0章-第6話
ため息しか出てこないけど、自己紹介してなかったな。
タイミングなかったし、もはや手遅れ感しか残ってないけど、
「…遅まきながら、僕は、望月宏太といいます。
あなた名前を教えて頂いてもいいですか」
「名前はないわ、水の化身、水の妖精達のまとめ役をしてるわ。」
「とはいっても、中間管理職みたいな感じよ。」
大変よ。と少しも大変そうでもない感じで話をする。
「でも、さっきの内容を僕みたいな人間に話してもいいんですか」
「多分、大丈夫よ。あなたはここから出られないから。
死にゆく人に話しても問題ないわ」
・・・そうですよね。改めて指摘されると参るわ。
分かりたくないけど、人生これで詰んだのは理解した
「ただ、少し時間あるなら、僕の意識がなくなるまで話し相手になってもらえませんか」
・・・せめて、一人寂しく死ぬのは嫌だ。
それに、せっかく来た世界、どんな世界か思い描きながら逝くのも悪くない
「…いいわ、何が知りたいの」
この世界のこと、地上のこと、地域のこと、気候のこと、種族のこと、
思いつく限り質問した。
この世界は、地球によく似た世界。
大地と海の割合は、3:7、気候も大気の比率も地球によく似てる。
大陸は、6つ。
人間は、大規模な国家が10、中小含めたら数えたことがないとか。
エルフは、3つほど、森林地帯に、
ドワーフは、20ほど、山岳で鉱山地区に点在しているとか。
獣人もおり、3つほどのコロニーを形成しているみたいとか。
他にもいるけど、竜種もおり、2つほどの地域に分かれているとか。
他に精霊も妖精もいるし、悪魔や魔族、
イメージ的に北欧神話に代表としたあっち系の神話に近いかなと勝手に推測。
魔法の文化が発達してるから一概に言えないけど、
話を聞く限り、感じとしては、文化は中世ヨーロッパの雰囲気に近いかな?