少女と剣士
第二話 「少女と剣士」
さっき戦っていた獣人はあの炎の玉の爆風のどさくさに逃げられ
らしい。そんなことより彼女の方が気になった。
彼女はこちらを見据えてこう言う。
「あは☆あたしはですね、エリス・ノア・マークリーっていいま
す」
「あたしのことはエリーちゃんもしくはエリスちゃんって呼んで
くださいねッ☆」
えっ!?
自分でちゃん付け強要してきちゃったよこの娘はとルーク
は思った。
まあ、とりあえずルークは聞きたいことがあったので、話を聞こ
うとしたが・・・
「ぎゅるぅ〜」
思わず、ルークのお腹が鳴ってしまった。
「あは、剣士さんお腹が空いちゃったですか?」
「ごめん、そうみたいだね」
「お腹が空いてるならあたしの下宿先に行ってみますか?
そこにはレストラン的なものがありますよ」
「じゃあ、お言葉に甘えていこうかな・・・」
彼女が先陣を切って町に向かって歩き出した。ルークは彼女につ
いていく形になった。
歩きながら、彼女はこう問いかけてきた。
「そういえば、あなたの何ていうんですか?剣士さんじゃなんで
すから〜」
「そうだったね、まだ自己紹介してなかったね。」
「僕の名前は剣咲ルークって言うんだ、よろしく
。」
「よろしくね!ルークちん。」
「・・・!?」
「いや、普通にルークって呼んでくれていいよ。」
「えぇ〜!?そのままだと可愛くないから、ルークちんでいいよ
ね?」
「はい」
彼女の気迫に負けてしまった。
そんな話をしていたら町が見えてきた。
「あれが今、あたしが下宿しているメールスという町です。」
あの町に自分の世界に戻るための手掛かりがあるかもし
れない。
つづく