0章-第5話
とりあえず、ひと呼吸おいて、最大の疑問を訪ねてみる。
「ここは、どこですか?」と。
「鍾乳洞の中よ」
「ただ、海底1500m位の、元は溶岩洞穴だったはずよ。」
・・・詰んだ。
「もう一つ、教えてあげる。この星は地球って呼ばれてないわ。
フィアデルナとこの星の住人達に呼ばれているわ」
・・・地球ですらないよ。
「私からも質問させて、あなたはどうしてここにいるの?」
・・・答えられない、
「逆に教えて欲しいよ。」
「そう、何かの事象に巻き込まれたのかな」
「言語が違うもの、念話は言語の垣根を越えるわ」
「後、人族やエルフ達は、翻訳魔法もあるわ」
・・・英語すら苦労する身としては、便利です。
後、何かファンタジーな言葉も混じってました。
「僕も教えて下さい、あなたはどうしてここにいるんですか?」
「ここは、私が昔から目を付けていたの。
エネルギーラインが何本も交差する中心地で、
とっても、安らいで居心地がいいのよ。」
「環境を整えるために、土を持ってきて、空気を地上の大気と入れ替えたり
光の屈折率を変化させて、光をここまでもってきたの」
「大変だったけど、あなた方の言う、一面ラベンダー畑にしたくてね。」
「でも、もう少し時間があれば、形になったのに、
300年くらい前にね。
イタズラ好きの子が、深層海流を止めちゃったの」
・・・ヲイ。
「50年くらい気づかなくてね。地上はちょっとした天変地異だったわ」
「後始末をするために、ここに結界を貼って、閉空間にして
なんとか軌道修正するのに、今までかかったの」
・・・これは、きっと、突っ込んだら負けの話だ。
「そうそう、結界といっても表面的な処理だけたから、
地面を掘ったり、釣り糸でその部分だけ結界に亀裂が走るわ。
エネルギースポットだけあって、
発育が他よりいいみたいだから、襲われないように気をつけてね。」
・・・手遅れです。