第5話:脱獄(下)
エイニーが召喚した魔物が門を壊していると、背後から大人数の兵士が二人を取り囲んだ。
「ちっ!追いつかれたぞ!どうするんだ?」ダグラスが、エイニーに尋ねた、が、エイニーは冷静に。
「どうにもならないわね、魔物にでも襲わせる?」
と、冗談半分に返答した。
すると、兵士たちの中から、一人の騎士が声を上げた。
「私が・・・私が相手をする!」
兵士たちを押し分けて二人の前に姿を現したのは、親衛隊のカインだった。
「貴様が悪魔か・・・。私にはそうは見えんが、我が主の命で貴様を投獄する。」
カインはそう言い、腰から自分の剣、いや、剣というには大きすぎる程の大剣を抜いた。
「我が聖剣ホーリーソードで貴様を斬る!さあ、武器を構えよ!」
「はぁ、しょうがないわねぇ。ま、時間稼ぎには最適かしら。」
余裕の表情でこう言うと、背から魔槍デビルボーンランスを抜いた。
「おい!やつは王の側近の親衛隊だぞ!大丈夫なのか?」
ダグラスが心配そうに、尋ねると、
「だから、時間稼ぎだって言ってるでしょ?本気でやるわけないじゃない。ま、見てなさいって。」
と、言うや否や、槍をまっすぐカインに向かって突いた。
「ほぅ、なかなかの腕だな、投獄するには惜しい人物だ。だが、所詮悪魔!聖なる騎士には勝てん!」
カインは、剣で、槍を払い飛ばし、エイニーの腹に向かって、剣を横に払った。
「手ごたえあり!」
しかし、エイニーはカインの後ろに回り込み、槍の柄で後頭部を殴り、気絶させた。
カインは、消え行く意識のなかで、一つのことだけを考えていた。
「なぜだ、確かに手ごたえはあったのに・・・。悪魔・・・侮った。」
周りにいた兵士たちは、エイニーの強さに驚き、恐怖し、一目散に去っていった。
「さて、門も壊せたことだし、さっさとずらかりましょうか。」
「あぁ、そうだな。」
二人は、城を脱出し、闇の中へ消えていった。
〜王の間〜
「何!悪魔を取り逃がしただと?カインは何をやっとったんじゃ!」
王はまたもや怒りをあらわにしていた。
「カイン様は、悪魔と戦いましたが、あの・・・その・・・、・・・けました。」
「なんじゃ?聞こえんぞ!もっとはっきり報告しろ!」
すると、兵士は意を決したようで、
「カイン様は、悪魔に負けました。」とほとんど怒鳴るような声で報告した。
この報告を聞き、王は、
「何じゃと?カインが悪魔に負けたと申すか!ぐぐぐ、あやつめ、何をしておったんじゃ!カインをすぐここに呼べい!」
兵士は、一目散に王の間を出て行った。
数分後、カインは王の前でひざまづいていた。
「カインよ、貴殿は悪魔に負けたそうじゃな。貴殿の強には絶対の信頼をしておったのに、わしを裏切りおって!貴殿など親衛隊でも何でもないわ!出て行け!この国から出て行け!」
カインは何も言い返さず、ただ一言
「御意」
と言って王の間を出て行った。
〜城の外〜
カインは一人立ち尽くし、遠くを見るような目で考えていた。
「あの悪魔の強さは尋常じゃなかった、あの悪魔なら戦争を終わらせることができるかもしれない。いや、しかしあやつは悪魔だ。悪魔が私の言葉に耳を貸すとは思えんが。
だが、あいつは何かが違った。私が戦場で戦ってきた悪魔とは何かが・・・。」
カインは心を決め、ある方向へ歩いて行った。
それは、エイニーとダグラスが向かった方向だった・・・
これからも、ドンドン書いていきますよ〜!
一応名前が出てくるキャラは重要キャラです。これからの彼らの活躍にご期待ください。




