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第2話:日常〜下校前編〜

さて、やっと学校も終わって放課後。

俺はブラックローズのお仕事があるから部活には入っていない。

だから、HRが終わり次第さっさと昇降口へGO。

放課後も部活や委員会に精を出す皆さんを尻目に、靴を履き替えて……と。

さて、そろそろだな。

俺はクルリと中等部用靴箱の方へと向き直り、両手を広げ、キャッチの構えをとる。


「お〜にぃ〜ちゃ〜〜〜〜ん!!!」


来た来た来た。いつも元気な暗黒将軍。

下校時のこのタイミングで、必ずと言っていいほどの確率でやってきては、見事なタックルを味あわせてくれる、可愛い幼馴染。

ヤコは俺が待ち構えていたことが嬉しかったのか、さらに速度を上げて突っ込んでくる。

だが、今日は構えもバッチリだ。見事なキャッチを見せてくれよう!

目標到着まで、あと5、4、3、2、1っ!


ガチーン!


……あ、星が見えるよ、父ちゃん……バタッ。


「って、今一体何があったんだ!?」


俺は勢い良く首を持ち上げて、俺の身体の上でおでこを抑え、涙を零しているヤコに条件反射の要領で尋ねる。

と、言っても何があったかは解ってるんだけどな。

ただ、標的の予想外の動きに咄嗟に対応できなかっただけで。

……と、いうか退けてくれ。周りの視線が痛い。

そんな俺の思いとは裏腹に、ヤコは答えもせずに、俺に抱き付いて泣き出すのだった。

そりゃ、痛いわな。

あの速度でジャンピングヘッドバッドを決めたらさ。


「うぇ〜〜〜〜ん、いたいよ〜〜〜〜〜〜!!」


結局泣きわめくヤコを、なだめたりすかしたりと悪戦苦闘の末――泣いてるヤコは聖獣仮面の100倍手強い――なんとか、泣きやんで頂いて、ヤコのリクエストで、幼稚園の先生と園児よろしく、お手々つないで仲良く下校。

あぁ、視線が……視線が痛いぜ。


「……っく…ひっく……おにぃちゃ……ごめ…ね?」


ヤコが小さな手で俺の指をシッカと握りながら謝る。

そりゃもう、しゃくりながら、瞳の許容限界ギリギリまで涙を溜めて俺を見上げて、だ。

そんなヤコを責められる筈もなく。


「もういいから、泣きやめって。嬉しくって飛びついちまったんだよな?もうわかったから」

「えぐ……う、ん…ヤコね……おにいちゃ、が…手を広げて待っててくれたから……」


そう、何故あんなことになったのか。

ヤコはいつものように俺に愛のタックル――本人は抱き付いてるだけだというが、俺は断固としてそれを認めない――をかまそうとして、走ってきた。

するとどうだろう。俺が手を広げて待っているではないか。

嬉しくなったヤコは、加速。

そりゃもう流石は暗黒将軍の加速、素晴らしい加速だったよ。

しかし!そこまでなら俺の予想範囲内で対応できたんだ。

問題はこのあと。

もう嬉しい嬉しいヤコは、飛んだ。

いや、ホントに“跳ぶ”を超えて“飛ぶ”、な。

俺は小さなヤコを受け入れるために斜め下へと構えていた。

しかし、ブラックナイトの跳躍は、一瞬にしてヤコを俺の視界から消し――昇降口の天井スレスレの高さまで飛んで――俺が慌てて上方を向いた時には、ヤコの満面の笑顔があった。

もう、紙一枚間に入るか微妙なくらい、すぐ目の前に。


「もういいから。帰りにヤコの好きな南国堂のチョコバナナ買って帰ろう、な?」

「うん!ヤコね、おにいちゃん優しいから大好きだよ!!」


責任追及権を無条件放棄した俺は、空いてる方の手で、尻のポケットに財布があることを確かめながら、まだ潤んだままの瞳で嬉しそうな笑顔を浮かべるヤコに、自然と零れる優しい微笑みを返して校門を出たのだった。

……で、終われば良かったんだが。

校門を抜ける時に、遙か上空――高校棟校舎三階生徒会室方面の――から降って来た影。

俺達が校門を抜けきるまでには進路上に立っていたその少女に、大きく溜息をつくくらい、俺にだって許されるよな?


「あ、カイト、偶然ね。……?溜息なんてついてどうかしたの?」


俺はご自慢のポニーテールを揺らして、小首を傾げる彼女を見て。改めて溜息をこぼすのだった。

どーもw

本日だけで三作目なひるこですwww

初めてコメント頂いちゃいました記念で書いちゃいましたwwwww

まぁ、豚もおだてりゃ木に登る、と(笑)


そんなこんなで、ヤコとの下校編でした^^b

次回はネコと合流し、さらにはちゃめちゃになりそうで怖い、ひるこでした〜^^;


それでは次回も読んで頂けると信じて

しーゆーあげいんw

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