0章-第4話
水、食料もなく、寝る所も確保できない。
水は、地底湖の水が飲めるといいなぁ。
とはいいつつも、近づく気は到底ないが。
寝る所は、せめてシュラフでもあるといいが。
水辺から離れているとしても、ミミズモドキがいつ現れるとも限らない。
今度は、助からないだろうと、覚悟を決めないといけない。
せめて武器でもあれば、と考えてみるが、
武器があっても、自分にどうこうできるとも思えず、
水も飲めない状態では1日も経たずに体力的に手詰まりになるに違いないと考えていると、
「あの~」
と頭の中に女性の声が響いてくる。
ふと、顔を上げてみると、目の前に、女神がいた。
藍色の髪と瞳が印象的な。
思わず見蕩れていたら、
「シュラフってなんですか?」
質問がありました。
「寝袋です、野外で睡眠する時に使ったりします。」
どんな状態でも条件反射だけで答えることができる
社会経験のなれる技ですね。
ふと、疑問を尋ねてみる。
「スコップや釣竿も貴方が用意して頂いたのですか」
「はい、困っていたようなので、あなたの心の中にある
イメージを掴み具現化してみました」
上手に出来てたでしょう、と微笑みながら答えてくれる。
具体的にどうやったかは知らないけど、何か驚き疲れた。
それにさりげなく話ししてるけど、心の中もわかるんですね。