第七話
紀来圭 栄凌高校1年 数学が得意で理系に進む可能性大(将来の事言われても)
一般入試での合格で成績は上の中、入学直後のテストでも20位前後の学力の持ち主。ちっ(舌打ちしないでよ……)
1人暮らしらしく、スーパーで買い物をしている姿をよく目撃されている(目撃って、容疑者じゃないんだから)
運動もそこそこできるようで、体力測定の結果は全種目平均よりやや上(一般入試で平均以上ってすごいよ)
友達らしい友達はいないが、こちらから話しかければ受け答えはしてくれるほどのコミュニケーション能力はある模様(動物じゃないんだから)
顔も悪い方じゃないしどちらかと言えば良い方(ニヤニヤして見ないで)
だが目つきに難有り(確かに怖かった)
「まぁこんなもん。絢、いちいち突っ込み入れないで」
今までの情報はすべて沙耶が何も見ないで言ったものだ。
噂などに対しては常人を上回る記憶力を発揮している。勉強に生かせていないのが本当に残念である。
目撃などの単語を使って理時点で突っ込みどころ満載のため、残念ながら絢にそれをスルーする能力はない。
というか絢としては頭がいいという情報で舌打ちはしないで欲しかった。
沙耶は頭がいい人をあまり好まない。理由は何となく分かる。
「あと何人かの女子が目をつけているという噂が」
「だからニヤニヤしながら見ないでよ。本当にそんなんじゃないんだってば」
そりゃ今思えばちょっとはかっこいいとは思ったが一目ぼれというわけではない。
思い出は美化されるものだ。記憶などあてにならない。
ほらいつの間にかに記憶の中の紀来圭の顔が私好みに……。
「って違――う!!!」
「神楽坂、どうした!!」
ウォーミングアップのランニングの先頭に立って走っている部長がこちらを向いてきた。
「な、な、な、何でもありません!!」
恥ずかしい事をした、周りの部員もゲラゲラと笑っている。
隣の紗耶も大きな声で笑っている、大部分は沙耶のせいなのだが。
顔が一気に熱い、穴があったら埋まりたい気分になった。




