者だ。
と、ここまで説明すれば嫌でも分かっただろう?
そう、ゾンガイガーケーキは売れないからケーキ屋さんでは僅かしか売ってないのだ!
どうやら毎年三つは売れるらしく――ただし、4つ目を求めてきた客は今のところいないらしいが――ここの商店街のケーキ屋では、毎年キッチリ三つだけゾンガイガーケーキを置いているのだ。
で、ヤコは毎年そのうちの一つをしっかり予約して買ってくれてるわけなんだが、今年は予約係だったヤコのパパ――総帥・ブラックゲン大帝――が予約を忘れていたらしく、それをついさっき知ったヤコは大泣き。
ブラックゲン大帝をボッコボコにしていたところを俺が止めて、急いで買いに行くという提案でなんとか総帥を救い出したのだ。
本当は電話を一本入れればいいだけなんだが、ヤコは話を聞かずに俺の手を、ブラックナイトの超人的なパワーで引っ張ってきたってわけだ。
まぁ、普通に考えて毎年三つしか売れないものが売り切れるなんてありえないと思うんだが……なんて、考えていた俺が間違いだったらしい。
実際についてみるとケーキは売り切れ。
うちのお姫様は今にも涙のダムが決壊寸前。
「お、落ち着けヤコ! ケーキくらい大した問題じゃないだろ?! ほら、あっちでおさる兵のキーホルダー買ってやるから、な!?」
「ひっく……けぇき…おにいちゃんの……っ」
まぁ、分かりきったことではあるが、当然こんなことではダムの決壊は防げるわけもなく、もうダメかと思ったその時――
「予約してた夏木ですけど」
「ネコ!?」
そう、そこにいたのはネコだった。
しかも、その手には――
「あ、ゾンガイガーケーキだ!」
その手には三個しかない――不人気だからというのが切ない――ゾンガイガーケーキが!
その視線に気づいたのか慌てて後ろにケーキを隠すネコ。
ネコは視線を泳がせながらやたらと早口で――
「ち、違うのよ、これは、その、た、たまたま残ってたから、その、しょうがなくで!」
残ってたわけはないのだ、今現在そのせいでヤコは泣きそうなわけで……。
これはまずいなと思ったね。
これはどうフォローしようかと頭を回していた矢先、唐突にヤコが一歩前に出た――
「そ、そうなんだ! や、ヤコね、そのケーキ欲しかったんだけど……」
「……えっ!?」
あー、どうやらケーキ欲しさにいつもの鈍さに拍車がかかっているようだ……よ、良かったぁ。
あとはネコがヤコにケーキを上げれば全てかいけ――
「だ、ダメよ!」
――つ……あれ?
えーと……えええぇええぇぇええ!?
どーもお久しぶりですwww
ひるこでございますwwww
なんというか・・・久々に作者ページ見て、感想ついてたんで浮かれて続編を書いたんです
そしたら・・・もうダメです・・・私はもう引退でしょうか・・・
もともと酷かったのが更に酷くなってましたw
しかも一話に収まらず、前編になった、と
ほんとにごめんなさい^^;
それでももしも続きを読んでくださるというお優しい方がいらっしゃるなら・・・
と、いうかいることを願って!!!
しーゆーあげいん!!!