そらまめのそらもよう~episode2 転機~
おにはーそと、ふくはーうち
ひとつぶのだいずが、どこからか飛んできて、
じめんにコロコロと転がりおちました。
だいずの頭には、「おにたいじ」と書かれた
まっ赤なハチマキがまかれています。
だいずは、起き上がると、あたりをみまわして、
用心深くすすみました。
そこへとつぜん、猫耳つきの帽子をかぶったそらまめがあらわれました。
だいずは迷わず、そらまめに突進しました。
そらまめは、ドーンと後ろにたおれました。
だいずは、そらまめの頭の猫耳をみて、
鬼のツノじゃないことに気づきました。
だいずは、あわてて、ぺこりとおじぎをして
そらまめにあやまりました。
そらまめは、起き上がると、
だいずの頭のハチマキをとり、
かわりに、自分の帽子をかぶせました。
帽子があたたかくて、だいずはほんわかとした気持ちになりました。
そらまめはくるっと、向きを変えて歩きだしました。
だいずも後からついていきます。
しばらくすすむと、そこはだいず畑でした。
たくさんのだいずたちが、一列に並んであるいていました。
そして、次々に、箱の中へ飛びこんでいきます。
ポチポチポチポチ、ポーン、ポーン
箱がいっぱいになると、車につまれていきます。
今まさに、さいごの箱にだいずたちが
飛びこんでいるところでした。
そらまめと一緒に歩いていただいずは、
そらまめを見ました。
そらまめはだいずを見て、うんうんと、答えるようにうなづきました。
だいずは、にっこりして、箱にむかって、走り出しました。
ポポポポポポポポ、ポーン
猫耳ぼうしをかぶっただいずが、最後の箱にとびこみました。
そして車にのると、箱の上から、そらまめに向かって手をふりました。
そらまめも、猫耳ぼうしが見えなくなるまで、手をふりました。