平成二十六年神話
ずっと夢を見ていたんだ、雨の降る夢を。セカイは雨で満たされていた。ボクのココロの中に安心感を満たしていた。雨が止んで、ボクは目醒めた。そして歩いた。セカイ中を歩いて回った。なんということだろう、雨は引きセカイのななつは海になり、セカイのみつは津地となり、かつて高く満たされていた場所には蒼く空が広がり、それよりも上には星や月、そして日の在る天という空間になっていた。ウミとつちを征服しボクはアメとソラを渇望した。雨を降らせたモノの存在を知りたかったからだ。ヒがボクを照るなら、潤すのはツキなのだろうか。月に向かえども答えはなかった。
少年がいた。それから少年は太陽に向かった。少年は灼熱の中死んでいった。少年は、太陽の中に還っていった。決して宇宙の中心ではない、銀河の中心でさえないちっぽけのタイヨウを、ありもしない神だと崇めて。
かくして神は死んだ。嗚呼、現実を見よ、神のいないこのセカイで、キミは生きねばならぬ。