第9話:奇怪な事件
エルフの屋敷に入って、客間に通された。
大きな、ソファーに座るように言われ、三人は座った。
「で、聞きたいことってなんなの?」
待ちきれないようにエイニーが切り出した。
「まぁ、自己紹介ぐらいさせてくれないか?
俺の名前はサイランだ。君らの名前は?」
エルフがやんわりとした言動で聞いた。
まずはエイニーが、
「エイニーよ。」
次にダグラスが、
「ダグラスだ。」
最後にカインが、
「カインと申す。」
三人が一通り自己紹介を終えるとサイランが、
「君たちに聞きたいこととはなぜこの森にやってきたか、
そしてそこの女は何者なのか、ということだ。エイニーといったか
君の背にある槍は魔の武器だろう?いままで魔の武器を携えてやってきたものは
居なかった。そしてカインだったか、君の剣は聖剣だろう?この組み合わせは
変じゃないか、だから聞きたかったのだ。」
サイランがここまで一気に聞いた。確かにこの三人はおかしな組み合わせだろう。
一人は魔の武器を持っているし、一人は逆に聖の武器を持っている。今は戦争中だし、この組み合わせはありえないといってもいいだろう。
この質問にエイニーはだるそうに答えた。
「まず一つ目、この森にやってきた理由は魔の国に行きたいから、二つ目、私は魔の武器を使っているけど魔の国の者じゃないわ。カインと一緒に居るのだって利害関係が一致しているから。
それ以上の理由は無いわね。まだ、完璧に信用できているわけでもないし。」
サイランはその答えを聞いて、一つ疑問に思ったことを聞いてみた。
「君らは地獄の入り口を渡らなかったのか?」
この質問にカインが、
「橋が落ちてしまっていた。誰がなぜそんなことしたかはわからんが
あの橋があってはなにか都合が悪かったのだろうな。」
橋が落ちたと聞いてサイランは驚いた。
「何、また橋が落ちていたのか。最近直しても直しても橋が落とされるのだ。」
この話を聞いて三人は考え込んだ。
橋が何度も落ちるのには何か理由があるのではないか、
エルフが知らないとすると、エルフが落としたのではない。
カインも知らなかったのだから聖の国の仕業でもない。
だとすれば、魔の国の仕業となるが、なぜそんなことをしたのだろう。
三人が黙っているとサイラスが、
「君らには少しの間ここに滞在してもらうことになる。
橋が直るまでな、橋が直ったら早々にこの国から出て行ってもらうことになる。
言っておくがこの森を抜けようとしても無駄だぞ、エルフにしか抜けることはできないように
魔法がかけてあるのでな。」
サイラスはそれだけ言うと部屋を出て行ってしまった。
三人は、この家の召し使いだと思われるエルフに部屋を案内してもらった。
部屋に着くと三人は否応も無く眠気に襲われた。
何も考えずに寝るのは後どれくらいできるのだろうか。
橋が何度も落ちるのはなぜか、それらの解決に彼らは携わることになるのだが、
三人はそんなこともしらずに気持ちよさそうに寝ていた。
一ヶ月に2話投稿できました。よかったです。
感想待ってます。