表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

救出

夜明けに差し掛かった頃、耳元で囁く声が聞こえた。

「起きて、起きて。ワンダラー。」


彼は蜃気楼を眺めるように眼を開けた。

「お!A、久々だな。いつも見てるくせに」

「アシュリーンMと呼んでといったでしょ。」


「以前も聴いたがそのMってなんなんだ?」


「さあね。私も知りたいよ。」

「ま、大した意味もないんだろう。上が作った俺用の擬似人格だからな。」


「それは傷つくね。いつも助けてあげてるのに。」

彼女は青白いホログラムの長髪を手で払う仕草をして

賞賛を求めているようだった。


「じゃ、またね。何かあったら気分次第で助けるよ。」


「気分で左右されるのか、、まあ頼んだぞ。」

ワンダラーは立ち上がり軽く右手を上げて

気だるげにしばしの別れの挨拶をする。


頭ひとつほど下から彼を見つめていた

アシュリーンは少し嬉しそうだ。

「はいはい、じゃ!」


アシュリーンが彼の目の前から消えようとしたその瞬間、丘ひとつ越えた先で色鮮やかな火薬の

燃え上がる光が見えた。


「ありゃなんだ。。。」

「ちょっと待って。一応、手配書とこの辺りの地図を見てみるけど、次の目的地はもっと先のはず。」

彼女の手から放射状に周辺の地図と手配者一覧が表示される。


「どうだ。何か手かがりはありそうか。」

「ないね。大きな街もない。道も外れるし、寄り道にはなっちゃうかもだけど臨時収入くらいにはなるかもよ?」


「自分は死なないからって勝手だな。でも行くよ。」

彼がそう伝えると、アシュリーンは少し当惑している。彼女自身もその理由はよくわからない。


素早く相棒の背中に乗るとポンポンと首のあたりを叩く。


先ほどまでの会話を理解し、待ち構えていたかのように相棒は立ち上がる。

エンジンと馬の嗎が混じったような叫び声をあげ、

彼らは目的地へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ