第7話:対角線上の二人
〜天界〜
「くそ、わしとしたことがこんな重大なミスにも気が付かなかったとは・・・。まぁよい、要は聖魔戦争が終わり、世界の破滅を防げばいいんだからな。しかし、地の王があんな玩具を出してくるとはな。あれも失敗作だし、放っておいても問題なかろう・・・。」
そう言い、部屋から出て行った。
場所は変わって、地上。ギルガとアリアが<デビルキャッスル>から出ると、待ち構えていたように二匹の魔物に襲われた。
「・・・竜か、見る限りそんなに強い奴じゃないだろう。お前片方頼んだぞ。」
そういうや否や、竜に切りかかっていった。
「え〜、ちょっと待ってよ。もぉ、簡単に言うんだから。こっちは二週間もご飯食べてないのに。」
ぶつぶつ文句を言いながらも、詠唱を始めた。
「・・・・・・・えぇ〜い!」
そう叫ぶと、アリアは空に向かって手を上げた。すると、空中に大きな氷の塊が浮かんだ。
「竜なら多分氷が苦手でしょ、くらえぇ〜。」
叫びながら両手を振り下ろした。すると、竜に当たる前に氷が粉々に砕け散り、竜に氷の粒が次々と刺さり、地面に横たわった。
しばらく、大きく息をついていた竜だが、そのうち息もしなくなった。
「ふぅ、楽勝ね。」
後ろで、剣を鞘にしまう音が聞こえた。
「ずいぶんと手間取ったな。」
振り向くと、そこには首を刎ねられた竜の死骸が横たわっていた。
「うわ〜、ずいぶんとグロテスクな竜だね〜。」
アリアが青い顔をした。
「これが一番早いと思ったのでな。さぁ、先を急ごう、また竜が来るかもしれん。」
二人は、魔の国から南に向かって旅立っていった。
場所は変わり、ここは聖の国から遥か北に位置する世界一大きい谷。通称「地獄の入り口」だ。エイニーとダグラスは、橋があったであろう場所の前に立っていた。
「橋が落ちてるわね。ここ以外にこの谷を渡れる場所は無いの?」
ダグラスは困ったように対岸を見つめ、こう言った。
「・・・この橋しか向こう側に渡る術は無いんだ。南に行けば魔の国に入れるが、聖の者にも魔の者にも見つかってしまうし・・・。どうすればいいんだ。」
二人がこのような会話をしていると、背後から石が転がるような音がした。
振り向くとそこにはカインがいた。
「何アンタ、ここまで追ってきたの?私に勝てないことはわかったでしょう。命が惜しければ消えなさい。」
エイニーが、強い口調でそういうと、カインは、
「ふふふ、私が勝てないことはわかっている。しかし、消えようにも帰る場所が無いんでな。貴様らの目的はなんだ?聖の国を滅ぼすことか?そうならば私は貴様らを殺さねばならん、たとえ勝てないとわかっていようと命に代えてでも、貴様らを殺すぞ。どうなんだ、悪魔!」
と、腰から剣を抜きながら言った。
「悪魔って・・・、はっきり言うけど、私は悪魔じゃないわよ。確かに魔の武器を使っているけど悪魔じゃないわ、けれど聖の者でもない。ま、あえていうなら中間ってことかしらね。目的は、この地に降り立った、全能の存在が作った人間を見つけ出すことよ。」
エイニーはカインが自分たちと戦ってくれると確信し、全てを教えた。
「・・・戦争を終わらせる、その言葉真実か?どうやってだ?第三勢力にでもなるつもりか?」
カインが聞くと、
「そうね、それはいい考えだわ。そうやって名前を売っていけば探している人間も見つかりやすくなるってもんね。」
と答えた。
「で、お前はどうするんだ?カイン、俺たちについてくるのか?それともここで死ぬのか?二つに一つだ。」
ダグラスが短剣を抜きながら聞いた。
「お前なら俺の実力を知っているだろう?短剣さえあれば貴様の大剣であっても俺を殺すことはできんぞ。」
カインは、剣を鞘に戻し、二人を見つめてこう言った。
「・・・信用したわけではないが、戦争を終わらせるというなら手を貸そう。こんな悲惨な状況は早くどうにかしたいからな。で、探している人間というのは全能の存在に作られたといったが、そんなことがありえるのか?」
半信半疑の様子で、カインが聞いた。
「えぇ、だって私も地の王に造られたのよ、その人間を邪魔するためにね。でもそんなことは何の意味も無いことだわ。せっかくどんな形であれ、生を受けたんだから、意味のあることがしたいじゃない。だから、その人間を探し出して協力するの、戦争を終わらせるためにね。」
カインとダグラスはこの言葉に驚いたようだ。それはそうだろう、目の前に普通に生まれたのではない人間がいるのだ。
「そうか、お前の強さの理由がわかったような気がするよ。俺が勝てないわけだ、地の王って言えば、神話でしか読んだことが無いが、戦闘能力なら全能の存在に勝るとも劣らないといわれているからな。ところで、これからどうするんだ?橋は落ちているし、南にもいけないんだろう?もっと北に行けばエルフの住む森があるが、奴らは人間を嫌っているし・・・。」
三人で考えているとダグラスが、
「北のエルフの森を抜けるしかないんじゃないか?谷も渡れない、南にも戻れないんだから。まだエルフの森を抜けるほうが楽だろう。」
と、提案した。
「そうだな、エルフの中にも俺たちに強力してくれる者がいるかもしれんし。」
カインが賛成した。
「そうね、ここで止まっていても仕方ないし、進むだけね。」
三人は荷物を持って歩きだした。
北のエルフの森に向かって。
遅くなりましたが、第7話完成です。二人は全然正反対の方向に進んでいます。これからどうするかが悩みどころですねwこれからも末永くお楽しみください。
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